新語時事用語辞典とは?

2011年5月25日水曜日

全炉心溶融

読み方:ぜんろしんようゆう
英語:full meltdown

原発事故が発生した原子炉で炉心内部の核燃料が融解する「炉心溶融」のうち、炉心の全部が高温によって融解した状態。

一般的に「炉心溶融」(メルトダウン)と呼ばれる状態の中には、炉心の一部が破損した「炉心一部損傷」と、炉心全部が溶解・破損した全炉心溶融が含まれる。全炉心溶融は原発事故において最も危惧される状態の一つであり、チェルノブイリ原子力発電所事故では全炉心溶融が発生している。

なお、炉心だけでなく炉心を格納した原子炉ごと高熱で溶解しはじめる状態を「原子炉溶解」と呼ぶこともある。また、核燃料が溶融して落下した後、原子炉の底が熱で破損し、核燃料が炉外に露出することを「メルトスルー」と呼ぶ。

炉心溶融

読み方:ろしんようゆう
別名:メルトダウン
英語:melt-down

原発事故において、炉心の内部に格納された核燃料が高温により溶け出し、炉心を溶解・破損する現象。原発事故の中でも最も過酷な事態の一つとされる。

炉心溶融のうち、炉心が全て高温によって溶融した状態を特に、「全炉心溶融」(フルメルトダウン)と呼ぶ。また、メルトダウンにより原子炉の底に落下した核燃料が、原子炉を破損して炉外に露出することを、「メルトスルー」と呼ぶこともある。

1979年に発生したスリーマイル島原子力発電所事故と、映画「チャイナシンドローム」の影響で、炉心溶融事故を「チャイナシンドローム」と呼ぶこともある。チャイナシンドロームとは、メルトダウン・メルトスルーした核燃料を指す冗談交じりの表現である。

2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の原発事故では、当初、炉心溶融は発生していないと発表されていたが、後に撤回し、5月12日に原子炉1号機で事故発生後まもなく炉心溶融が起こっていたことを認め、5月25日までに2号機、3号機でも炉心溶融が発生した可能性のあることを認めている。

RGS16

別名:Gたんぱく質シグナリング調節体16
英語:Regulator of G-protein signaling 16

Gたんぱく質と呼ばれる、生体内のシグナル伝達(細胞シグナリング)を司るたんぱく質の一種。Gたんぱく質の中で特に覚醒の1時間ほど前に活性化しており、睡眠からの覚醒に対して重要な役割を果たしていることが明らかになった。

関連サイト:
Circadian regulation of intracellular G-protein signalling mediates intercellular synchrony and rhythmicity in the suprachiasmatic nucleus - Nature Communications(英語)

主幹事会社

読み方:しゅかんじがいしゃ
英語:Lead managing underwriter
別名:主幹事

主に、株式市場に上場する企業の有価証券を引き受ける証券会社のうち、中心となる証券会社のこと。

主幹事会社は主に、市場に対して有価証券の募集や売り出しなどを行う。なお、主幹事会社の有価証券の引受量は他の幹事会社と比べて多いとされる。

四半期配当

読み方:しはんきはいとう

四半期ごとに配当を行う制度のこと。

日本においては、配当は従来、中間配当、および、期末配当の2回まで可能と会社法により規定されていたが、2006年の新会社法施行により回数の制限なく配当が行えるようになった。これにより、一部の企業では四半期配当を導入しているところもある。

関連サイト:
会社法

メルトスルー

英語:melt-through

原子炉内で、炉心の核燃料が熱により溶融する「メルトダウン」を起こした後、溶融して原子炉の底部に落下した核燃料が、高熱で原子炉を破損し、炉外に漏出すること。

メルトスルーは、多くの場合、原子炉圧力容器を破壊して原子炉格納容器に達することを指す。原子炉格納容器も破損して完全に炉外に露出した状態は「メルトアウト」と呼ばれることがある。

映画「チャイナシンドローム」では、核燃料がメルトスルーし、さらに炉外に落下した核燃料が施設の基礎となっているコンクリートも熱で突き破り、地中深くに落下していく。これをチャイナシンドロームと呼んだ。

2011年3月に発生した東京電力福島第一発電所では、事故発生当初はメルトダウンの起きた可能性が否定されていたが、5月に入るとメルトダウンが発生したことを東京電力側が認め、話題となった。また、5月24日にはメルトスルーが発生している可能性についても認める発言をしている。

株価売上高倍率

読み方:かぶかうりあげだかばいりつ
英語:PSR
英語:Price to Sales Ratio

時価総額を年間売上高で割った値のこと。

時価総額は株価に発行済株式数を掛けたものなので、株価売上高倍率は、

株価×発行済株式数÷年間売上高

と表すこともできる。

株価売上高倍率は、同業種でほぼ同じ売上高の複数の銘柄を比較する時に用いられることがある。同じ売上高であった場合、株価売上高倍率が高いほど株価は割高と判断することが多い。

モーニングアフターピル

別名:事後ピル
別名:緊急避妊薬
別名:緊急避妊ピル
英語:morning-after pill

受精卵の着床を阻止する作用を持ち、性交後に服用して避妊効果を期待することができる避妊薬(ピル)。事後72時間以内に服用すれば効果があるという。

モーニングアフターピルを使用することで、性犯罪の被害に遭ったり、無防備な性交を行ったりした場合に、望まない妊娠のリスクを低減することができる。

モーニングアフターピルはホルモン剤の一種であり、多量のホルモンを摂取するため女性の身体に大きな負荷をかける。また、その避妊効果は通常のピルよりは低く、避妊が失敗する確率もやや高い。そのため、常用は推奨されない。

国内では従来、モーニングアフターピルが認可されておらず、代替法を医師に処方してもらう方法が取られていた。2011年5月24日に初めて国の承認を受けた「ノルレボ錠」が発売され、注目を集めている。

関連サイト:
緊急避妊 - 社団法人日本家族計画協会

フィブリノゲン製剤

読み方:フィブリノゲンせいざい
別名:フィブリノーゲン製剤
英語:fibrinogen preparations

人の血中に含まれる血液凝固因子「フィブリノゲン」から精製される、血液製剤。外傷による大量出血や出産時の出血などに際しての止血に用いられる。

フィブリノゲン

別名:フィブリノーゲン
別名:繊維素原
別名:線維素
英語:fibrinogen

ヒトの血液中に含まれる血液凝固因子の一種。

フィブリノゲンは血液中から抽出されて止血剤(フィブリノゲン製剤)として用いられることがある。ただし、原料中に肝炎ウイルスが混入し、過去にフィブリノゲン製剤を投与された患者1万数千人がC型肝炎に罹患、「薬害肝炎訴訟」へと発展する事件が起きている。

2011年5月、遺伝子組み換えを行ったカイコからフィブリノゲンを精製することに成功したと、国内の医薬品メーカーが発表した。製剤化が確立されればC型肝炎への感染リスクのないフィブリノゲン製剤が実現可能になる。