新語時事用語辞典とは?

2010年11月19日金曜日

レアメタルリサイクル

英語:Recycling for Rare Metals

廃棄された電子機器、家電製品、自動車などから、廃品に使用された希少金属(レアメタル)、ならびにレアアースを回収し、再利用しようという取り組み。

都市部には、レアアースが使用されている電子機器が、廃棄物として大量に存在している。都市部におけるこうした廃棄物は「都市鉱山」と呼ばれている。廃棄物から効率的にレアメタルを回収できれば、輸入依存の体制からの脱却やレアメタルパニックの回避など様々な効果が実現可能になる。

各省庁や地方自治体でもレアメタルリサイクルのための取り組みとして、携帯電話や小型家電製品の回収を促す取り組みを進めている。

関連サイト:
レアメタルリサイクル関連 - 環境省
レアメタルのリサイクルについて - 経済産業省

ストップロス注文

読み方:ストップロスちゅうもん
英語: Stop Loss order
別名:損切り
別名:ロスカット
別名:Loss Cut

主に外国為替証拠金取引(FX)を行う際に、損失確定の注文を出すこと。一般的には損切りと呼ばれる。

なお、外国為替証拠金取引(FX)業者が証拠金率を割り込んだ口座に対して、証拠金率を元に戻す目的で損失確定の注文を出すことをロスカットという。

レアメタル・パニック

英語:Rare Metal Panic

レアメタル(希少金属)の急激な価格高騰による市場の混乱。レアメタル専門の商社であるアドバンスト・マテリアル・ジャパン株式会社の中村繁夫代表が著書『レアメタル・パニック』で取り上げている。

レアメタル・パニックの背景として、2010年現時点で世界市場の9割以上を産出している中国が、著しい経済成長によって内需を拡大している点や、BRICsやNext11などの新興国が、従来の先進国と共にレアメタルの市場に買い手として参入し始めた点などが挙げられている。

日本はハイテク産業立国でありながら、ハイテク産業に必要なレアメタルの入手をほとんど輸入に依存している。いわゆる都市鉱山を活用したレアアースリサイクルや、レアアース代替材料の開発などをはじめとした、輸入依存体制からの脱却の試みも進められている。

レアメタル・パニック 「石油ショック」を超える日本の危機 - 光文社
コラム 続レアメタルパニック - 国際レアメタル&リサイクル研究会

IFO注文

読み方:アイエフオーちゅうもん
英語:If Done One Cancels the Other order
別名:IFO order
別名:IFO
別名:If Done One Cancels the Other注文
別名:連続注文

主に外国為替証拠金取引(FX)を行う際の、IFD注文とOCO注文を合わせた注文方法のこと。

IFO注文では、例えば、今のレートが1ドル85円50銭の場合、86円10銭になったら買い注文を出して、約定後に86円60銭(利益確定)と85円70銭(損失限定)の2通りを売り注文として出すといったことが可能。買い注文が約定した場合にのみ、2つの売り注文が自動的に出され、片方の売り注文が約定すると、もう一方の売り注文はキャンセルされる。

OCO注文

読み方:オーシーオーちゅうもん
英語:One Cancels the Other order
別名:OCO order
別名:OCO
別名:One Cancels the Other注文
別名:W指値注文

主に外国為替証拠金取引(FX)を行う際に、一度に2つの指値注文を出すこと。

例えば、1ドル84円30銭で買いポジションがある場合、84円50銭と84円10銭の2つの値に売り注文を出すことが可能。前者は利益確定の注文であり、後者は損失限定の注文(損失を抑える注文)となる。

また、今のレートが84円30銭の場合、83円40銭で買い注文、85円20銭で売り注文を出すことも可能。

OCO注文では、2つの注文のうち1つが約定されると、片方の注文は自動的に取り消される。

なお、IFO注文は、OCO注文とIFD注文を合わせた注文方法である。

都市鉱山

読み方:としこうざん
英語:urban mine

レアメタルが使用されている家電製品の廃棄物を大量に保有している都市部を希少金属(レアメタル)の鉱山に見立てた呼び名。産業に必要となる鉱物の自給を実現できる概念として注目されている。

携帯電話やPCなどの電子機器をはじめとする家電製品の多くには、希少とされるレアメタル、ならびにレアアースが使用されている。放置されている家電廃棄物からレアメタルを効率的に取り出して再利用できれば、スクラップの山は現在のハイテク産業に必要な資源の供給源へと変えることができる。

経済産業省では、2009年使用後も回収されず家庭にしまわれたままになっている携帯電話端末の回収を促進する「たんすケータイあつめタイ\(^o^)/」プロジェクトを実施、端末の回収を促すと共にレアメタルリサイクルに関する啓発を行っている。携帯電話には、ネオジウムやパラジウム、またバッテリーとしてニッケルやコバルトなどが使用されている。金や銀などの貴金属も使用されている。

都市鉱山の概念は1980年代に提唱されたものである。その後、日本が主力産業でもあるハイテク産業において必要なレアメタルの調達を輸入に依存している状況や、中国のレアアース輸出規制に象徴される今後の安定供給に対する危惧などを背景とし、改めて事業の推進が強化されつつある。

関連サイト:
都市鉱山開発機構
レアメタルリサイクル最前線2009 - 国際レアメタル&リサイクル研究会

IFD注文

読み方:イフダンちゅうもん
英語:If Done order
別名:IFD order
別名:IFD
別名:If Done注文

主に外国為替証拠金取引(FX)を行う際に、一度に2つの注文を出して、1つめの注文が約定したら2つめの注文が出される仕組みのこと。

例えば、今のレートが1ドル83円50銭の場合、83円30銭で買い、83円60銭で売るといった注文が一度で可能になる。この場合、83円30銭での買い注文が約定した時点で自動的に83円60銭の売り注文が出される。なお、2つめの注文は、1つめの注文と逆の注文であることが条件となる。

ちなみに、IFD注文では、83円30銭で買い、83円10銭で売るというように、損失を限定した注文方法も可能。

なお、IFO注文は、IFD注文とOCO注文を合わせた注文方法である。

地方議員年金

読み方:ちほうぎいんねんきん
別名:地方議員年金制度
別名:地方議会議員年金制度

地方議員のための互助年金のこと。

関連サイト:
地方議会議員年金制度検討会 - 総務省

月間平均時価総額

読み方:げっかんへいきんじかそうがく

上場企業の時価総額に関する、時価総額の月間の平均値のこと。具体的には、日次の売買立会における最終価格に、その日の時点での上場株式数を掛け合わせた金額の、その月の中での平均のことを指す。

月末時価総額

読み方:げつまつじかそうがく

上場企業の時価総額に関する、月末時点での時価総額のこと。具体的には、月末日における売買立会における最終価格(最終価格がない場合は直近の最終価格)に、月末日における上場株式数を掛け合わせた金額を指す。

子ども手当

別名:子ども手当て

15歳以下の子どもの保護者に対し子育て支援のための金銭を支給する制度の名称。

子ども手当は、第45回衆議院議員総選挙で民主党のマニフェストとして提示され、民主党への政権交代後、2010年3月31日に成立、4月1日より施行された。

子ども手当の制度の法律の正式名称は「平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律」であるが、通称「子ども手当法」と呼ばれる。法律自体は2010年度のみの時限立法となっている。

2010年に時限立法で成立した子ども手当では、受給資格者について子ども一人当たり1万3000円が支給されている。なお、児童養護施設に入所している親のいない子どもに対しては、『安心子ども基金』を活用して子ども手当と同額が支給されている。

2011年3月、子ども手当の制度を延長するためのいわゆる「つなぎ法」が参議院で可決された。これにより、子ども手当の制度は2011年4月から2011年9月まで延長されることになった。

関連サイト:
子ども手当について - 厚生労働省
平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律
平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律施行規則

カーボンポジティブ

英語:Carbon Positive

大気中の二酸化炭素を、排出量よりも多く吸収している状態のこと。

化石燃料を燃焼した場合のように、二酸化炭素が一方的に排出される場合は、二酸化炭素の吸収量よりも排出量の方が多いという意味で「カーボンネガティブ」と呼ばれる。

また、二酸化炭素の排出量と吸収量が等しい状態は、カーボン・ニュートラルと呼ばれる。バイオエタノールなどのバイオマス燃料を利用することは、二酸化炭素の吸収・排出が植物の本来のライフサイクルと等しくなり、カーボンニュートラルが実現可能とされる。

カーボンニュートラルやカーボンネガティブの概念では、主にエネルギーのライフサイクルにおける二酸化炭素の排出量が焦点となるが、カーボンポジティブでは植林などの活動による大気中の二酸化炭素濃度の増減が主な焦点とされる。

カーボンネガティブ

英語:Carbon Negative

エネルギーの利用時に排出される二酸化炭素の量が、エネルギー源として使用された資源がそのライフサイクルにおいて吸収した二酸化炭素の量を上回っている状態。

カーボンネガティブに対して、二酸化炭素の吸収量の方が排出量よりも多い状態はカーボンポジティブという。また、排出量と吸収量が等しい状態はカーボン・ニュートラルと呼ばれる。

これまで燃料として中心的に用いられてきた石油・石炭などの化石燃料は、二酸化炭素を多く排出し、他方で吸収をほとんど行わないため、カーボンネガティブである。そこから脱却するため、カーボンニュートラルを実現できるバイオマス燃料の研究が進められている。

カーボンニュートラル

英語:Carbon Neutral

排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念。具体的には、植物をエネルギーとして利用する際の燃焼・加工の工程において排出される二酸化炭素と、その植物が生長する過程において(光合成によって)吸収された二酸化炭素が等量であること。

植物を燃焼することで発生する二酸化炭素は、長期的な観点に立てば、植物が自然に分解される際に発生する二酸化炭素と等量であることになる。化石燃料の代わりに植物などのバイオマス(生物資源)を利用すれば、総体的に大気中の二酸化炭素量に影響を与えないエネルギーのライフサイクルが実現可能とされる。

カーボンニュートラルに対して、二酸化炭素の排出量が吸収量を上回ることをカーボンネガティブと呼ぶ。逆に、二酸化炭素の排出量よりも吸収量のほうが上回ることを、カーボンポジティブと呼ぶ。

カーボンニュートラルを実現する技術として、バイオエタノールをはじめとするバイオマス燃料が注目されている。

希少金属代替材料開発プロジェクト

読み方:きしょうきんぞくだいたいざいりょうかいはつプロジェクト

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が中心となって推進している、レアメタルおよびレアメタルに含まれるレアアースの代わりとなる材料物質を開発するプロジェクト。

同プロジェクトでは、液晶テレビに利用されるインジウムやセリウム、磁石としてハイブリッドカーのモーターなどに利用されているディスプロシウム、蛍光灯などに利用されるテルビウム・ユーロピウムなどが対象として、材料を代替するか、または材料の使用量を削減する技術の開発が推進されている。

プロジェクト推進期間は2008年から2013年までとなっている。2010年度には約12億円の事業費が割り当てられている。2010年11月には中国のレアアース輸出規制を受けて、あらたにレアアース代替技術に60億円の助成金を割り当てることが発表されている。

関連サイト:
希少金属代替材料開発プロジェクト - NEDO

レアアース代替材料

読み方:レアアースだいたいざいりょう

ハイテク産業において用いられるレアアースの使用量を削減、または完全に代替する技術の総称。

レアアースは今日のいわゆるハイテク産業において欠かせない材料である。その9割以上を中国が供給している。その中国がレアアース輸出規制を表明したことにより、レアアース代替材料の開発や実用化が喫緊の問題として浮上している。

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2007年度に「希少金属代替材料開発プロジェクト」を発表、翌2008年から2013年にかけて推進しているが、2010年11月11日にはさらにレアアース代替技術の開発へ計60億円の助成金を用意することを発表した。また、米国と協力してレアアース代替技術の開発を推進していくことも表明している。

関連サイト:
レアメタル代替材料の開発と元素戦略 - 独立行政法人物質・材料研究機構
希少金属代替材料開発プロジェクト - NEDO

エコノミック・アウトルック

英語:OECD Economic Outlook
英語:Economic Outlook

経済協力開発機構(OECD)が毎年5月と11月に発表する、主要国の経済に関する短期的な見通しのこと。

関連サイト:
経済協力開発機構(OECD) - 公式サイト
Economic Outlook - OECD

統計基準

読み方:とうけいきじゅん

統計法第2条第9項で規定されている、公的な統計を作成する際に、様々な統計の中で標準化や首尾一貫性などを確保するために用いられる分類などに関する基準のこと。

2010年11月現在、統計基準としては、「日本標準産業分類」「日本標準職業分類」「疾病、傷害及び死因分類」「指数の基準時に関する統計基準」の4つが設定されている。

関連サイト:
統計法に基づく統計基準 - 総務省 統計局

情報通信業基本調査

読み方:じょうほうつうしんぎょうきほんちょうさ

2010年(平成22年)から総務省と経済産業省が連携して調査・公表を始めた、日本標準産業分類大分類の「情報通信業」に属する企業の活動実態を明らかにし、情報通信業に関する施策の基礎資料を得ることを目的とした調査の名称。

関連サイト:
統計調査データ:情報通信業基本調査メニュー - 総務省
日本標準産業分類 - 総務省 統計局

野党共闘

読み方:やとうきょうとう

特定の政策や議案などについて、それぞれの野党が足並みを揃える事、意見を合わせて与党に対抗すること、議案などの可決や否決などを目指すこと、などを幅広く指す表現。

問責決議案

読み方:もんせきけつぎあん
別名:問責

参議院において、閣僚についてその個人の責任を問うための決議である「問責決議」を行う議案のこと。または、地方自治体の議会において首長などの個人の責任を問うための決議である「問責決議」を行う議案のこと。

新聞記事やインターネットのニュース記事の見出しなどでは、しばしば単に「問責」と記述されることもある。

なお、「問責」という単語そのものは「責任を問う」などの意味の言葉である。

ミッシュメタル

英語:Mischmetal
英語:misch metal
英語:rare earth mischmetal

希土類元素(レアアース)が含まれた合金の総称。

典型的なミッシュメタルの構成は、セリウムが約50%、ランタンが約25%、それ以外にネオジムやプラセオジムなどが少量含まれるというものである。

軽レアアース

読み方:けいレアアース
別名:軽希土類元素
別名:La-Eu
英語:light rare earth elements
英語:LREE

レアアースの内、スカンジウムとイットリウムを除いたランタノイド(15元素からなる)の中で、ガドリニウム(Gd)よりも元素重量が軽い(原子番号が小さい)元素のこと。

具体的に軽レアアースに該当する元素としては、「ランタン」「セリウム」「プラセオジム」「ネオジム」「プロメチウム」「サマリウム」「ユウロピウム」がある。

重レアアース

読み方:じゅうレアアース
別名:重希土類
別名:重希土類元素
別名:Gd-Lu
英語:Heavy Rare Earth Elements
英語:HREE

レアアース(希土類元素)のうち、ランタノイドに属し、元素の重量がガドリニウム(Gd)よりも重い元素のこと。具体的に重レアアースに該当する元素としては、「テルビウム」「ジスプロシウム」「ホルミウム」「エルビウム」「ツリウム」「イッテルビウム」「ルテチウム」がある。

重レアアースの名称と主な用途
Gdガドリニウム原子炉の制御材料など
Tbテルビウム水銀灯の蛍光体など
Dyジスプロシウム蓄光剤の添加剤、伸縮合金など
Hoホルミウム固体レーザーなど
Erエルビウム光ファイバー向け増幅器など
Tmツリウム光ファイバー向け増幅器など
Ybイッテルビウム固体レーザーなど
Luルテチウムセラミックスなど



重レアアースは各種産業において欠かせない重要な素材として利用されているが、レアアースの中でも特に希少性が高く、そのため高価であるという特徴を持つ。

重レアアースに対して、元素の重量が比較的軽いレアアースは軽レアアース(LREE)という。軽レアアースは重レアアースの数倍から重数倍程度存在している。

関連サイト:
石と元素の周期表 - 鉱物と隕石と地球深部の博物館