新語時事用語辞典とは?

2011年10月5日水曜日

暴排条項

読み方:ぼうはいじょうこう
別名:暴力団排除条項

契約書などにおいて規定された、暴力団の介入を排除するための条項。民間企業などで導入が進んでいる。

暴排条項では、基本的に、契約者自身が暴力団の構成員や反社会的勢力でないことを保証したり、契約後に暴力団の構成員に加わったり、関与したりした場合に、契約を一方的に破棄できるようにしたり、といった事項が規定される。

こうした条項は、例えば賃貸住居の契約書などでは、以前から一般的に加えられていた。2007年に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が発表されて以降、賃貸業界以外でも徐々に浸透しつつあるとされる。

2011年8月、大物タレントの島田紳助がいわゆる「黒い交際」を理由に芸能界を引退、大きな話題となり、企業や組織と暴力団との関係が注目を集めている。

関連サイト:
企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について - 法務省
「東京都暴力団排除条例」の制定について :警視庁

ユーラシア連合

ロシア連邦を中心に旧ソビエトの国々が連合をつくる構想。2011年10月、プーチン首相・元大統領が発表した。

ユーラシア連合の構想は、旧ソ連諸国により欧州連合(EU)のような統一経済圏を形成することなどが主な意図と見られている。

なお、2011年10月現在、プーチン首相は2012年の大統領選に出馬すると見られている。

第5の戦場

読み方:だいごのせんじょう
英語:the fifth domain

コンピュータとネットワークで構築された、いわゆる「サイバー空間」を国防上の「戦場」(Operational Domain)として捉えた表現。陸海空および宇宙に次ぐ5番目の戦場である、という意味合いを持つ。

2011年7月に、米国国防総省は「サイバー攻撃」に対する新たな国際戦略を発表、その中で、サイバー空間は第5の戦場であるとの見解を明確にした。2011年10月に催された公聴会では、中国が知的財産の窃取などを目的とし、米国に対してサイバー攻撃を仕掛けていると断定している。

ダークエネルギー

別名:暗黒エネルギー
別名:ダークエナジー
英語:dark energy

宇宙空間に存在すると推測されている、引力とは逆に物体同士を退け合う「斥力」のエネルギー。宇宙観測において確認されている「宇宙が膨張の加速度を速めながら膨らんでいる」という現象を説明するものとして、現代の宇宙論の主要な考え方となっている。

カリフォルニア大学のソール・パールマター教授は、超新星爆発の観測などを通じたダークエネルギーの研究などの功績により、2011年にノーベル物理学賞を授賞している。

ラドンガス

希ガス元素の一種で、原子番号が66の放射性をもつ気体。無味無臭、水に溶けやすい。ラドンは岩石中のウランやトリウムといった物質が放射性壊変することで生成される。天然でもいくらか存在している。ごくごく微量のラドンガスが水中に溶け込んだ「ラドン温泉」は、適度な細胞への刺激による免疫力向上などの効能をもつ湯として広く知られている。

ラドン温泉に含まれるラドンガスの放射線量は、一般市街地で計測される放射線量の2倍~3倍程度とされる。もし何らかの形でラドンガスを過度に体内に取り込めば、内部被曝による放射線障害が起こりえる。

2011年10月、神戸薬科大や東北大などによる共同研究チームは、東日本大震災が発生する半年前頃から、大気中のラドンガスの濃度が漸増したのち急減するという大きな変化を見せていたことを突き止め、発表した。

なお、神戸薬科大は1995年の阪神・淡路大震災の際も、放射線医学総合研究所などと共に震源周辺地域の大気中のラドンガス濃度を観測しており、やはり地震発生の前に数値の顕著な変化があったことを報告している。

関連サイト:
兵庫県南部地震前に大気中ラドンの濃度変動を観測 臨界現象数理モデルへ適用し地震予知に活用も - 独立行政法人 放射線医学総合研究所