新語時事用語辞典とは?

2011年5月16日月曜日

校庭の表土除去

読み方:こうていのひょうどじょきょ

小中学校の校庭に飛散した汚染物質を少しでも除くため、学校の校庭における表面の土(表土)を削り取ること。特に、東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故の影響を受け、高い放射線量が検知された福島県内の小中学校などで、飛来した放射性物質を除くために行われている作業のこと。

福島県の郡山市や二本松市など、各市町村では、学校の校庭で放射線量を測定したところ基準値を超える放射線量が観測されたため、児童・生徒への身体的影響を懸念し、新学期が始まって以来、校庭の使用を禁止していた。

4月27日、郡山市は独自に表土の除去作業を開始。市立小中学校の校庭から表土を数センチ削る作業を進めた。5月10日に、放射線量の低下を確認、校庭の使用禁止を解除している。ただし、除いた表土をどのように処分するかについは、目処が立たず、5月10日時点でも、粉塵防止剤を噴霧した上で校庭に留め置かれた状態となっている。

福島市でも、5月10日、PTAが市に対して校庭の表土除去を早急に行うように要請を行っている。

入山規制

読み方:にゅうざんきせい
別名:噴火警戒レベル3(入山規制)

気象庁が発表している「噴火警戒レベル」の、5段階中、「レベル3」に相当する警戒度。対象となる火山への入山が禁止される。

噴火警戒レベル3は「居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想される」状況とされる。居住地域には影響が及ばず、住民は通常の生活を送って差し支えないが、入山して付近に近づくと生命に危険が及ぶおそれがある。

2011年5月16日現在、鹿児島県の桜島、および霧島山が入山規制に指定されている。

入山規制よりも活動が小規模な場合、すなわち噴火警戒レベル2は「火口周辺規制」とされ、入山は可能であるが、火口付近への立ち入りが制限される。

火口周辺規制

読み方:かこうしゅうへんきせい
別名:火口立ち入り規制
別名:火口立入規制
別名:噴火警戒レベル2(火口周辺規制)

気象庁が特定の火山について発表している「噴火警戒レベル」の指標のうち、レベル2に相当する警戒度。火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生しているか、あるいは発生が予測されている状態であり、近づくと生命に危険の及ぶおそれがある。火口周辺規制に指定された火山は、火口付近への立ち入りが規制される。

2011年5月16日に熊本県の阿蘇山で小規模ながら噴火が見られ、気象庁により、平常を表す「レベル1」から、火口周辺規制の「レベル2」へと引き上げが発表された。

なお、2011年3月には鹿児島県の霧島山(新燃岳)が「入山規制」にあたる「レベル3」と発表されている。

発送電分離

読み方:はっそうでんぶんり
別名:発送電部門分離
別名:発電・送電部門の分離
別名:発電事業と送電事業の分離

電力供給において発電事業と送電事業を切り分け、それぞれ別の企業に運用させること。発電会社と送電会社にそれぞれ事業を分担させること。

日本ではこれまで、東京電力、東北電力、関西電力、といった電力会社が管内における発電、送電、配電などを一手に引き受けてきた。そのため、新規に市場参入する余地が非常に限られていた。発送電分離が実現すると、発電会社として市場に新規参入し、電力網のインフラを借り受けて電力供給を行う、といったことが容易になる。

発送電力分離の構想は、市場原理によって市場が活性化するというメリットがあるが、発電から送電までの一貫した管理は困難になり、安定供給の面でリスクが生じるのではないかという懸念も指摘されている。

噴火警戒レベル

読み方:ふんかけいかいレベル

気象庁が発表している、特定の火山に対する警戒レベルを5段階で示した指標。「噴火予報」および「噴火警報」を通じて発表される。

噴火警戒レベルに変動があった場合、警戒が必要な市区町村と、変動後のレベルが発表される。レベルの区分はそれぞれ次の通りである。

レベルキーワード火山活動の状況
5避難居住地域に重大な被害をもたらす噴火が発生した、あるいは、切迫している状態にある
4避難準備居住地域に重大な被害をもたらす噴火の発生が予想される。噴火の可能性が高まってきている。
3入山規制居住地域の近くまで重大な被害をもたらす噴火が発生した、あるいは発生すると予想される。その範囲に立ち入ると生命の危険がある
2火口周辺規制火口付近に重大な被害をもたらす噴火が発生した、あるいは発生すると予想される。火口付近に立ち入ると生命の危険がある
1平常火山活動は平常。火口内に入った場合には生命の危険がある

噴火警戒レベル導入火山は、2011年5月現在、浅間山や富士山、阿蘇山、雲仙岳、桜島、吾妻山など、全国30の火山が対象となっている。それ以外の火山は「噴火警戒レベル未導入火山」に区分され、「火口周辺が危険」、「入山が危険」、「居住地域厳重注意」などの警戒情報が状況に応じて発表される。

噴火警戒レベルは、2007年から、それまでの「火山活動度レベル」などに替わって導入された。噴火警戒レベルの導入により、周辺住民がとるべき行動への指示が併せて明示されるようになっている。

2011年5月16日には阿蘇山で小規模な噴火活動が見られ、噴火警戒レベルは平常時を示す「レベル1」から、火口付近への立ち入りを規制する「レベル2」へ引き上げられている。

関連サイト:
現在の噴火警戒レベル - 気象庁
噴火警戒レベルとは - 気象庁
噴火警報、噴火警戒レベルのリーフレット(PDFファイル) - 気象庁