新語時事用語辞典とは?

2011年6月13日月曜日

スピントロニクス

読み方:スピントロニクス
別名:マグネットエレクトロニクス

電子が持つ「マイナスの電荷」と「磁石」という二種類の性質を利用する工学分野。従来の他の技術では実現困難だった様々な技術を可能としている。

2011年6月13日、東北大学とNECの共同研究プロジェクトがスピントロニクスを既存の電子回路に組み込み、高速動作と不揮発性を両立させた集積回路の開発に成功したと発表した。磁石の作用を応用しているため、電源を切っても回路のスイッチの状態が維持される。そのため待機電力がゼロの半導体集積回路が実現可能となる。

関連サイト:
世界初 データ保持に電力が不要な連想メモリプロセッサを開発・実証 ~待機電力ゼロの電子機器実現に向けて~ - NEC

サーチュイン遺伝子

別名:サーチュインいでんし
別名:サーチュインファミリー
別名:サーチュイン
英語:Sirtuin gene
英語:silent information regulator gene

酵素の一種で、老化を抑制する機能を持つとされるタンパク質。「ヒストン脱アセチル化酵素」(HDAC)の下位分類の一つ(クラスIII)。

最初に発見されたサーチュイン遺伝子はイースト菌から発見された「Sir2」である。同じ分類の物質を、酵母では「Sir2」、マウス(実験動物)では「Sirt1」、ヒトにおいては「SIRT1」と表記して区別する。

サーチュイン遺伝子が活性化すると、細胞の若返りや代謝の増進をはじめとする、老化を抑制するさまざま効果がはたらくとされる。このため、サーチュイン遺伝子を活性化させることで寿命を延ばすことが可能になる、と期待されている。

サーチュイン遺伝子を活性化させる要素として、小食・適度なカロリー制限やバランスの取れた食事などが挙げられる。また、ワインなどに含まれるポリフェノールの一種、「レスベラトロール」と呼ばれる物質には、サーチュイン遺伝子の働きを活発化される効果があると言われている。

レスベラトロール

英語:resveratrol

「ポリフェノール」と呼ばれる抗酸化物質の一種。赤ワインなどに含まれる。動物実験では寿命を延長する効果が実証されており、老化を抑制する効果が期待できる成分として注目されている。

スマートグリッド展

読み方:スマートグリッドてん

「スマートコミュニティ」の実現に向け、スマートグリッドやエネルギー利用に関する技術・機器などを展示するエキシビジョン。日刊工業新聞社などが主催している。会場は東京ビッグサイト。


国内外の実情や機器などの展示を通じて、業界内の交流や商談などを創出する場となることが期待されている。なお、併設イベントとして「次世代自動車産業展」がある。

2011年には6月15日から17日にかけて、「スマートグリッド展2011」が、「次世代自動車産業展2011」と共に開催される。2011年3月に発生した東日本大震災を受けて、「震災復興支援ゾーン」を設け、被災地支援に一役買うことのできる技術の展示コーナーを特設、大会終了後には被災地への提供も予定しているという。

関連サイト:
スマートグリッド展2011&次世代自動車産業展2011

トリウム溶融塩原子炉

読み方:トリウムようゆうえんげんしろ
別名:トリウム溶融塩炉
別名:トリウム原発

アクチノイド元素の一種であるトリウムを溶融塩の状態にして核分裂エネルギーを取り出す原子炉。単に「溶融塩原子炉」と言った場合、このトリウム溶融塩原子炉を指す場合が多い。

トリウム熔融塩原子炉は臨界状態で液体になった放射性燃料を使用するため、固形ウランの燃料棒を使用する現行の原子力発電の技術に比べて、扱いが簡単であり、原子力事故に至る危険性も低いという。2011年2月に中国がトリウム溶融塩原子炉の開発推進を正式に発表している。

ミクロ石棺

読み方:ミクロせっかん

タンザニアで発見された、放射性物質を吸着・固定することで拡散を防ぐ役割があると見られる微生物。土壌中に棲息しており、福島第一原子力発電所における放射性物質の処理に有益かもしれないとして、調査が進められている。

ミクロ石棺とあだ名された微生物が見つかった地域は中央アフリカ東部に位置するタンザニアの首都・ドドマ(Dodoma)の付近で、放射性物質の濃度が高い地域だという。微生物のまわりには高濃度の放射性物質が粘土に混ざって付着していた。