新語時事用語辞典とは?

2011年8月19日金曜日

汚染疑い牛

読み方:おせんうたがいぎゅう
別名:汚染疑い牛肉
別名:セシウム汚染疑い牛肉
別名:汚染疑いの牛肉

東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故の影響で放射性物質に汚染している疑いのある牛肉。

2011年7月に、福島県の農家が出荷した肉牛から「食品衛生法の暫定基準値」を超える量の放射性セシウムが検出され、セシウム汚染牛として全国に波紋を呼んだ。トレーサビリティシステムが確立していたため肉牛の特定は迅速に行われたが、管理体制が整っていない飼料の稲わらが汚染の原因となっていたことで、追跡や管理はより難しくなっている。

2011年7月18日から8月にかけて、厚生労働省は、汚染稲わらを食べた可能性がある汚染疑い牛の個体識別番号の公表を行っている。それと照合して汚染疑い牛を使用した給食などを食べた可能性があるという例も多く挙がっている。

関連サイト:
放射性物質が含まれた稲わらを給与された可能性のある牛の肉の個体識別番号について - 厚生労働省
放射性セシウムに汚染された稲わらを与えられた牛の肉に関するQ&A - 大阪府

和牛オーナー制度

読み方:わぎゅうオーナーせいど
別名:牛のオーナー制度
別名:和牛オーナー制
別名:和牛預託商法
別名:和牛商法

「預託法」(特定商品等の預託等取引契約に関する法律)に基づき、個人が子牛のオーナーとなって育成を支援し、子牛が成牛となって売れた場合に、その配当金をオーナーに支払うという制度。いわゆる和牛の預託商法である。

預託法は「現物まがい商法」と呼ばれる悪徳商法に利用されることがしばしばある。和牛オーナー制度も、現物まがい商法の一種と見なされる場合が多くある。

1990年代半ばから後半にかけて、和牛オーナー制度は高利回りの投資手法として注目を集めたが、「配当が契約どおりに支払われない」、「預託金が返還されない」などのトラブルが続出し、急速に勢いを失った。和牛オーナー制度によるオーナーを募集していた事業者は、1990年代には17社あったとされるが、2000年代には2社のみとなった。

2000年代に残った2社のうち、「ふるさと共済牧場」(後に「ふるさと牧場」と改称)は2007年に経営破綻している。残ったもう1社「安愚楽牧場」(安愚楽共済牧場)も、2011年8月9日に東京地裁へ民事再生法の適用の申立てを行った。負債総額は2011年7月末の時点で約4330億円に上るとされる。

関連サイト:
雑誌に和牛オーナー募集の広告が出ていた。信用できるか。 - 東京都生活文化局 東京くらしWEB

放射能汚染マップ

読み方:ほうしゃのうおせんマップ
別名:汚染マップ
別名:放射能汚染地図

放射能汚染の状況を地図上に重ね合わせて参照できるようにしたもの。

東京電力福島第一原子力発電所で原発事故が発生して以降、国内外で福島第一原発を中心とした放射能汚染マップが数多く作成・公開されている。ドイツ気象庁や、フランス放射線防護原子力安全研究所なども、福島原発を中心とする放射能汚染マップを作成・公開している。

2011年8月18日には京都大学や原子力研究開発機構らが共同で、Googleの提供する地図情報サービス「Google Earth」と連携した放射能汚染マップを作成したと報じられた。これは従来よりきめ細かい100メートル未満の単位で汚染状況が確認できるという。

福島第一原発の周辺では、原発事故以来、周辺地域が避難区域に指定されたり、遠隔地でも局所的に「放射線ホットスポット」が出現したりしており、放射性物質の飛散に関する情報への関心や需要が高い。

米の放射性物質検査

読み方:こめのほうしゃせいぶっしつけんさ
別名:コメの放射性物質検査
別名:お米の放射性物質検査
別名:米の放射性物質調査
別名:米の放射線検査
別名:米の放射性セシウム濃度の検査

原発事故によって放出された放射性物質で米が汚染されていないことを確認するために実施される検査の通称。

米の放射性物質検査は、抜き取り検査の方式で収穫前・収穫後の2段階に分けて実施される。「食品衛生法上の暫定規制値」で規定されている「1キログラムあたり500ベクレル」の値を下回れば、流通させても問題ないと見なされる。

2011年8月17日までに、収穫前の水稲を対象とした抜き取り調査が行われたが、問題のある「セシウム汚染米」は現在のところ見つかっていない。8月19日に、茨城県の早場米の収穫前検査で微量の放射性セシウムが検出されたが、これも食品衛生法上の暫定基準値の10分の1程度とごく低い値となっている。

関連サイト:
農産物に含まれる放射性セシウム濃度の検査結果(随時更新) 米の放射性セシウム濃度の検査結果 - 農林水産省

放射性物質汚染対策室

読み方:ほうしゃせいぶっしつおせんたいさくしつ

東京電力福島第一原子力発電所の原発事故を受け、放射性物質の除染に関する主導的機能を果たすために設置される機関。内閣官房に設置される。

放射性物質汚染対策室では、生活のあらゆる側面で問題となっている放射性物質汚染問題を、横断的に統括し、調整する司令塔の役割を担う。これまでは、原発の周辺地域の土壌や施設などの除染、放射性廃棄物や放射性がれきの処理、セシウム汚染の懸念が広がっている食品の放射性物質汚染対策、といった問題があり、それぞれ環境省や厚生労働省、農林水産省といった複数の省庁が担当して対策に当たっていた。

関連サイト:
原発事故の収束及び再発防止に向けて - 内閣官房

ハンスト

別名:ハンガーストライキ
英語:hunger-strike

抗議や政治的意思表示のために行われるデモンストレーションの一種で、ストライキを実行している間、飲まず食わずでいること。

ハンストは、相手が要求や要望を受け入れるまで飲食しなで居座り続けることで、訴える側が弱っていく様子を相手に見せつけることができる。これによって、非暴力的な示威活動ではあるが強く訴えかける活動となっている。

ハンストは、マハトマ・ガンジーによって最初に行われたものとされている。現在では世界のあらゆる国、あらゆる抗議活動において、ハンガーストライキが実施されている。

経済融通電力

読み方:けいざいゆうずうでんりょく

電力会社の間で行われる電力融通制度のうち、一方の電力会社の発電コストが他方の発電電力会社の発電コストを大きく下回る場合に、その電力を融通すること。

経済融通電力を実施することで、発電コストを抑えることができる。ただし、経済融通電力はそれぞれ自社の施設だけで十分発電できることを前提として行われる制度である。

その他の電力融通制度としては、供給力不足の際に他社から電力を送ってもらう「応援融通」と、供給力に余剰が生じた場合に他社に分けて消費してもらう「協力融通」などがある。

協力融通

読み方:きょうりょくゆうずう
別名:広域相互協力融通電力

電力会社の間で行われる電力融通制度のうち、電力供給量に余剰が生じた場合に、周囲の電力会社に引き取ってもらう制度。

協力融通は、例えば、水力発電における発電力が天候の影響で一時的に向上して、自社内の他の発電施設の発電量を抑えるなどしても調整しきれない、といった場合に実施される。余剰に生まれた電力を有効に利用するための制度であるといえる。

電力融通制度には、協力融通の他に「応援融通」や「経済融通」などがある。応援融通は、発電施設のトラブルなどによって電力供給量が低下し、需要をまかなう十分な発電量が確保できない場合に、供給力に余裕のある他の電力会社から電力を融通してもらう制度である。「経済融通」は、自社の発電力で電力供給が可能であることを前提として、より低コストで発電する他社から電力を買って電力供給のコストを下げる制度を指す。

応援融通

読み方:おうえんゆうずう
別名:需給相互応援融通電力

電力会社の間で行われる電力融通制度のうち、発電施設のトラブルなどによって電力供給量が低下し、需要をまかなう十分な発電量が確保できない場合に、供給力に余裕のある他の電力会社から電力を融通してもらうこと。電力が足りないときに相互支援を行う制度と言える。

電力供給量に余剰が生じ、自社内で調整してもなお供給力が余る場合などに、周囲の電力会社に引き取ってもらう制度は、「協力融通」(広域相互協力融通電力)という。これは、例えば水力発電が天候の影響などで一時的に余剰の発電力を持った、というような場合に行われる。

また、自社の発電力で電力供給が可能であることを前提として、より低コストで発電する他社から電力を買って電力供給のコストを下げることを「経済融通電力」などという。