新語時事用語辞典とは?

2011年4月16日土曜日

ポシヴァ

別名:ポシヴァ社
別名:ポシバ
別名:ポシバ社
別名:Posiva
別名:Posiva Oy

フィンランドの大手原子力発電事業者である「TVO」(テオリスーデン・ヴォイマ)と「フォルツム」が共同出資によって設立した、使用済み核燃料の最終処分(地層処置)の実施主体となる企業。フィンランドのオルキルオトに最終処分場「オンカロ」を建設している。

関連サイト:
Posiva - ONKAKO
フィンランドの地層処分の状況 - 公益財団法人原子力環境整備・資金管理センター

多重バリア

読み方:たじゅうバリア
英語:multiple barriers

何重にも設置された防壁。複数の段階・レベルで危険を抑止するために設けられる。特に、高レベル放射性廃棄物の地層処分における「人工バリア」と「天然バリア」の概念を指すことが多い。

地層処分における多重バリアのうち、「人工バリア」は、ガラス固化した使用済み核燃料などの廃棄物を封入する「オーバーパック」と呼ばれる鉄製容器を指す。これによって当初の1000年程度、地下水との接触や外圧による破壊などを防ぐ。

また、「天然バリア」は、地下300メートルの深さに埋設処理することで地表との間に位置することとなる地層や岩盤を指す。これらによって隔てられることで人間および地上の生物へ影響が及ばないように処理される。フィンランドのオルキルオトに建設されている最終処分場「オンカロ」では、埋設する場所から地表までの約500メートルの地盤が天然バリアとなる。

地層処分

読み方:ちそうしょぶん
英語:geological repository
英語:deep geological repository

放射性廃棄物の処分方法で、地下300メートル以上の安定した地層中に埋設すること。ガラス固化した使用済み燃料などの高レベル放射性廃棄物を超長期的に隔離する手段として行われる。

高レベル放射性廃棄物には半減期が2万4000年のプルトニウムなど、放射能が安全なレベルに下がるまで膨大な時間を要する物質が含まれている。放射性廃棄物を容器(オーバーパック)に閉じ込めてから岩盤のさらに下に位置する地層に埋設し、施設が満杯になったら埋め戻しを行うことが計画されている。

フィンランドのオルキルオトに建設された「オンカロ」では、地層処分が実施されている。2011年現在、地層処分を実際に運用しているのは世界中でオンカロのみである。他に米国やスウェーデンなど、各国が具体的な処分地の選定を進めている。

日本でも、2028年までに処分場を決定する計画でNUMO(原子力発電環境整備機構)が検討を進めている。

関連サイト:
地層処分とはどのような方法? - 原子力発電環境整備機構(NUMO)

オンカロ

別名:オンカロ最終処分場
英語:Onkalo waste repository

フィンランドのオルキルオト島(Olkiluoto Island)に存在する、高レベル放射性廃棄物の地層処分を行うための最終処分場。フィンランドの合弁企業ポシヴァ社(Posiva Oy)が建設を進めている。

オンカロは2001年5月に最終処分場として選定され、2004年に着工が開始された。2011年4月現在、地下およそ440メートルの深さまでトンネルが堀り進められている。最終的には地下520メートルに達する予定である。日本を含む他国では用地の選定を行っている段階であり、2011年時点では世界で唯一存在する高レベル放射性廃棄物の最終処分場となっている。

オンカロでは、2020年までに運用を開始し、その後2120年頃までの100年間にわたり埋設処分に利用される予定となっている。100年後に施設が満杯になった後は、坑道を埋め戻して完全に封鎖する。

使用済み核燃料に含まれるプルトニウムの半減期は2万4000年であり、生物にとって安全なレベルまで放射能が下がるにはおよそ10万年の歳月を要するといわれている。それまでの間、10万年にわたってオンカロは地下に封鎖され続ける。

地層処理は、高レベル放射性廃棄物を水に溶けにくい「ガラス固化」処理した後、オーバーパックと呼ばれる「人工バリア」に格納し、数百メートルの地層という「天然バリア」を隔てた「多重バリア」を持つ地下に隔離する方法である。宇宙に放棄する選択肢も技術的に困難な現状では、地層処理が唯一現実的な最終処分方法であるとされる。

関連サイト:
ONKALO - Posiva Oy
フィンランドにおける地下岩盤特性調査施設(ONKALO)建設の近況(PDF) - 原子力発電環境整備機