新語時事用語辞典とは?

2011年4月10日日曜日

放射線測定カード

読み方:ほうしゃせんそくていカード
別名:カード式線量計
別名:放射線被ばく情報表示カード

放射線量を測定するカード型の簡易的機器。米国製の放射線測定カード「ラドトリアージ」(RAD Triage)が日本に紹介され、注目を集めている。

ラドトリアージは、いわゆるガイガーカウンターのように精確に放射線量を測定することはできないが、常に持ち歩くことで累積の被爆量を知ることができ、安価であり携帯性にも優れるという。

浮沈式垂下型シルトフェンス

読み方:ふちんしきすいかがたシルトフェンス
別名:浮沈式垂下型汚濁防止膜
別名:浮沈式垂下型

シルトフェンスと呼ばれる、水質汚濁防止用の水中カーテンのうち、沈下および再浮上が簡単にできるタイプのもの。浮きの空気を調節することで海面から海中、海底へ沈め、一時的に船舶の通過などが可能な状態にすることができる点を特徴とする。その他の点はおおむね「固定式垂下型シルトフェンス」と同様の構造となっている。

鉛ガラス

別名:含鉛ガラス

ガラスの主成分である二酸化珪素に鉛(酸化鉛)を含ませたガラス。

鉛ガラスは高い透明度と屈折率を持ち、クリスタルガラスとして装飾や高級ガラスインテリア・食器・工芸品などに用いられる。また、鉛の放射線遮へい効果を活かして、放射線遮へいガラスとしても用いられる。放射線遮へいガラスは医療機関の放射線療法などにおいて用いられる。

クリスタルガラスや放射線遮へいガラスは、鉛を含まない(「鉛フリー」な)素材で代用されることもある。

放射線遮へいガラス

読み方:ほうしゃせんしゃへいガラス
別名:放射線遮蔽ガラス

放射線を遮へい(遮蔽)する素材を含む特殊なガラス。主に、二酸化ケイ素に鉛(酸化鉛)が加えられた鉛ガラスが用いられることが多い。

放射線遮へいガラスは主に医療機関における放射線療法を行う施設(X線撮影室など)の窓などに使用されている。日本では電気硝子建材などが放射線遮へいガラスを製造している。

免震材料

読み方:めんしんざいりょう

建築物を免震構造にする際に用いられる、基礎部分とその上の構造物(建物)の間に組み込まれる材料。積層ゴムが免震材料であるものを免震ゴムという。

免震構造は建物に地震のダメージを直接伝えず、建物の機能を保持しやすい利点がある。東京電力が新潟県中越沖地震の教訓を基に建設した「免震重要棟」などにも免震構造が採用されている。

木痩せ

読み方:きやせ

木材が経年変化により細ること。木造建築で木材に木痩せが発生すると、ボルト・ナットが緩んで家屋の強度が低下するなどの弊害が生まれる場合がある。

免震ゴム

読み方:めんしんゴム

建築物を免震構造にするため、基礎部分とその上の構造物との間に設置されるゴム。円筒形の積層ゴムの上に構造物を乗せる方式や、ゴムパッキンを基礎と構造物の間に挟む形式がある。

免震ゴムは劣化しにくく、耐熱性も高く、また、家屋を十分に支えるため垂直方向の剛性が高く、揺れを減衰するため横方向には柔軟性が高いという、特殊な加工が施されている。これによって、地震が直撃しても建物には直接エネルギーを伝えない免震性が確保できる。

東京電力が各発電所に震災対策として設置した「免震重要棟」なども、免震ゴムによる免震構造が採用されている。

免震重要棟

読み方:めんしんじゅうようとう

東京電力が原発などに設置した、発電所施設において震災などの災害が発生した際に対策本部を設置する目的で建設された建物。

免震重要棟は鉄筋コンクリート造で免震構造になっており、会議室、通信設備、電源設備、空調設備などがそなわっている。震度7の地震が来ても、震災後の初動対応に支障を来たすことがないようになっている。

免震重要棟は新潟県中越沖地震の教訓として建設された。新潟県中越沖地震では、緊急時対策室として使用された建物入室扉が開かなくなり、初動対応に支障を来たしたという。2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の原発事故対応では、現場職員が待機する作業拠点として免震重要棟が使用されている。

津波避難ビル等に係るガイドライン

読み方:つなみひなんビルとうにかかるガイドライン

内閣府が2005年にまとめた、津波発生時に緊急避難場所として利用されるビルの設置基準に対するガイドライン。低地における緊急避難所としての「津波避難ビル」に必要とされる要件や留意点などがまとめられている。

関連サイト:
津波避難ビル等に係るガイドライン - 内閣府防災情報のページ

津波避難ビル

読み方:つなみひなんビル

津波に襲われた際の避難場所として指定されている高層ビル。低地の市街地などで高台に避難している余裕がない状況などで緊急避難所として使用される。

津波避難ビルに関するガイドラインは内閣府が2005年に「津波避難ビル等に係るガイドライン」としてまとめている。

津波避難ビルは、構造的には、1981年に纏められた新耐震設計基準に適合しており、かつRC(鉄筋コンクリート)かSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造であることが求められる。確保すべき階数(高さ)は地域ごとに想定される浸水状況に応じて決められる。津波の進行方向に対して奥行きがある形状が望ましいとされる。

2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、東北地方太平洋側の沿岸地域に大規模な津波が発生し、家屋から自動車まで波にさらって壊滅的被害をもたらした。木造住宅が全て波にさらわれた被災地でも、鉄筋コンクリート造のビルは多くが倒壊せずに持ちこたえたという。

関連サイト:
津波避難ビル等に係るガイドライン - 内閣府防災情報のページ

応急組み立て橋

読み方:おうきゅうくみたてばし
別名:応急組立橋

地震や洪水などの災害によって崩壊・落下した橋の代わりに応急的に架設される橋梁。素早い設置が可能で、橋の長さも調節できる。災害により寸断された交通網の応急的確保に役立つ。1週間から1ヵ月程度で架設できるという。

固定式自立型シルトフェンス

読み方:こていしきじりつがたシルトフェンス
別名:固定式自立型

「シルトフェンス」と呼ばれる水質汚濁防止用の水中カーテンのうち、水底(海底)に設置し自立させるタイプのもの。

固定式自立型シルトフェンスは、深さに関わらず海底に設置でき、底を滑るようにして広がるシルトを拡散阻止できる利点がある。海面から垂らす「固定式垂下型シルトフェンス」と併用されることもある。