新語時事用語辞典とは?

2011年6月3日金曜日

O抗原

読み方:オーこうげん

大腸菌の表面にある抗原のうち、鞭毛を持たない抗原のこと。

集団食中毒の原因菌としてしばしば取り沙汰される「腸管出血性大腸菌O-157」、「腸管出血性大腸菌O-111」、「腸管出血性大腸菌O-104」などの病原性大腸菌は、このO抗原の種類によって分類されている。また、番号は発見された順に従っている。ヒトに感染した場合の影響や症状などはおおむね同様である。

バリュー投資

読み方:バリューとうし
英語:Value approach
別名:バリューアプローチ

企業の収益力をはじめ、成長性や資産などからその企業の株価を見積もり、実際の株価のほうが安ければ株式を購入する手法のこと。

バリュー投資での判断基準は、投資家によって異なるが、PERやPBR、配当利回りなどを基準とする場合が多い。PERやPBRについては低いもの、配当利回りについては高いものがバリュー投資の対象になりやすい。

腸管出血性大腸菌O-111

読み方:ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきんオーイチイチイチ
別名:病原性大腸菌O-111
別名:O-111

病原性大腸菌の一種。「O-157」と同様、ベロ毒素と呼ばれる強毒性の毒素を生産し、下痢や発熱などの食中毒症状を引き起こす。また、合併症状として脳症、溶血性尿毒症症候群と呼ばれる肝臓疾患なども引き起こす。特に子どもや高齢者は重篤に陥りやすい。

腸管出血性大腸菌O-111とO-157の違いは、抗原(O抗原)による分類上の区分による。症状などに目だった違いがあるわけではない。腸管出血性大腸菌に共通する特徴として、感染力が非常に強いという点がある。菌の数が、他の食中毒の事例の1万分の1程度(おおよそ100個程度)でも発症するおそれがあるといわれている。

腸管出血性大腸菌は75度以上の熱で死滅させることができる。そのため、肉などを調理する際には十分に加熱することが推奨される。また、レバ刺しやユッケなどで用いられる生食用食肉の取り扱いについては、1996年に発生したO-157による集団食中毒事件を契機として作成・通知された「生食用食肉の衛生基準」においてガイドラインが示されている。

2011年4月には、焼肉チェーン店でユッケを食べた複数人の客が、腸管出血性大腸菌を原因とする溶血性尿毒症症候群などに罹患し、死亡する事件が発生している。同店舗では肉を生で提供する際に行うべきと保健所から指示されている「トリミング」(肉表面のそぎ落とし)などの処理を行っていなかったことが明らかになっている。

なお、2011年5月には西欧ドイツで「腸管出血性大腸菌O-104」に感染したと見られる食中毒患者が続出して騒ぎとなっている他、2011年6月には日本の別の焼肉チェーン店で「腸管出血性大腸菌O-157」による食中毒事件が発生し、波紋を広げている。

関連サイト:
腸管出血性大腸菌感染症(O157など) - 東京都感染症情報センター

腸管出血性大腸菌O-157

読み方:ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきんオーイチゴーナナ
別名:病原性大腸菌O-157
別名:腸管出血性大腸菌O157:H7
別名:O-157

病原性大腸菌の一種。「腸管出血性大腸菌O-111」などと同じ腸管出血性大腸菌で、ベロ毒素を生産して人体に深刻な食中毒症状をもたらす。100個程度と極めて少数の菌数で感染する点も特徴となっている。

日本では1996年に岡山県で大規模な集団食中毒が発生し、その際の原因となった病原性大腸菌として広く知られるようになった。

2011年4月に、北陸の焼肉チェーン店で「腸管出血性大腸菌O-111」による集団食中毒事件が発生し、業界内での調査および再発防止の取り組みが進められていたが、2011年6月初頭に、別の焼肉チェーン店で腸管出血性大腸菌O-157による集団食中毒の感染例が報告され、波紋を呼んでいる。

なお、2011年5月には、ドイツで「腸管出血性大腸菌O-104」による集団食中毒が発生し、十数人が死亡する騒ぎに発展している。

問責決議

読み方:もんせきけつぎ

政治家・閣僚の不信任を表明し、政治的責任を問う決議。衆議院において「問責決議案」として提出され、衆院本会議で議決される。

同様の不信任表明には、内閣総理大臣をはじめ内閣全体を不信任とする「内閣不信任決議」がある。内閣不信任決議が衆議院で可決された場合は、法の規定に従い、衆議院の解散、もしくは、内閣総辞職を行わなくてはならない。問責決議の場合には法的に辞職などを強制されることはないが、何らかの形で不信任の表明に応えることが通常とされている。

2011年6月、菅直人・内閣総理大臣を退陣に追い込む「菅おろし」の動きが野党内で激化しており、内閣不信任決議案の提出に続いて問責決議案も提示する二段構えの攻勢で倒閣を進める動きが検討されている。

費用弁償

読み方:ひようべんしょう

職務で出張した際に旅費のまかないとして支給される費用。費用弁償の主な内容として、出張における交通費、旅行雑費、宿泊料などが含まれる。

議会議員が議会に出席する際に支払った交通費なども、費用弁償と呼ばれる。これは議員報酬とは別途支給されるもので、条例により金額が定められている。

2011年6月、名古屋市議会で、費用弁償の受取りを拒否する趣旨の政権公約を掲げていた会派の議員がしっかり費用弁償を受け取っていたことが発覚し、引責辞任などの問題に発展している。

地下防災タンク

読み方:ちかぼうさいタンク

非常時に、流出した油などを貯めて二次災害を防ぐために用いられるタンク。地中に埋設される。

東京電力福島第一原子力発電所においては、2011年6月3日現在、今後増えると予測される高レベル汚染水を受け入れるために、地下防災タンクを新たに建設する予定であることが発表された。8月中に設置完了を目指して建設を進めると発表されている。

時差出勤

読み方:じさしゅっきん

出勤時刻をずらすこと。サマータイム制で導入されたり、個々に実施されたりする。

時差出勤を行うことで、一般的な出勤時刻を避け、交通機関の混雑ピークを回避できるほか、早めに出勤すれば自ずと退勤時刻も早くなるため、早朝の涼しさを享受した分だけ冷房設備の電力を節約したり、夕方以降に照明として用いる電力を節約したり、といった節電効果が期待できる。

2011年の夏は東日本大震災と東京電力の原発事故などにより、首都圏などで夏場の電力不足が懸念されている。その中でサマータイム制による時差出勤を導入する企業も増えている。2011年6月には、東京都もサマータイムの導入を進め、都職員には複数パターンの時刻で時差出勤をさせる旨を発表している。

内閣信任決議

読み方:ないかくしんにんけつぎ

現在の内閣が、信任するに足ると表明し、衆議院において決議すること。

内閣信任決議は、「内閣不信任決議」と相対する性質のものであるが、内閣不信任決議とは異なり、国会における内閣総理大臣の指名などといった運用が、内閣の信任を決議しているのと同じ意味合いを有するため、敢えて内閣信任決議を議決することは稀であると言える。