新語時事用語辞典とは?

2011年11月3日木曜日

ラチェット規定

読み方:ラチェットきてい

特定の一方向へむけた変更のみ許容され、逆行する方向への変更は認められない、という内容の規定。

ラチェット(ratchet)は「つめ車」とも訳される語で、つめが引っかかることで逆回転を防止する構造になっている装置を指す。経済連携協定(EPA)などにおいては、自由化や解放に結びつく法改正は認められるが、規制の強化に結びつく改正は認められない、ということになる。

2011年11月現在、TPP(環太平洋経済協定)への参加の是非を巡り議論されている中で、ラチェット規定は「TPP亡国論」を著した中野剛志・京都大学准教授などにより広く紹介され、注目を集めている。著書「TPP亡国論」では、米韓FTAに盛り込まれたラチェット規定を引き合いに出しながら、TPP参加のデメリットを説いている。

関連サイト:
米国丸儲けの米韓FTAからなぜ日本は学ばないのか - ダイヤモンド・オンライン

テルル129m

別名:129mTe
英語:tellurium 129m

テルルの放射性同位体の一種。半減期はおよそ33日。

2011年11月1日に文部科学省が発表した「放射線量等分布マップ」は、放射性銀(放射性の銀)とテルル129mに関する、土壌の放射線濃度の状況を示したものである。

グルジア紛争

別名:南オセチア紛争

グルジアの南オセチア区域を巡る、グルジアとロシアとの間の紛争。2008年に勃発し、2011年11月現在も続いている。

グルジアは旧ソ連から分離独立した国家のひとつである。地理的に西アジアと東ヨーロッパの境にあり、古くから交通の要所として、多くの民族が行き来していた背景がある。

グルジアの中でも特に「アブハジア」や「南オセチア」といった地域は、歴史的にも自治が進んでおり、半ば独立して存続してきた。アブハジアと南オセチアは旧ソ連体勢下では自治州であったが、グルジアが1991年にソ連からの独立を果たした後に再び併合され、民族問題が表面化し、独立を巡って議論・論争が繰り広げられることとなった。

2008年8月、グルジアは半ば独自していた南オセチアに侵攻、攻撃を開始した。これを受け、南オセチアを支援する形でロシア軍が出動し、グルジアの攻撃に対して応戦している。また、ロシアは南オセチアとアブハジアを独立国として承認することを表明している。以来、ロシアとグルジアの間では緊張関係が続いている。

局所的な臨界

読み方:きょくしょてきなりんかい

核分裂反応が連鎖的に発生する「臨界」が、原子炉内の核燃料の一部などにおいて発生すること。

2011年11月2日、東京電力福島第一原子力発電所の原子炉2号機の中で放射性キセノンが検出された。放射性キセノンは半減期が短く、震災直後に発生したものではあり得ないことから、炉内で現在局所的な臨界が発生している可能性もあると見られている。

経済産業省の原子力安全・保安院は、11月2日に行われた記者会見で、放射性キセノンの検出の原因としては「局所的な臨界」と「自発核分裂」のどちらの可能性もあると述べている。

キセノン135

別名:Xe-135
英語:Xenon 135

キセノンの放射性同位体の一種。半減期が9時間程度と短い。同じく放射性キセノンであるキセノン133の半減期は約5日である。

2011年11月2日に東京電力福島第一原子力発電所の原子炉2号機から、極微量のキセノン133、およびキセノン135が検出された。このため、2号機の内部では現在でも核分裂反応が行われていると見られている。部分的に再臨界が発生している可能性も考えられるという。

原子力安全・保安院は、11月2日に会見を開き、再臨界の可能性と、「自発核分裂」の可能性の両方に言及している。

放射性キセノン

読み方:ほうしゃせいキセノン

キセノンの放射性同位体。キセノン133、キセノン135などがある。半減期はキセノン133が約5日、キセノン135が約9時間である。

2011年11月2日に、東京電力福島第一原子力発電所の原子炉2号機において微量のキセノン133およびキセノン135が検出された。半減期が9時間と非常に短いことから、非常に最近のうちに核分裂反応が発生したものと見られている。なお、検出された量は10万分の1ベクレルで、ほぼ検出できるぎりぎりの量である。

原子炉からの放射性キセノンの検出により、原子炉の一部で再臨界が発生している可能性も考えられると指摘されている。福島第一原発では原発事故の収束に向けて、炉内の冷却作業が続けられている。