新語時事用語辞典とは?

2011年5月17日火曜日

上下置換法

読み方:じょうげちかんほう

原発事故により放射性物質が飛散した学校において、児童や生徒がうける放射線量を低減するための方法として提示されている、校庭の上下の土の入れ替え。

校庭の表土除去を実施し、汚染された表土を下層の土で埋めるという方法である。

福島第一原子力発電所で発生した原発事故を受けて、県内の小中学校などで空間線量を測定したところ、基準値よりも高い放射線量が検出された。そのため、各校では新学期が始まっても校庭の使用を禁止する対応がとられている。福島県郡山市は、4月27日から独自に校庭の表土除去を実施し、放射線量の低減に成果を上げた。しかし、除いた土の処理場所が決まらず、校庭の片隅に盛られた状態となっている。

2011年5月8日に、福島県教育委員会をはじめとする複数の機関は、学校の校庭などの空間線量低減のための対策に関する報告をうけ、それを踏まえて、校庭の表土除去を行い、除去した土は「まとめて地下に集中的に置く方法」か「上下置換法」によって保管することが有効であるとの見解を示している。

関連サイト:
実地調査を踏まえた学校等の校庭・園庭における空間線量低減策について - 文部科学省

放射線の推定積算量

読み方:ほうしゃせんのすいていせきさんりょう
別名:積算線量の推定値

原発事故の発生から発表時点までの間に、各地の住民が被ばくしたと推定される放射線量。または、それをまとめたもの。

文部科学省は、東京電力福島第一原子力発電所、および福島第二原子力発電所の周辺の放射線量をモニタリングして随時公表している。年間20mSv(ミリシーベルト)がおおよその基準とされるが、「計画的避難区域」に指定された地域のいくつかでは、2011年5月17日時点で既に放射線の推定積算量が20mSvを突破しているところが出ている。

関連サイト:
福島第1及び第2原子力発電所周辺の簡易型線量計を用いた固定測定点における積算線量の測定結果
福島第1及び第2原子力発電所周辺の放射線量等分布マップ

髄膜炎菌

読み方:ずいまくえんきん

脳や脊髄を覆っている髄膜を侵し、発熱や激しい嘔吐など伴う「髄膜炎」などの症状を引き起こす細菌。

髄膜炎菌は飛沫感染によって伝播し、気道を伝って血中へ、および髄液へと感染する。敗血症を引き起こした後、髄膜炎に発展する。髄膜炎ショック症状によって死に至る場合もある。

髄膜炎菌に罹患しやすい対象として、2歳未満程度の小児、および青年が挙げられている。2011年5月には宮崎県の学生寮で寮生活を行っていた男子高校生が髄膜炎菌に感染したことによるショックで死亡する事件が発生している。

関連サイト:
髄膜炎菌性髄膜炎 - 国立感染症研究所感染症情報センター

国歌不起立

読み方:こっかふきりつ

学校における儀式的行事などで、国歌斉唱の際に反発して起立しないこと。特に教職員における同行為をいう。

学校などで国旗掲揚や国歌斉唱などの際に不起立のままでいる職員がいることは「国旗国歌問題」と呼ばれ、長らく問題とされてきた。生徒の鑑となるべき立場の教職員が学校に反発することは大いに問題があるが、強制することは憲法上の「思想・良心の自由」に反することにもなりかねない、といったジレンマが内在している。

橋下徹・大阪府知事は、2011年5月17日、公立学校における国歌斉唱時には起立することを教職員の義務として定義する条例案を作成、府議会に提出する予定であると発表されている。

発受電電力速報

読み方:はつじゅでんでんりょくそくほう
別名:発受電速報

電気事業連合会が発表している、電力会社の発電および受電(発受電)の総量。

電力会社が発電した電力量、および他社から融通を受けた電力量の和を示す。

関連サイト:
発受電速報 - 電気事業連合会

発受電

読み方:はつじゅでん

「発電」および「受電」によって賄った電力量の総和。電力会社が用いる指標で、自社の発電施設で生産した電力と、他社から融通して貰った電力量をあわせて算出したもの。単位としてキロワット時(kWh)が用いられる。

各電力会社の発受電量は、電気事業連合会により「発受電速報」(発受電電力速報)によって発表されている。2011年5月17日に発表された発受電速報によると、2011年4月の発受電量は、東日本大震災の影響などもあり、前年の4月に比べて91%程度に下がったという。

関連サイト:
発受電速報 - 電気事業連合会