新語時事用語辞典とは?

2011年4月30日土曜日

腸管出血性大腸菌

読み方:ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん

病原性大腸菌のうち、ベロ毒素などの毒素を産生し、激しい痛みと出血を伴う腸炎を引き起こす大腸菌。

代表的な腸管出血性大腸菌として、1996年に岡山県で起きた食中毒事件で一般的に知られるようになった「O-157」がある。他に「O-111」(腸管出血性大腸菌O-111)も腸管出血性大腸菌として知られる。これらはO抗原の違いによって区別される。

腸管出血性大腸菌はベロ毒素によって大腸の粘液細胞を死滅させる。このため激痛と血便が生じる。激しい下痢の症状がおきるが、毒素を排出しなければ死にいたる危険もある。

関連サイト:
腸管出血性大腸菌感染症 - 国立感染症研究所
腸管出血性大腸菌Q&A - 厚生労働省 食中毒に関する情報

湾口防波堤

読み方:わんこうぼうはてい

湾内の港や陸地において、津波の被害を軽減するために設置される構造物。コンクリート製の「ケーソン」を湾口に並べ、壁の役割を果たすもの。

岩手県の釜石港では、明治時代(1896年)に発生した三陸沖地震による津波(三陸大津波)の被害を教訓として建設された、水深63メートルの上に建つ世界最大の防波堤があった。2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波は、その釜石港の湾口防波堤も大きく損壊させた。その津波はさらに釜石港の岸に建設された高さ10メートルの防潮堤をも突破して、湾内に壊滅的な被害をもたらしている。

防潮堤

読み方:ぼうちょうてい
別名:高潮堤
英語:seawall

高潮や津波から海岸および内陸を保護する目的で設置される堤防。

防潮堤を設置することで、ある程度の規模の高潮は食い止めることができ、そうでなくても内陸への進行をいくらか遅らせ、避難の時間を稼ぐことが期待できる。

岩手県宮古市老地区には、明治三陸地震津波、および昭和三陸地震の津波被害を教訓として、高さ10メートルにおよぶ巨大な防潮堤があった。しかし、2011年3月の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した大津波は老地区の防潮堤を突破して市街地に襲い掛かり、町に壊滅的被害をもたらしている。

2011年4月30日現在、震災により原発事故が発生し対処に追われている東京電力福島第一原子力発電所では、今後発生するおそれのある余震による津波に対応すべく、仮設の防潮堤を設置することが発表された。完成予定は6月だという。