新語時事用語辞典とは?

2011年4月27日水曜日

水没冷却

読み方:すいぼつれいきゃく

対象を水に沈めることで熱を奪い冷却すること。水漬けにして継続的に冷却すること。

2011年4月22日現在、とりわけ、東京電力福島第一原子力発電所で計画されている、原子炉格納容器に水を貯めて炉心を冷却する「水棺」を指していることが多い。

グラウト

英語:grout

構造物のこまかい割れ目に注入して補修・補強を行う、モルタルなどを原料とする流動性のある薬剤。

グラウトを注入する作業は、「グラウチング」と呼ばれる。ダムなどでは、ダム底の細かい傷が水漏れを起こす場合も多く、グラウチングによって傷を埋め遮水することは重要な作業となる。

2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の原発事故では、原子炉1号機において、原子炉格納容器に水を満たして燃料棒を水漬けにする「水棺」が計画されているが、原子炉格納容器の損傷も懸念されるため、グラウトを使用した補修を併せて行うことが検討されている。

水漬け

読み方:みずづけ
別名:水づけ

水に漬けること。食品では「湯漬け」に対して、飯を水でつけたものを指すことが多い。

2011年4月現在、原発事故が発生し破損した東京電力福島第一原子力発電所の原子炉1号機において進められている「水棺」を指して「水漬け」と表現している場合がある。「水棺」は原子炉格納容器を水で満たし、継続的な冷却を行おうとするものである。4月半ばまでは放水・注水による冷却を進めていたが、格納容器に水が漏れていることが分かり、結果として水棺計画が進行、4月27日に本格的に「水棺」実施にむけて原子炉格納容器に水を満たす作業を開始した。

旧耐震基準

読み方:きゅうたいしんきじゅん

建築基準法において定義された「耐震基準」のうち、1981年の改正より前の建築基準法による基準のこと。1981年の法改正によって一新した「新耐震基準」と区別するために「旧」を用いる。

旧耐震基準は中規模程度の地震を想定して規定されたといわれ、主に建築物の倒壊を防ぐための基準が規定されていた。新耐震基準では巨大地震でも倒れず、人に危機が及ばない耐震性能を持つ事が要求されている。

新耐震基準

読み方:しんたいしんきじゅん

建築基準法が1981年に新たに適用した耐震基準。従来の耐震基準(旧耐震基準)に比べ、厳しい耐震性が求められており、「倒れない」だけでなく「人の安全が確保される」点が重視されている。また、いわゆる「巨大地震」と呼ばれるクラスの地震がおきても倒壊しない水準が規定されている。

新耐震基準の施行後は、旧耐震基準に即した水準では建設の許可が下りない。旧耐震基準に基づき建てられた建築物は、築年数が古いということも意味するため、新耐震基準と比べて耐震性に関する危険性が高い。そのため、簡易的に耐震性を診断できる「誰でもできるわが家の耐震診断」などでも、建物が1981年以前のものか、それ以後のものか、という指標をある程度重視している。

誰でもできるわが家の耐震診断

読み方:だれでもできるわがやのたいしんしんだん

日本建築防災協会が作成した、一般住宅向けの耐震性能診断テスト。住居者や居住者が気軽に実施し、住宅の耐震性に関する大まかな目安を知ることができる。

「誰でもできるわが家の耐震診断」は、旧版「わが家の耐震診断」を、さらに簡易に診断可能にしたものである。複数の質問に「はい・いいえ・よくわからない」のいずれかで回答していき、合計点によって「ひとまず安心」「専門家の診断が必要」「かなり心配」の段階評価で目安が示される。

「誰でもできるわが家の耐震診断」はインターネット上で公開されている他、PDF形式のリーフレットなどとしても配布されている。

関連サイト:
誰でもできるわが家の耐震診断 - 財団法人日本建築防災協会

格付け見通し

読み方:かくづけみとおし
別名:格付見通し
英語:rating outlook

信用格付業者が行う株式や債券などへの格付けについて、中期的な方向性を示したもの。

格付け見通しでは、「ポジティブ」や「ネガティブ」、「安定的」、「検討中」などの用語が使われることが多い。「ポジティブ」は良い見通し、「ネガティブ」は悪い見通しであり、いずれも格付けが変更される可能性が高いとされる。なお、格付け見通しで「見直し中」という用語が使われる場合がある。
これは、格付けの見直しを行っていることであり、近い将来に格付けが変更される可能性が高い。

ちなみに、格付けは「AA+」や「Baa1」などのアルファベットや数字、記号での組み合わせにより表される。

信用格付業者であるスタンダード&プアーズでは2011年4月27日、日本国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」へ変更したとされる。

関連サイト:
事業法人・金融法人・公的部門格付け - スタンダード&プアーズ

除却損

読み方:じょきゃくそん
別名:固定資産除却損

固定資産を破棄処分した際に発生した損失を計上する時に用いる勘定科目のこと。固定資産除却損と呼ぶこともある。

除却損には、機械装置除却損や建物除却損、車両除却損などが挙げられる。

例えば、帳簿価額が50万円の印刷機を廃棄処分し、その処分費用として現金3万円を支払った場合の仕訳は次の通り。

(借)固定資産除却損 530,000
(貸)機械装置 500,000
(貸)現金 30,000

なお間接法では、借方に減価償却の累計額と固定資産除却損を、貸方に機械装置の購入代金と現金を、それぞれ記載する。

機械除却損

読み方:きかいじょきゃくそん

印刷機や食料品加工機械などの、固定資産を破棄処分した際に発生する損失を計上する時に用いる勘定科目のこと。除却損の1つ。

機械除却損では、処分に係わる費用を計上することもできる。

なお、除却損には、機械装置除却損の他に建物除却損や車両除却損などが挙げられる。

車両除却損

読み方:しゃりょうじょきゃくそん

自動車やトラックなどの、固定資産を破棄処分した際に発生する損失を計上する時に用いる勘定科目のこと。除却損の1つ。

車両除却損では、処分に係わる費用を計上することもできる。

なお、除却損には、車両除却損の他に機械装置除却損や建物除却損などが挙げられる。

建物除却損

読み方:たてものじょきゃくそん

集合住宅や自社ビルなどの、固定資産を破棄処分した際に発生する損失を計上する時に用いる勘定科目のこと。除却損の1つ。

建物除却損では、処分に係わる費用を計上することもできる。

なお、除却損には、建物除却損の他に機械装置除却損や車両除却損などが挙げられる。