新語時事用語辞典とは?

2011年12月12日月曜日

給与所得控除

読み方:きゅうよしょとくこうじょ

給与所得から所得税を算出する際に、所得税法により定められた計算方法に従い、金額を差し引くこと。

給与所得控除では、給与からあらかじめ給与所得控除額を差し引いた上で所得税額を計算するため、所得控除の額が大きければ大きいほど、徴収される金額は少なくて済む。

2011年12月現在の給与所得控除の仕組みでは、給与所得控除額は所得に応じて無制限に増加する。これについて、2011年の税制改正案では、1500万円以上の高額所得額に対し控除額を制限する「高額所得者控除」案が検討された。

高額所得者控除は、2011年度内には可決されず、翌年に持ち越されることとなった。

関連サイト:
給与所得控除とは - 国税庁
給与所得控除後の給与等の金額の表 - 国税庁

治安紊乱

読み方:ちあんびんらん
別名:治安紊乱行為
別名:ディスオーダリーコンダクト
英語:disorderly conduct

社会の秩序・風紀を乱す行為のこと。特に、米国における罪「disorderly conduct」の訳語として用いられる。

米国における治安紊乱は、日本のいわゆる軽犯罪に該当する。公衆の場における迷惑行為、治安を乱す行為、不道徳な行為などが対象とされる。米国の多くの地域(管轄区)で罪として規定されている。

米国社会において風紀を逸脱した行為に対して適用される。2011年12月には、会社を休む正当な理由付けのために、存命の母親の訃報を新聞に掲載させたことで、ペンシルバニア州在住の男性が逮捕されている。

関連サイト:
Utah Criminal Code Chapter 9 - Section 102: Disorderly conduct. - ユタ州刑法における治安紊乱の規定

クレジット・ウォッチ・ポジティブ

別名:クレジット・ウオッチ・ポジティブ
別名:CWポジティブ
英語:CW positive
英語:credit watch positive

信用格付け会社が、発行体や債券の格付けを引き上げる方向で見直すこと。

クレジットウォッチ・ポジティブに指定された発行体や債券の格付けは、数ヶ月以内に格上げされることが多い。

ちなみに、クレジット・ウォッチ・ポジティブに対して、格付けを引き下げる方向で見直すことを、クレジット・ウォッチ・ネガティブという。

クリスマス相場

読み方:クリスマスそうば

12月中旬頃からクリスマス頃までの期間の相場のこと。

クリスマス休みで市場に参加しない投資家は、クリスマスに向けて手持ちポジションを手仕舞う傾向にある。その理由は、クリスマス休みの時に大きな事件が起きたり、重要な経済指標が発表されたりした場合、クリスマス休み明けの取引き値が休み前の終値よりも大きく乖離して始まり、損失が生じる可能性があるからである。そのために投資家は、クリスマス相場にポジションを整理する傾向にある。

クリスマス相場では、出来高が他の日よりも少なく閑散相場になることが多い。そのため、大きな材料が出ると値動きが激しくなりやすい。

年金債

読み方:ねんきんさい

基礎年金の国庫負担分を賄うために発行する国債のこと。

日本政府は、2011年度の国庫負担分のうち、不足している2.5兆円をいわゆる埋蔵金で賄ったが、2012年度にも同額の不足額が生じることになっている。財務省によれば、2011年度の国庫負担分はギリギリ確保したが、2012年度以降、臨時財源頼りの対応を繰り返すことは困難としている。

そのため、将来の消費増税による税収で返済することを前提とした年金債の発行が有力視されている。

なお、年金債は赤字国債であり、つなぎ国債でもある。

関連サイト:
23年度予算のポイント - 財務省(PDF)

RQ-170

別名:RQ-170 Sentinel
別名:RQ-170センチネル

米国空軍が運用している無人偵察機。ロッキード・マーチンと米空軍により共同開発された。いわゆるステルス機に多く見られる全翼機の形状をしている。2009年に公式に存在が発表された。

2011年12月、イラン軍がイランとアフガニスタンの国境、上空約250キロメートルを飛行していたRQ-170を強制着陸させたと報道し、その機体を放映したことで話題となった。機体は外見上ほぼ無傷で、米空軍の軍事機密の流出のおそれがあるともいわれている。

欧州安定メカニズム

読み方:おうしゅうあんていメカニズム
英語:European Stability Mechanism
英語:ESM

ユーロ圏の恒久的な危機対応機関の名称。欧州版のIMF。

欧州安定メカニズムは、財政危機に陥ったユーロ圏を支援することを目的として、2013年7月に設立が予定されている。

欧州安定メカニズムは、欧州中央銀行(ECB)が管轄する。ただし、2011年12月に行われたEUサミットでは、欧州安定メカニズムへの銀行免許付与を行わないことが確認されている。

なお、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)は、ESMへ移管される予定になっている。

ほどよし信頼性工学

読み方:ほどよししんらいせいこうがく

商用の超小型衛星に関する設計思想で、設計信頼度をとことん追究するよりも、むしろ性能・信頼性・コストのバランスがほどよくつりあうことを重視するという考え方。東京大学大学院・中須賀研究室を中心として提唱されている。

ほどよし信頼性工学の考え方は、つまり「ほどほどに手を抜く」ことであると言える。大型衛星は100パーセントの信頼性が求められるとしても、超小型衛星は信頼性の追究よりもコストとのバランスを重視すべきとされる。

関連サイト:
超小型衛星センター - 東京大学

グローバル・ソブリン・オープン

別名:グロソブ
英語:Global Sovereign Open

世界主要先進国のうち、信用力の高い国のソブリン債を主要投資対象とした国際分散投資を行う投資信託の名称。グロソブと呼ばれている。

グローバル・ソブリン・オープンは国際投信投資顧問の発行する日本国内最大級の公募投信である。

グローバル・ソブリン・オープンの特徴は、信用力の高い国のソブリン債券を主要投資対象としているため、安定的に利子の収入が見込めること、また、安定した分配金が見込めることなどが挙げられる。分配金は、国際投信投資顧問によれば、1998年1月以降、毎月35円から60円が支払われている。

グローバル・ソブリン・オープンは、国際情勢の変化により、保有ソブリン債の割合を調整している。グローバル・ソブリン・オープンは、2009年から続いている欧州金融危機の対応策として2011年11月に、イタリアやベルギー、スペインなどの国債を売却している。


関連サイト:
国際投信投資顧問

情報収集衛星

読み方:じょうほうしゅうしゅうえいせい

地球周回軌道から地上を観測し、情報収集を行う人工衛星。


情報収集の主な目的として防衛・安全保障上の目的がある。そのため、情報収集衛星は「事実上の偵察衛星」と呼ばれる。いわゆる偵察の他にも、大規模災害の発生時に被災地の状況を確認する用途などが想定されている。

情報収集衛星には「光学衛星」と「レーダー衛星」の2種が主に使用されている。それぞれ観測方式が異なり、相互に補完する位置づけとなっている。

日本政府は2011年に「光学4号機」を、同年12月に「レーダー3号機」を打ち上げ、共に成功した。これによって昼夜の安全保障上の情報収集を促進することが期待される。

レーダー衛星

読み方:レーダーえいせい
英語:radar satellite
英語:radarsat

地上の情報を収集する目的で運用される「情報収集衛星」のうち、レーダーを使用して情報収集を行う衛星。

レーダー衛星は電磁波の反射を使用して測位を行う。このため、曇天や夜間でも計測が行えるという特徴がある。

情報収集衛星には、レーダー衛星の他に、光学センサーによって測位を行う「光学衛星」がある。光学衛星は昼の地上観測に適しており、レーダー衛星と併用して相互補完させて運用されることが多い。

2011年12月12日に、日本はレーダー衛星「レーダー3号機」の打ち上げを実施、成功させた。2011年9月には光学衛星「光学4号機」が打ち上げられている。これらの衛星は災害時や安全保障上の情報収集を目的として運用される。

なお、レーダー3号機の打ち上げの成功により、打ち上げに使用した「H-IIAロケット」は連続14回の打ち上げ成功を達成、打ち上げ総数20回・成功率95パーセントという「商用ロケットの信頼性の目安」をクリアしたという。