新語時事用語辞典とは?

2011年4月13日水曜日

遠日点

読み方:えんじつてん

太陽の周囲を回る惑星などが太陽から最も遠ざかる点。逆に最も太陽に近づく点を「近日点」という。星の公転軌道がわずかに楕円を描いているため、近日点や遠日点が生じる。

近日点

読み方:きんじつてん

惑星をはじめとする、太陽の周りを回っている星が、太陽に最も近づく点。

逆に最も太陽から遠ざかる点を遠日点という。

JCO決死隊

読み方:ジェーシーオーけっしたい

1999年9月に茨城県内の原子力施設で発生した東海村JCO臨界事故において、事故現場の処理を行った作業員の通称。JCO職員を中心とする18名で、臨界を食い止めるために放射線を浴びつつも作業を遂行した。

2011年3月に発生した福島県の原子力発電所における原発事故では、復旧対応作業に当たっている作業員たちが海外メディアから「フクシマ50」と名づけられている。

福島第一原子力発電所の原発事故では、2011年4月に「国際原子力事象評価尺度レベル7」へと評価が引き上げられている。かつてJCO決死隊として作業に当たった人物の1人が、共同通信社の取材に応じ、12年前の東海村JCO臨界事故よりも福島原発の状況は深刻だと語っている。

ブライトソース・エナジー

英語:BrightSource Energy

米国の「太陽熱発電」関連事業企業。カリフォルニア州の砂漠地域において世界最大の太陽熱発電所を建設する「イバンパ・プロジェクト」(Ivanpah project)を進めている。

イバンパ・プロジェクトが完成すると、米国での太陽熱による発電量は370メガワット、従来の約2倍になるという。

ブライトソース・エナジーは2010年2月米国エネルギー省から約14億ドルの融資保証を得ており、また2011年4月にはGoogleから1億6800万ドルの出資を得ている。

関連サイト:
BrightSource Energy(英語)
Ivanpah - BrightSource Energy

避難基準

読み方:ひなんきじゅん

災害が発生した際、安全のため避難するように指示が下される災害程度の基準。災害の種類によって具体的内容は異なる。

原発事故などにおいては、線量(実効線量)が避難基準に用いられる。程度によって「屋内退避」「避難」の2段階の指示がある。

原発事故に関する避難基準の具体的な値は、国によってまちまちである。IAEAが定める指標によれば、屋内退避を要する基準は「2日を超えない期間、回避線量で10mSv」、避難を要する基準は「1週間を超えない期間、回避線量で50mSv」となっている。

関連サイト:
屋内退避及び避難の判断基準となる線量について - 原子力安全委員会

資本準備金

読み方:しほんじゅんびきん
別名:株式払込剰余金
英語:capital reserve

主に会社を設立する際に、株主から出資金を集めた金額から資本金に割り当てた金額を差し引いたもの。法定準備金の1つ。

資本準備金は、会社法により積み立てが義務付けられている。

なお、法定準備金には、資本準備金の他に利益準備金が挙げられる。

房総沖地震

読み方:ぼうそうおきじしん

千葉県の東、房総半島沖で過去に発生した、あるいは今後発生する可能性がある地震。

過去に房総沖で発生した比較的大型の地震として、1987年に発生したマグニチュード6超の地震がある。千葉県全域で震度5レベルの揺れが観測され、死者も出ている。

2011年3月に宮城県東部・三陸沖でマグニチュード9レベルの超大型地震が発生し(東北地方太平洋沖地震)、その後の連鎖反応的な地震の発生が危険視されている。三陸沖の地殻構造は房総沖までずっと続いており、本震発生から1ヶ月を経た4月12日時点で、福島県沖を中心に中規模の余震が数百回と続いている。このため、三陸沖を震源地とする大規模な地震が発生する可能性も捨てきれない、とする専門家もある。

関連サイト:
千葉県に被害を及ぼす地震及び地震活動の特徴 -

省エネ関連銘柄

読み方:しょうエネかんれんめいがら
別名:省エネ関連株

株式市場に上場している企業のうち、主に省エネに関連する事業を行っている企業のこと。

省エネ関連銘柄の事業内容としては、エスコ事業やバイオマス事業などが挙げられる。

浮体工法

読み方:ふたいこうほう

水上に防災基地や歩道橋、道路橋、レジャー施設などを建設する施工技術のこと。

浮体工法では主に、メガフロートを用いることが多い。

最大放射線量

読み方:さいだいほうしゃせんりょう

ある期間の内に行われた放射線量の計測のうち、最も高い放射線量が計測された時の値。増減の目安として参照される。

浮体式構造物

読み方:ふたいしきこうぞうぶつ

箱型の浮体(ポンツーン)を連結して水上に浮かべた構造物のこと。特に大型の浮体式構造物は「メガフロート」と呼ぶ。防災基地や歩道橋、道路橋、レジャー施設などに使われる。

浮体式構造物の特徴は、地震の影響が軽微であること、魚などの海洋生物への影響も軽微であること、埋立よりも工期が短期間であること、移動や改修が比較的容易であることなどが挙げられる。

なお、浮体式構造物の1つだった静岡県静岡市の「清水港海づり公園」は2011年4月、福島第一原子力発電所の汚染水収容の施設として活用されることになり福島県沖へ移動した。

ちなみに、浮体式構造物の主なレジャー施設には、長崎県ハウステンボスリゾートの「大航海体験館」、神奈川県江ノ島水族館の「海のパビリオン」などが挙げられる。

関連サイト:
清水港海づり公園 - 海釣り公園.com
ハウステンボスリゾート

ストロンチウム90

読み方:ストロンチウムきゅうじゅう
別名:Sr-90
英語:strontium90

ストロンチウムの放射性同位体。半減期は約29年。原子炉内の核分裂反応で副産物として生成される物質のひとつである。

ストロンチウムはカルシウムと同様に体内に取り込まれやすく、骨に蓄積されやすいという性質がある。その性質を生かして、半減期50日程度の人工放射性同位体である「ストロンチウム89」などは、骨転移した癌の放射線治療などにも用いられる。しかしストロンチウム90は半減期が長いため、体内に取り込まれると長期的に放射線を出し続け、骨髄細胞の破壊による白血病などの害をもたらす可能性が高い。なお、甲状腺がんを引き起こしやすいとされる「ヨウ素131」の半減期は8日である。

関連サイト:
ストロンチウム - 環境科学技術研究所

ストロンチウム

別名:Sr
英語:strontium

アルカリ土類金属の一種。カルシウムの同属体であり似た性質を持つ。そのため、体内に取り込まれて骨に残りやすいという性質がある。

ストロンチウムの安定同位体として、ストロンチウム84、ストロンチウム86、ストロンチウム87、ストロンチウム88があり、また、放射性同位体としてストロンチウム89、ストロンチウム90、ストロンチウム91がある。

ストロンチウムの人工放射性同位体の一種である「ストロンチウム89」は、ストロンチウムがカルシウムと一緒に骨に集まるという性質を利用して、骨転移した癌の放射線治療に用いられる。半減期は50日程度である。

同じくストロンチウムの人工放射性同位体である「ストロンチウム90」は半減期が29年程度と長く、骨に蓄積され続けることで健康被害をもたらすおそれが高い。そのため危険視されている。

使用済み核燃料

読み方:しようずみかくねんりょう
別名:使用済み核燃料棒
別名:使用済み燃料
別名:使用ずみ核燃料

原子力発電所などの原子力関連施設において燃料として用いられ、取り出された後の燃料棒。ウランの核反応によってプルトニウムなどの厄介な放射性物質が生じており、扱いが非常に難しい。

通常、使用済み核燃料棒は、建屋の中に設けられた「使用済み燃料プール」内で数年のあいだ冷却された後、キャスクと呼ばれる容器に密閉されて輸送される。輸送先としては、高レベル放射性廃棄物として超長期的に保管する保管所、再び核燃料に加工を行う再処理工場、の二通りがある。

ブルカ禁止法

読み方:ブルカきんしほう
別名:ブルカ・ニカブ禁止法

イスラム教徒の女性が着用する、顔全体を覆い隠す服装「ブルカ」もしくは「ニカブ」について、公共の場でのブルカやニカブの着用を禁止する法律。フランスで2010年に成立、2011年4月より施行された。

ブルカ禁止法の施行後、フランス国内でブルカやニカブを着用すると、罰金150ユーロが課せられる。なお、顔を隠さないヒジャブやチャドルといった服装は禁止の対象にはならない。

フランス国内にはイスラム教徒のうちブルカやニカブを着用している女性が2000人程度いるとされており、ブルカ禁止法に対して強く反発している。ブルカ禁止法は2011年4月11日に施行されたが、翌12日までに4人の逮捕者が出ているという。ヨーロッパの他の国々でも、フランスと同様にブルカ・ニカブを禁じる法案を検討、あるいは推進活動が進められている。

セシウム137

英語:cesium‐137
英語:Cs-137

セシウムの同位体で放射性物質。代表的なセシウムの放射性同位体である。質量数は137。原子炉などでウランから生成される。土壌になじみやすい性質があり、原発事故などにより大気中に飛散した場合などには、残留放射性物質となり内部被ばくを生じやすい。半減期は約30年である。