新語時事用語辞典とは?

2011年11月9日水曜日

TPP推進派

読み方:ティーピーピーすいしんは

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加について積極的な立場を取る者。

TPPへの参加を急ぐべきではない、という早期参加への消極的見解を表明する立場は、「TPP慎重派」と呼ばれる。

TPP推進派の政治家の代表的な人物には、前原誠司・政調会長、仙谷由人・政調会長代行などがある。前原誠司・前外務大臣は、2010年10月に記者会見の席で「扉が閉まりかけている」「政治的な先送り論というのは許されない」といった趣旨の発言をしている。

関連サイト:
TPP:「扉が閉まりかけている。」「ルールメイクをともにするのであれば,政治的な先送りは許されない。」 - 外務省 大臣記者会見 2010年10月26日

TPP慎重派

読み方:ティーピーピーしんちょうは

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加について、慎重を期して十分に判断するべきであり、早急に参加の決断を下すべきではない、という立場を取る者。

TPPへ積極的に参加するべきだとの見解を表明する立場は、主に「TPP推進派」などと呼ばれる。

TPP慎重派の政治家の代表的な人物としては、「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦・前農林水産大臣を筆頭に、亀井静香・国民新党代表、大島理森・自民党副総裁、中川俊男・日本医師会副会長などを挙げることができる。

政府調達

読み方:せいふちょうたつ

政府が行政のために物品やサービス、あるいは建設工事などを調達すること。

1996年に多国間協定として「政府調達に関する協定」(政府調達協定)が締結されており、政府調達の額がある基準を超える場合には国内企業と国外企業との間で待遇の差を設けないこと、差別しないことが規定されている。

2011年11月9日現在、TPPへの参加の是非を巡って議論されているが、もしTPPへ参加する場合には、調達額に関わらず、海外企業と海外企業の区別は全く設けられなくなる。外国の政府調達への参入は容易になり、また、海外企業も日本政府の政府調達へ参入してくることになる。

関連サイト:
政府調達 - 外務省

混合診療

読み方:こんごうしんりょう

健康保険の対象となる「保険診療」と併せて、保険適用範囲外で自己負担となる医療サービスを併用すること。

日本では、平等な医療サービスを提供するため、混合診療を原則として禁止している。例外的に、入院時の個室ベッド利用などの付加価値に対して支払う「差額ベッド」や、保険診療の適用されていない高度先進医療を受ける場合などに限り、併用が認められている。こうした認められている範囲を超えて混合診療を行った場合には、全面的に自由診療を行ったと見なされ、患者は全額を保険非適用で支払う必要があることになっている。

2004年に混合診療の可能な範囲が一部拡大された。その後も全面解禁を望む声が上がっているが、2010年12月現在も混合診療の全面的な解禁には至っていない。なお、日本医師会では保険診療サービスの平等な提供という観点から混合診療の全面解禁に反対している。

2011年11月現在、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の参加の是非をめぐり国内で激しく議論されているが、TPPへ参加する場合には、混合診療の全面解禁が議論の対象となる可能性がある。

関連サイト:
混合診療ってなに?~混合診療の意味するものと危険性~ - 日本医師会
混合診療ってなに?:日本医師会はこう考えています - 日本医師会

ヨーロッパ加圧水型原子炉

読み方:ヨーロッパかあつすいがたげんしろ
別名:欧州加圧水型原子炉
別名:ヨーロッパ型加圧水型炉
英語:European Pressurized Reactor
英語:EPR

フランスとドイツが共同開発した新世代の加圧水型原子炉。定格出力は約160万キロワットで、例えば福島第一原発2号機と比較すると約2倍の規模である。2011年現在、世界最大級の出力を持つ方式である。

ヨーロッパ加圧水型原子炉は、高出力である点の他に、過酷事故が発生した際の安全性の確保が設計上に反映されている点などが特徴となっている。

ヨーロッパ加圧水型原子炉の導入をはじめて開始したのはフィンランドのオルキルオト原子力発電所である。3号機の原子炉として2005年に着工されている。2007年にはフランスのフラマンビル原子力発電所3号機、2009年には中国の台山原子力発電所でも工事が開始されている。

オルキルオト原子力発電所では、当初3年の工期が見積もられていたが、工事は度々延期されている。本式の稼動開始は2014年頃になるものと見られている。

ピーフォン

別名:Pフォン
別名:Police-Phone

警視庁の地域課員に配備されている専用のカメラ付き携帯電話。2009年に導入されている。

ピーフォンは、警察無線の代用として連絡を取り合う用途の他、指令センターから110番情報をメールで受信して概要を確認したり、現場の地図情報を確認したり、容疑者の写真を撮影して他の署員へ一斉配信したり、といった用途に用いられる。複数人の同時通話により連携を取り合ったり、GPSを通じて指令センターが署員の現在位置を把握したりすることも可能となっている。

2011年11月8日、東京都東大和市で、振り込め詐欺で女性をだまそうとした容疑者の写真を、女性の夫が撮影し、現場に駆けつけた警察官がピーフォンで撮影して他の署員に配信したことで、他の職員により容疑者が発見、逮捕に繋がったことが分り、各紙で紹介されている。