新語時事用語辞典とは?

2011年1月20日木曜日

モメンタム

英語:momentum

株価分析においては、株価の勢いや方向性などを分析する時に使われるテクニカル指標の1つ。もともとは、「はずみ」、「勢い」などの意味がある。

モメンタムの計算式は、モメンタム=当日の終値-n日前の終値となる。

モメンタムで計算された数値は0を中心に変動する。モメンタムでは、その値がマイナスからプラスへ転じた時に株価は上昇傾向に転じ、プラスからマイナスへ転じた時に下降傾向に転じることが多い。

なお、当日の終値とn日前の終値を用いたテクニカル指標には、モメンタムの他にROCが挙げられる。

証券優遇税制

読み方:しょうけんゆうぐうぜいせい

上場株式などの配当や譲渡益についての税率を優遇した制度。

証券優遇税制は、2003年度の税制改正において、個人投資家の積極的な市場参加を促すために導入された。

証券優遇税制の主な内容は、上場株式や公募株式投資信託の譲渡益、配当などの税率を20%から一律10%(所得税7%、住民税3%)に軽減することが挙げられる。

関連サイト:
証券税制が変わります(平成21年~) - (金融庁)
平成23年度税制改正大綱 - (首相官邸)(PDF)

大名債

読み方:だいみょうさい
英語:Daimyo bond

日本の市場において、海外の法人が円建てで発行する債券のうち、「クリアストリーム」や「ユーロクリア」などの決済機関に預託されて取引される債権のこと。

海外の法人が円建てで発行する債券には、大名債の他にサムライ債などを挙げることができる。

スシ債

読み方:スシさい
英語:Sushi bond

日本以外の市場において、日本の法人がユーロ建てで発行する債券のこと。

スシ債では、元本の振込みや払い戻し、利息の支払いなどは原則としてユーロ建てで行われる。

グリーフケア

英語:grief care

主に、絶望や死別などによって深い悲しみを負った人へ支援すること。家族介護者への支援方法の1つ。また、そのサービス自体を指す場合もある。

グリーフケアは、療養者が機能障害によって衰えたり、死亡した時などに、家族介護者へ行われる。

なお、家族介護者への支援には、グリーフケアの他にレスパイトケアが挙げられる。

ギリシャ危機

別名:ギリシア危機
別名:ギリシャ財政危機
別名:ギリシア財政危機

EU加盟国であるギリシャの国家財政が巨額の赤字を抱えていることが発覚、それによって引き起こされたユーロ安をはじめとする経済危機のこと。

ギリシャでは2009年に総選挙による政権交代が行われた。新政権は、前政権が発表していた財政赤字の額が実際の半分以下であること、実際はGDPの約12%に相当する巨額の財政赤字を抱えていることを発表した。これを機にギリシャの国債の格付けが引き下げられると共に、EU圏の共通通貨であるユーロも急落した。

レスパイトケア

別名:介護者へのケア
英語:respite care

障害者や高齢者のケアを行っている家族を支援するサービス。介護者を一時的に介護の労務から開放し、心身の疲れを癒すことを目的とする。

「レスパイト」は、労働などから一休みすること、息抜きすること、といった意味。

レスパイトケアは日本では1970年代半ば頃に登場した。介護を必要とする障害者や高齢者の当人だけではなく、介護をする側である家族の介護疲れも問題視されている。

なお、介護者への支援には、レスパイトケアの他にグリーフケアが挙げられる。

世界の工場

読み方:せかいのこうじょう
英語:the world's factory

工業生産の世界的中心地。かつては産業革命を背景に19世紀の世界で栄えたイギリス帝国を指したが、2010年現在では、21世紀に入り驚異的な経済的急成長を遂げた中国の異名として用いられる。

歴史上、前二世紀に始まる漢や、17世紀の清などといった王朝は、中国が覇権を握っていたという意味で「パックス・シニカ」(Pax Sinica)と呼ばれることがある。21世紀において実現されるかもしれない、中華人民共和国による世界の経済的覇権の掌握を、同様にパックス・シニカと呼ぶ場合がある。

モンスターペイシェント

英語:monster patient

医療現場において過度の自己中心的な要求を突きつけてくる患者や親近者。クレーマーの一種。特に緊急を要しない怪我であるのに即日の手術を強要したり、処置が自分の理想どおりではなかったことを理由に医療費の支払いを拒否するといった、無茶な要求をし、医療従事者に無用の負担を強いる。


関連サイト:
モンスターペイシェント~その生成の背景と対処法 講演要旨 - 神奈川県保険医協会 第14回日常診療経験交流会

モンスターペアレント

別名:モンスターペアレンツ
別名:モンペ
英語:monster parents

自己中心的な理由から、学校・教職員に対して非常識で理不尽な要求を突きつけてくる保護者。いわゆるクレーマーの一種。本来ならば児童の自助努力や親同士、コミュニティ間で解決が図られるべき事柄に対しても、一方的に学校に対応を押し付けようと圧力をかける。

こうした存在は「モンスターペアレント」という呼び名が定着した2000年代頃から特に顕著に多く報じられるようになっている。その背景には、従来の「教師は尊い職業である」という認識の希薄化や、少子化による過保護傾向、サービス業としての教育に消費者としての児童・親といった認識があるなど、複数の時代的な要因もあると指摘されている。

学校におけるモンスターペアレントの呼び名と同様、医療現場において自己中心的な過度の要求を突きつける患者はモンスターペイシェントと呼ばれる。

プレパンデミックワクチン

英語:pre-pandemic vaccine

新型インフルエンザに代表される、感染症の世界的流行(パンデミック)への対応策として、感染症が世界的流行を始める前に製造・接種されるワクチンのこと。高病原性鳥インフルエンザウイルス(鳥インフルエンザ)H5N1型に対する危機が議論された際、広く知られるようになった。

パンデミックに対するワクチン(パンデミックワクチン)は、流行を始めたそのウィルスから採取して製造する必要がある。ワクチンの製造を開始してからパンデミックワクチンが供給可能になるまでには、6ヵ月程度を要するとされる。そのため、流行前の同種のウィルスから製造したワクチンをプレパンデミックワクチンとして接種することが検討され、また実施された。

プレパンデミックワクチンは、パンデミックの病原体に対して効果があるかどうかは未知であるが、基礎的な免疫力をつけるためのものとして、医療関係者や検疫官といった職業の従事者を中心に接種が実施された。

関連サイト:
新型インフルエンザワクチン接種の進め方について(第1次案) - 内閣官房

パンデミックワクチン

英語:pandemic vaccine

新型インフルエンザに代表される、感染症の世界的流行(パンデミック)に対する予防接種剤(ワクチン)。特に高病原性鳥インフルエンザウイルス(鳥インフルエンザ)H5N1型への対策として議論されたワクチンのこと。

パンデミックワクチンと言っても、実際に猛威を振るっているウィルスを採取しなければ、有効なワクチンは製造できない。そのため、パンデミックワクチンが実際に製造・供給され始めるのは、パンデミックの発生後、およそ半年を待つ必要がある。

鳥インフルエンザH5N1型への対策としては、医療関係者や空港の検疫官などに対して、「プレパンデミックワクチン」と呼ばれる代替的な予防接種が行われた。これはパンデミックの発生前に同種のウィルスから製造されるワクチンであるが、実際にパンデミックが発生した際にはウィルスの特性が変化している可能性があり、期待される効果があるか否かは未知である。

関連サイト:
Q12. 新型インフルエンザ用のワクチンは現在ありますか? - 国立感染症研究所 感染症情報センター インフルエンザ・パンデミックに関するQ&A