新語時事用語辞典とは?

2011年5月20日金曜日

SPEEDI問題

読み方:スピーディもんだい

2011年3月11日に発生した、東京電力福島第一原子力発電所における原発事故の後、「放射能影響予測システム」(通称「SPEEDI」)による放射性物質の飛散予測データが長らく国民に公開されなかった事実に対して、首相官邸には事故発生直後に迅速にデータが送られていたという問題。

SPEEDIは本来、原発事故などの緊急時に対する備えとして、放射性物質が周囲に飛散する可能性を予測して迅速に対応可能にするシステムであるが、2011年3月11日に原発事故が発生してから長らく公開されず、2週間近く経過した24日に初めて公開されるに至った。しかし、首相官邸には12日未明にはデータが届いていたという。2011年5月20日現在、このことが明らかになり、「首相が自身のためにこっそり見ていたのではないか」などの疑惑が生じている。

テコレップシステム

別名:テコレップ工法
英語:Taisei Ecological Reproduction System
英語:TECOREP System

大成建設が開発した超高層建築の解体工法。「テコレップ」は「Taisei Ecological Reproduction」の略。

テコレップシステムは、新築工事を巻戻し再生するような手順により、建物内部の設備機器や骨組みを徐々に分解していく工法。屋根を残してフタ代わりに用い、1フロア分解するごとにシステム全体を徐々に下ろしていく。周囲に粉塵を飛散させることが少なく、解体時の騒音や余分な圧迫感も大幅に抑えることができるという。また、屋内作業の格好となるため天候にも左右されない。

2011年3月に営業が終了した赤坂プリンスホテルは、都心にそびえる高さ140メートルの超高層ビルであり、その解体工法としてテコレップシステムが採用されることが、2011年5月に発表された。周囲へ騒音や粉塵飛散の影響を及ぼさないという点が主な評価に繋がったのだという。

なお、鹿島建設や清水建設、大林組といった他の大手も、ビルの上部あるいは下部から徐々に分解して下ろしていく解体工法をそれぞれ開発している。

関連サイト:
超高層建物の新解体工法「テコレップシステム」を開発 - 2010年2月23日

浮動株式数

読み方:ふどうかぶしきすう
別名:浮動株数
別名:流通株式数
別名:流通株数

市場に流通し、売買が可能な株式の数。上場株式数から、自己保有株式、役員保有株式、上場株式の10%以上を保有する大株主が保有する株式の合計数を差し引いたもの。

浮動株式数は、株式上場の要件や上場廃止基準などで規定されている。東京証券取引所(東証)への上場要件には、浮動株式数が4,000単位以上であることや、浮動株式数の比率が30%以上であることなどが規定されている。また、上場廃止基準として、浮動株式数が2,000単位未満であることや、浮動株式数の比率が5%未満であることなどが規定されている。

なお、市場に流通していない株式の数を固定株式数、あるいは、特定株式数という。

関連サイト:
上場審査基準概要 (一部・二部) - 東証
上場廃止基準概要 (一部・二部) - 東証

時価評価額

読み方:じかひょうかがく
英語:market value

主に有価証券などについて、現在の価格で換算した額のこと。

例えば、1ヶ月前に株価が500円の株式を1,000株購入し、現在の株価が550円であったとすると、時価評価額は55万円となる。また、投資額は50万円、評価損益は5万円である。

自粛ドミノ

読み方:じしゅくドミノ

災害などの影響を受けてイベントの主催者が開催を自粛し、その自粛の影響を受けて、他のイベントも自粛を余儀なくされる連鎖的な状況。

2011年5月には千葉県の2ヵ所の花火大会が自粛され、開催に意欲的だったもう1つの花火大会が、見物客の大幅増大による安全性確保の困難さから、開催見送りを決定した。

放射線遮蔽キャビン搭載フォークリフト

読み方:ほうしゃせんしゃへいキャビンとうさいフォークリフト
別名:放射線遮蔽キャビン搭載特殊大型フォークリフト
別名:放射線遮蔽キャビン搭載のフォークリフト
別名:放射線防ぐフォークリフト

三菱重工業が開発した、放射線が入り込まない運転室(キャビン)を搭載した大型の特殊フォークリフト。全長7.3m、全高3.8m、重量30トン。

放射線遮蔽キャビン搭載フォークリフトは、キャビン部分が板厚10センチメートルの鋼板、厚さ23センチメートルの鉛ガラスで構成され、全辺が溶接によって密閉されている。キャビンに入り込む放射線量は1~2パーセント程度まで低減されるという。

施設の放射線量が高い場所では、これまで作業ロボットを遠隔操作するしかなく作業が難航していたが、この特殊フォークリフトを使って有人作業が可能になれば、瓦礫撤去などの作業の大幅な効率化が期待できる。

放射線遮蔽キャビン搭載フォークリフトは、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の原発事故を受けて急遽開発された。重機、戦車、原子炉などを製造する三菱重工業が培ってきた技術を結集し、約1ヵ月で開発から製造までを完了したという。

関連サイト:
放射線を遮蔽するキャビン搭載の大型特殊フォークリフトを納入 - 三菱重工業ニュース 第5062号