新語時事用語辞典とは?

2011年7月22日金曜日

総総分離

読み方:そうそうぶんり

自民党総裁と内閣総理大臣の2つの役職を、1人の者に兼任させないこと。

通常は、党の総裁と内閣総理大臣を兼務することは一般的であるが、特に兼任を避けてそれぞれ別の者を就任させる場合に、総総分離という。

なお、民主党では、代表者は「党代表」と呼ぶため、総総分離の概念を「総代分離」と呼ぶ。

家畜伝染病

読み方:かちくでんせんびょう

家畜が感染する伝染症。特に「家畜伝染病予防法」で指定され、感染予防・蔓延阻止の対象となるものを指す。

家畜伝染病に感染した家畜が見つかった場合、生産者・獣医師・都道府県知事・農林水産省を中心として、発生時の届出から患畜の殺処分や移動制限など、蔓延防止のためのあらゆる処置をとる必要がある。

2011年5月改正の「家畜伝染病予防法」では、口蹄疫、豚コレラ、狂犬病、伝達性海綿状脳症(スクレイピー)、高病原性鳥インフルエンザなど、計26種類の疾病が家畜伝染病に指定されている。家畜伝染病の中には人間にも感染する人畜共通感染症(ズーノーシス)も含まれる。

家畜伝染病予防法で指定されている26種は「法定伝染病」とも呼ばれる。この他に、感染例が見つかったら届け出る義務がある「届出伝染病」が70余種指定されている。

2010年に宮崎県で口蹄疫が大流行した際には、被害拡大を防ぐ措置として、患畜20数万頭が殺処分された。また、2011年5月には、宮崎県に棲息する野生馬で天然記念物に指定されている「御崎馬」全80数頭のうち何頭かが、家畜伝染病の一種である「馬伝染性貧血」に感染していることが判明し、7月までに感染馬12頭が殺処分されている。

高病原性鳥インフルエンザはズーノーシスとして知られ、パンデミックの危険性がある家畜伝染病として2000年代以降たびたび話題となっている。

関連サイト:
家畜伝染病予防法 - e-Gov
家畜伝染病予防法の解説 - 動物検疫所

選択的デフォルト

読み方:せんたくてきデフォルト
別名:選択的債務不履行
別名:選択的不履行
英語:Selective Default
英語:SD

格付け機関が、債務者の一部の債務を不履行した際に適用する格付けのこと。格付けの記号は「SD」を用いることが多い。

選択的デフォルトの適用は、一部の債務を不履行するものの、残りの債務については期日通りに支払った場合である。全ての債務を不履行した場合はデフォルトという。デフォルトの格付けの記号は「D」を用いることが多い。

ちなみに、日本においては過去に、日本航空株式会社や株式会社武富士などにクレジットイベントが発生し、選択的デフォルトの適用されたケースがある。

関連サイト:
発行体格付け - スタンダード&プアーズ

国債交換

読み方:こくさいこうかん
英語:bond exchange

既発国債を新発国債と交換すること。

国債交換は、既発国債の選択的デフォルトを含むデフォルト(債務不履行)を回避する目的で行われる場合が多い。

国際金融協会(IIF)は2011年7月、ユーロ圏首脳会合でのギリシャへの第2次支援策を受け、ギリシャのソブリン債の一部について国債交換、および、国債ロールオーバーすることを発表している。

関連サイト:
Greece Financing Offer: Statement by the IIF Board of Directors - IIF(英語)

エアアジア・ジャパン

英語:AirAsia Japan

全日空(全日本空輸)とマレーシアのエアアジア(AirAsia)社が共同出資して日本に設立する格安航空会社(LCC)の名称。2011年7月に設立が発表された。

エアアジア・ジャパンの正式な設立時期は2011年8月、拠点(ハブ空港)は成田空港となる。国内線と国際線の両方が運行される予定である。2012年8月に始めての就航予定である。

なお、全日空は2011年2月に、香港の投資会社らと共同出資でLCC「Peach Aviation」(ピーチ・アビエーション)を設立している。

EFSF債

別名:欧州金融安定ファシリティ債
別名:欧州金融安定基金債
別名:欧州金融安定化債
別名:イーエフエスエフさい
英語:EFSF Bond
英語:European Financial Stability Facility Bond

欧州金融安定ファシリティ(EFSF)が発行する債券のこと。

EFSF債は、EUの財政危機に陥った国への融資を目的として発行される。

日本政府は、アイルランドやギリシャをはじめとする欧州各国の経済や金融の安定化を支援するためにEFSF債を買い入れているとされる。2011年7月現在、日本政府のEFSF債の買い入れ額は、全発行額の約20%とされる。

関連サイト:
欧州金融安定ファシリティ - (英語)

クレジットイベント

英語:credit event
別名:信用問題
別名:信用事由

債務履行に際して支障をきたす恐れのある行為や問題のこと。

クレジットイベントには、債務者の債権者に対する債務不履行なども含まれる。

債券取引でクレジットイベントが発生すると、期日を待たずに償還されることが多い。

国債ロールオーバー

読み方:こくさいオールオーバー
英語:bond rollover

既発国債を新発国債へ移管すること。

国債ロールオーバーは、既発国債の選択的デフォルトを含むデフォルト(債務不履行)を回避する目的で行われる場合が多い。

国際金融協会(IIF)は2011年7月、ユーロ圏首脳会合でのギリシャへの第2次支援策を受け、ギリシャのソブリン債の一部について国債ロールオーバー、および、国債交換することを発表している。

関連サイト:
Greece Financing Offer: Statement by the IIF Board of Directors - IIF(英語)

適時適切

読み方:てきじてきせつ

情報の開示や表明などについて、開示する時期やタイミングが適切である、その内容もまた適切であること。

適時適切の概念は、特に企業におけるCSR(企業の社会的責)の文脈で言及されることが多い。経営見通しに下方修正が必要な場合になどに、投資家へ迅速に、かつ十分な情報を開示するように、といった意味合いで用いられる。

政界においてまお、タイミングと内容が適切であるという意味合いで「適時適切」の語が用いられることがある。特に内閣総理大臣の辞職などについて言うことが多い。

第6次産業

読み方:だいろくじさんぎょう
別名:第六次産業

第1次産業に従事する農家や漁師が、生産・収穫した作物などを、生産だけでなく加工・販売まで一貫して手がける経営のこと。

食品の加工は第2次産業にあたり、流通や販売は第3次産業にあたる。農家が第2次産業・第3次産業まで含めて自分で経営することで、加工業者や流通業者、販売業者などに利ざやを取られることがなく、また現地で加工・販売するため鮮度や安全度などの付加価値が高くできる。

なお、第6次産業の「6次」とは、第1次産業、第2次産業、第3次産業の数字をそれぞれ足した、あるいは掛け合わせた数を意味するものである。特に「第4次産業」や「第5次産業」があるわけでない。