新語時事用語辞典とは?

2011年11月8日火曜日

近赤外光

読み方:きんせきがいこう
別名:近赤外線

波長が比較的短い赤外光。「近赤外線」とも呼ばれることも多い。

赤外光は、可視光と電波の中間に位置する波長を持つ光を指し、近赤外、中赤外、遠赤外に分類される。このうち近赤外光の波長は約7~25ナノメートル(0.7~2.5マイクロメートル)程度である。

2011年11月7日、アメリカ国立衛生研究所は、7ナノメートルの近赤外光を使用してがん細胞を破壊する動物実験を行い、成功したと発表した。

実験では、近赤外光に反応して発熱する物質をつけたがん抗体を、がんを移植されたマウスに投与し、体外からがん細胞に向けて近赤外光を照射する方式で治療を行ったところ、熱によってがん細胞を破壊することができたという。

関連サイト:
Cancer cell–selective in vivo near infrared photoimmunotherapy targeting specific membrane molecules - Nature Medicine (英語)

東日本大震災復興対策本部

読み方:ひがしにほんだいしんさいふっこうたいさくほんぶ

東日本大震災における震災復興を目的として内閣に設置された機関。「東日本大震災復興対策基本法」を根拠とする。内閣総理大臣が本部長を務める。

東日本大震災復興対策本部では、主に震災復興に関する基本方針の企画・立案、復興計画のとりまとめ、地方公共団体による復興事業の支援、などを行っている。また、記者会見における発表内容や被災者支援の状況の公開も行っている。

関連サイト:
東日本大震災復興対策本部

浮体式洋上風力発電所

読み方:ふたいしきようじょうはつでんしょ
別名:浮体式洋上ウィンドファーム
別名:浮体式洋上風力発電施設

海上に浮体を設置し、その浮体の上に風力発電の発電機を置いたタイプの大規模風力発電施設。

海の上に建設される風力発電所(洋上風力発電所)の方式には、海底に基礎を据え付けて設置する方式、高さのある台を設置して底上げした上で設置する方式、および、浮体を使用して完全に浮かせる方式などがある。

浮体式洋上風力発電所は北欧などで既に普及が進んでいるが、その多くは海底に据えつけられて建てられている。2013年11月現在、ノルウェーの北海に浮かぶ「Hywind」が、世界初の浮体式洋上ウィンドファームとして唯一実用に供されている。
2011年に、日本政府が震災および原発事故からの復興政策の一環として、福島県沖に洋上ウィンドファームを建設する計画を提案した。その後、11機関が参加する「福島洋上風力コンソーシアム」が設立され、2013年11月に浮体式洋上風力発電設備「ふくしま未来」が運転を開始している。

関連サイト:
原子力災害からの再生・復興について(案)(PDF) - 東日本大震災復興対策本部

循環取引

読み方:じゅんかんとりひき
英語:round-trip transaction
英語:round-tripping

企業間取引において、実際には商品を移動しないで伝票だけが行き交う取引のこと。

循環取引は、実態を伴わない架空取引の1つである。

循環取引は主に、売上高の水増しや、短期の資金調達などを目的に行われることが多い。

なお、循環取引により、粉飾決算が行われたと見なされた場合には、商法や会社法に抵触し刑事責任や民事責任に問われることがある。

監理銘柄

読み方:かんりめいがら
別名:監理ポスト

東京証券取引所(東証)や大阪証券取引所(大証)などの証券取引所が、上場廃止基準に該当する恐れがあると判断した銘柄を集めた1つの区分のこと。過去には「監理ポスト」と呼ばれていた。

証券取引所では、有価証券報告書等に虚偽の記載を行うなどの犯罪性の高い銘柄を「監理銘柄(審査中)」とし、株主数や浮動株式数などの上場廃止基準に抵触する銘柄を「監理銘柄(確認中)」としている。

ちなみに上場廃止が決まると「整理銘柄」へ移される。

関連サイト:
東京証券取引所(東証)
大阪証券取引所(大証)

継続企業の前提

読み方:けいぞくきぎょうのぜんてい
別名:ゴーイングコンサーン
英語:going concern

会社が将来にわたって事業を継続することを前提とする考え方。

日本においては、2003年より「継続企業の前提」に関する検討が義務付けられている。検討する者は経営者と公認会計士、監査法人などの監査人の2者である。

「継続企業の前提」に関する検討内容には、債務超過や債務返済などが挙げられる。なお、検討内容に疑義が生じた場合には経営者は、財務諸表などに記載するとともに改善計画を策定し、監査人に説明しなければならない。

損失計上先送り

読み方:そんしつけいじょうさきおくり

損失額の会計帳簿への記入を先に延ばすこと。

日本においては、「損失計上先送り」により粉飾決算が行われたと見なされた場合には、商法や会社法に抵触し刑事責任や民事責任に問われることがある。

2011年11月8日、オリンパスは、1990年代頃から有価証券投資にかかる「損失計上先送り」を行っていたと発表した。オリンパスによれば、「損失計上先送り」による有価証券投資の含み損を、買収資金で賄っていたという。

関連サイト:
過去の損失計上先送りに関するお知らせ - オリンパス(PDF)

投資有価証券

読み方:とうしゆうかしょうけん
英語:investment account securities
英語:investment securities
英語:security investment
英語:investment in securities

売買目的有価証券や1年以内に満期を迎える債券、子会社や関連会社以外の有価証券のこと。

投資有価証券は、貸借対照表では固定資産の部の「投資その他の資産」に分類される。

投資有価証券は、会計上では時価評価の適用対象となるが、法人税法上では評価損益は損金や益金に算入されない。

洋上風力発電

読み方:ようじょうふうりょくはつでん

風力発電のうち、海上に建設し、海面に吹く風を受けて発電する方式。洋上風力発電の比較的大規模な発電施設は「洋上ウィンドファーム」などと呼ばれる。

洋上風力発電は、陸上に発電機を設置する場合に比べて、強く安定した風を得やすい、また、陸上ほど土地が限られていないため、大規模なウィンドファームを建設できる、といった利点がある。北欧などでは既に大規模な洋上ウィンドファームが建設され、電力源として稼動している。

洋上ウィンドファームの設置方式としては、海底に据え付ける方式、海底に土台を設置して据え付ける底上げ方式、および、浮体に乗せて浮かべる方式などがある。北欧で実現されている洋上ウィンドファームは、浅瀬に据え付ける方式であり、浮体式の洋上ウィンドファームは、2011年11月現在、実証実験の段階にある。

経済産業省は、2011年3月の震災および原発事故で被災した福島県を中心とする東北地方の復興計画の一環として、洋上風力発電システムの建設計画を提案している。立地は福島県沖の洋上で、発電機は福岡市と九州大学が実証実験をしている「風レンズ風車」を採用することが想定されている。

関連サイト:
原子力災害からの再生・復興について(案)(PDF) - 東日本大震災復興対策本部
東北復興構想提案(PDF) - 内閣官房

マリコン

別名:マリンコンストラクター
別名:マリンゼネコン
別名:海洋土木工事業者
別名:海上土木工事業者
別名:海洋建設業者
英語:marine constructor

海岸、港湾や海底などの海洋土木に特化した総合工事業者(いわゆる「ゼネコン」)。

マリコンは、浚渫や埋立て工事、港湾建設・修復、湾岸の護岸工事、海底の地盤改良、人工島の建設などのような、海上で行われる土木工事全般を請け負う。陸上での土木事業を請け負う場合もある。

海洋土木にはクレーンを搭載した起重機船、土砂輸送船、深層混合処理船、海底トンネルに使用する函体などを運搬する台船、といった大型の専門船が多数必要となる。そのため参入は比較的難しいとされる。

マリコンを含む海上土木の業界団体として社団法人日本埋立浚渫協会がある。

関連サイト:
社団法人日本埋立浚渫協会