新語時事用語辞典とは?

2011年9月13日火曜日

ナトリウム漏れ

読み方:ナトリウムもれ

高速増殖炉などの、設備の冷却に水ではなく液体ナトリウムを使用している原子力施設において、液体ナトリウムが漏出する事故のこと。

原子炉は、軽水炉の場合は一般的に水を用いて冷却が行われるが、高速増殖炉では、より熱伝導率の高い液体金属である液体ナトリウムが用いられることが多い。液体ナトリウムは扱いが難しく、しばしば配管から漏出するなどの事故が発生している。ナトリウムは常温で発火あるいは爆発する性質を持ち、非常に危険な物質である。

過去に日本の高速増殖炉「もんじゅ」や、フランスの高速増殖炉「スーパーフェニックス」などで、ナトリウム漏れ事故が発生している。「スーパーフェニックス」はその後、廃炉となり、「もんじゅ」は相次ぐトラブルに見舞われており、当初の計画通りには稼動していない状況にある。

ツポレフ

別名:トゥーパレフ
別名:Туполев
英語:Tupolev

ロシアの航空機メーカー、および、同社が製造する航空機の総称。長距離用爆撃機など、軍用機などで知られる。

ツポレフの航空機の種類として、超音速飛行を可能とする爆撃機「Tu-160」、長距離航行用の戦略爆撃機「Tu-95」などが知られる。旅客機には「Tu-214」などがある。

2011年9月8日にロシア軍の軍用機が日本の領空に接近した状態で日本周辺を1周し、問題となったが、そのときの機体はポレフの「TU-95MS」であったという。

ギリシャ債務不履行

読み方:ギリシャさいむふりこう
別名:ギリシャデフォルト
英語:Greek default

ギリシャ政府の発行するソブリン債(ギリシャ債)について、ギリシャ政府が期日までに債務責任を果たさないこと。

2011年9月13日現在、ギリシャ債務不履行の事態には陥っていないが、投資家やアナリストの一部にはギリシャ債務不履行は不可避と見る向きも多い。また、ギリシャの最大の支援国であるドイツ政府は、ギリシャ債務不履行に備えてソブリン債(ギリシャ債)を保有しているドイツの金融機関に対する支援策の検討に着手したとされる。

ギリシャ債務不履行の事態に陥ったとすれば、その発端は、2009年10月のギリシャ政府による財政赤字の隠蔽発覚とする見方が多い。ギリシャはそれまで、財政赤字額は対GDP比3.7%と発表していたが、実際には13.6%にものぼっていることが発覚した。これを発端にして外国為替市場では対ユーロ通貨が幅広く売られ、経済的な影響は欧州連合(EU)各国へと及び、欧州金融危機を招いたとされる。

ミセスワタナベ

英語:Mrs.Watanabe

昼間に外国為替証拠金取引(FX)をする日本のビジネスマンや主婦などの総称。

ミセスワタナベの「ワタナベ」は、海外でもよく知られている日本の姓とされ、ミセスワタナベの呼び名は海外で付けられたといわれている。

ミセスワタナベは、昼休みなどを利用して、主に米ドル/円を買うとされる。

ミセスワタナベの手口により、相場はファンダメンタルズの面やテクニカルの面に関係なく円安ドル高へ推移することが多い。

なお、投機筋がミセスワタナベとは逆の売買をすることを「ミセスワタナベ狩り」という。ミセスワタナベの米ドル/円の買いに対するミセスワタナベ狩りは米ドル/円の売りである。

ミセスワタナベ狩り

読み方:ミセスワタナベがり

主に欧米の投機筋がミセスワタナベとは逆の売買をすること。

ミセスワタナベ狩りは、例えばミセスワタナベが米ドル/円を買っているとすれば、米ドル/円の売りを入れる。ちなみに、ミセスワタナベは米ドル/円を買うことが多いとされる。

ミセスワタナベ狩りの目的は、ミセスワタナベのストップロスを狙って利鞘を稼ぐこととされる。例えば、ミセスワタナベの米ドル/円のロングポジションに対して、投機筋は米ドル/円のショートにより相場を円高へ推移させる。円高に推移したことによってミセスワタナベのストップロスを誘い、相場を更なる円高へ誘導し、結果、投機筋は利益を得るというものである。

コプト教徒

読み方:コプトきょうと

キリスト教の一派であるコプト教を信仰する人のこと。

コプト教は、1世紀頃からエジプトを中心に発展していったとされる。

エジプトでは、人口のおよそ5%から10%までがコプト教徒といわれている。ちなみにエジプトの大多数はイスラム教徒であり、コプト教徒とイスラム教徒との間ではしばしば衝突が起きている。

コプト教徒は、エジプトの他にもアメリカ合衆国やオーストラリアなどを中心に世界におよそ5000万人いるとされる。

サラフ主義

読み方:サラフしゅぎ

イスラム教の開祖であるムハンマド・イブン=アブドゥッラーフや、同志の意味を持つサラフがイスラム共同体を率いた7世紀頃の教えに戻って、イスラム法を遵守すべきという考え方。あるいは、当時の教えを実践しようとする思想。

サラフ主義は、イスラム過激思想と見る向きも多い。

サラフ主義は、テロ組織として有名なアルカイダやジハードなどがその流れをくむとされる。

マルクール原子力施設

別名:マルクール核施設
別名:マルクール核関連施設
別名:マルクール核廃棄物処理施設
別名:マルクール放射性廃棄物処理施設
別名:マルクール原子力地区

フランス南部のガール県(Gard)に設置されている原子力施設および地区の名称。放射性廃棄物の処理や使用済み核燃料の保管といった、原子力に関連する施設がこの地区に密集している。高速増殖炉「フェニックス」も同地区にある。

2011年9月12日に、マルクール原子力施設における低レベル放射性廃棄物の処理施設で爆発が起き、1人が死亡、4人が怪我を負うという事故が発生した。フランス原子力安全局は、事故は迅速に収束し、放射能漏れや被ばくといった事態は発生していない、と説明している。

マルクール原子力施設での爆発事故は、2011年3月に日本で東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生して以来初となる原子力施設の事故であり、各方面に波紋を呼んでいる。