新語時事用語辞典とは?

2012年1月16日月曜日

ノロウィルス

別名:ノロウイルス
英語:norovirus

感染性胃腸炎の原因となるウィルス。感染すると激しい腹痛と共に嘔吐・下痢の症状を引き起こす。下痢便や吐瀉物が乾燥して微量の塵となり、空気中に飛散することで、空気感染する。

ノロウィルスに罹患すると急激な下痢・嘔吐に襲われ、2日前後続くが、その後は回復に向かう。普通は後遺症も残らない。長期間の激しい下痢によって脱水症状に陥ったり、体力を消耗したりする場合があるため注意が必要となる。

ノロウィルスは、特別な治療を行わなくても回復するが、他方で効果的な抗ウィルス薬も発見されていない。

ノロウィルスと同様に感染性の胃腸炎を引き起こすウィルスをとして、ロタウィルスも知られている。

関連サイト:
ノロウイルスに関するQ&A - 厚生労働省
ノロウイルス感染症 - 愛媛県立衛生環境研究所

小澤の不等式

読み方:おざわのふとうしき
別名:小沢の不等式

小澤正直・名古屋大学大学院教授が2003年に提唱した、不確定性原理を修正する式。量子力学の基本原理として広く知られるハイゼンベルクの「不確定性原理」が成立しない場合があることを示唆するもの。

ハイゼンベルクの不確定性原理は、簡略に述べてしまえば、量子力学の世界では観測する行為によって観測対象の運動や位置に影響を与えてしまうため、観測前の状態を正確に測定することはできない、というものである。この理論は量子力学の基礎として広く認められ、全く誤差のない測定は原理的に不可能であるという一般的認識として受け入れられていると言える。

小澤の不等式は、ハイゼンベルクが示した式の中に「測定誤差や測定による対象への影響」と、測定対象そのものが持つ「量子ゆらぎ」の混同があるという指摘を土台として、両者を厳密に区別するための項を補った式である。

2012年1月15日に「Nature Physics」電子版に掲載された実験結果では、ハイゼンベルクの不確定性原理が破れ、小澤の不等式が正当であることが示された。

関連サイト:
Experimental demonstration of a universally valid error–disturbance uncertainty relation in spin measurements - Nature Physics
ハイゼンベルクの不確定性原理を破った!小澤の不等式を実験実証 - 日経サイエンス 2012年1月16日

フェッセンハイム原発

別名:フェッセンハイム原子力発電所
英語:Fessenheim Nuclear Power Plant

フランス・アルザス地方に所在する原子力発電所。フランス内で最も古くから稼動している「フェッセンハイム1号機」がある。

フェッセンハイム原発では2基の加圧水型原子炉(PWR)が稼動している。1号機は1977年から稼動を開始しており、2012年1月時点で既に34年が経過している。

2011年3月に、日本の東京電力福島第一原子力発電所で原発事故が発生して以来、フェッセンハイム原発では近隣住民による閉鎖を求めるデモがたびたび行われている。

関連サイト:
仏フェッセンハイム原発で5千人が反対集会 - ロイター 2011年6月27日

新興株

読み方:しんこうかぶ

株式市場に比較的に新しく上場した銘柄の株式のこと。

新興株の特徴として、比較的に他の株式よりも1単元の投資金額が少ないことや、株式分割をする頻度が高いことなどが挙げられる。

新興株の銘柄は、東京証券取引所(東証)のマザーズや大阪証券取引所(大証)のジャスダックに上場していることが多い。

新興株は、株式市場に上場してからおよそ10年未満の銘柄の株式を指す場合が多い。ただし、上場の年数が規定されているわけではない。

関連サイト:
東京証券取引所(東証)
大阪証券取引所(大証)

伊勢原断層

読み方:いせはらだんそう

神奈川県の中部~中南部、南北約21キロメートルにわたって存在する活断層。およそ5000年前後の周期で活動していると見られている。

伊勢原断層の全体が地震活動を行った場合、マグニチュード7.0規模の地震が生じる可能性が指摘されている。伊勢原断層は直下型地震を起こすといわれており、もし地震が発生すれば、断層周辺には壊滅的な被害が生じ、都心部でも大きな揺れに襲われる可能性が高いという。

なお、2012年1月16日時点で、文部科学省の地震調査研究推進本部が発表している地震発生確率は「30年以内に、ほぼ0%~0.003%」となっている。

関連サイト:
伊勢原断層 - 地震調査研究推進本部
伊勢原断層の長期評価について - 地震調査研究推進本部 2004年

武器輸出三原則

読み方:ぶきゆしゅつさんげんそく
別名:武器三原則
別名:武器輸出3原則

日本が海外への武器輸出に関して禁止事項としている3つの原則。法的な根拠に基づく原則ではない。

武器輸出三原則は次の3点で構成されている、すなわち、(1)共産圏諸国への武器輸出を禁じ、(2)国際連合決議によって武器輸出が禁止されている国への武器輸出を禁じ、(3)国際紛争の当事国であるか、当事国となるおそれがある国への武器輸出を禁じる、の3点である。

武器輸出三原則は、1967年に、当時内閣総理大臣を務めた佐藤栄作により方針として表明された。時代によって緩和や例外設定、解釈のし直しも行われている。例えば1976年には、三原則の規定する地域外への武器輸出も慎むこと、武器製造に関する装置も武器に準じた扱いをすること、といった方針が追加されている。

関連サイト:
武器輸出三原則 - 国立国会図書館 ISSUE BRIEF
「防衛装備品等の海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話 - 首相官邸 2011年12月27日

国際戦略総合特区

読み方:こくさいせんりゃくそうごうとっく

日本の成長する産業を中心に、国際レベルで競争の優位性を持ちうると日本政府が判断した地域のこと。2010年10月に閣議決定した総合特区制度に基づいて決定される。

国際戦略総合特区に指定された地域に対して日本政府は、特例措置などの施策を推進するとともに、金銭的な支援を行う。

日本政府は2011年12月22日、東京都や神奈川県、横浜市、茨城県、つくば市、大阪府、大阪市、京都府、京都市、愛知県、名古屋市、福岡県、北九州市、北海道、札幌市など7つの区域を国際戦略総合特区とした。

関連サイト:
総合特別区域の第一次指定対象区域 - 首相官邸(PDF)

PKO参加五原則

読み方:ピーケーオーさんかごげんそく
別名:PKO参加5原則

日本が国連平和維持活動(PKO)に参加する際の条件としている5つの基本方針。

PKO参加五原則の具体的内容は、(1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること、(2)活動隊が活動する地域を含む紛争当事者が、日本のPKO参加に同意していること、(3)活動隊があくまで中立的立場を厳守すること、(4)以上の条件いずれかが満たされない状況が生じた場合に、日本からの部隊を撤収させることができること、そして(5)武器の使用に関しては、必要な最小限のものに限られること、の計5つである。

上記のうち5番目の「武器の使用基準」に関しては、用途が「要員の生命等の防護のために必要な最小限」と規定されている。

2012年1月13日に野田改造内閣の防衛大臣に就任した田中直紀(たなかなおき)参議院議員は、1月15日にテレビの討論番組に出演したが、そこで「PKO参加五原則における武器の使用」と「武器輸出三原則」を混同した発言をしたことにより、新聞各紙で「認識不足」と報じられている。

1月15日のテレビの討論番組では、田中直紀防衛大臣にPKO参加五原則における武器の使用基準に関して質問したが、その際に大臣は「建設道具は、その国に置いて来れるようする」といった趣旨の、武器輸出三原則の内容となる返答を行った。

関連サイト:
武器三原則と使用基準混同=田中防衛相が認識不足 - 時事ドットコム 2012年1月15日

織り込み済み

読み方:おりこみずみ
別名:織込み済み

外国為替証拠金取引(FX)市場や株式市場、商品先物市場などにおいて、好材料、あるいは、悪材料が出現しても相場に反映済みであること。

織り込み済みの場合、相場が大きく変動することはない。

一般的に金融相場や株式相場は、相場を動かす要因に先行して推移することが多い。そのため、経済指標や企業の決算発表などのイベントが発生した時には、すでに相場に反映されていることが多い。

馬英九

読み方:マーインチウ
読み方:マーインジウ
読み方:ばえいきゅう
英語:Ma Ying-jeou

中華民国第12代総統。香港生まれ、ハーバード大学大学院卒。中国国民党主席。2008年に総統に就任。

政治姿勢としては親中派と言われる。台湾海峡を挟んだ政治的緊張関係を和らげ、「三通」を実現するなど、中国との歩み寄りを推進した実績を持つ。日本に対しては反日派とされる。

2011年9月現在、台湾では2012年1月に行われる台湾総統選挙を控えて出馬候補の選挙争いが始まっている。馬英九は再選を目指し、対抗馬としては台湾初の女性総統を目指す蔡英文・民進党主席が立候補を表明している。

2012年1月14日、台湾総統選挙の投票が、翌日に開票が行われた。馬英九の得票数は約689万票で、蔡英文に約80万票の差をつけて勝利し、再選を果たした。

関連サイト:中国国民党ウェブサイト (日本語)

学校選択制

読み方:がっこうせんたくせい

市町村教育委員会が、保護者の意見を踏まえて就学すべき学校を指定する制度のこと。学校教育法施行規則により規定されている。

学校選択制には、当該市町村内の全ての学校のうち、希望する学校に就学を認める「自由選択制」、当該市町村内をブロックに分け、そのブロック内の希望する学校に就学を認める「ブロック選択制」、従来の通学区域は残したままで、隣接する区域内の希望する学校に就学を認める「隣接区域選択制」、従来の通学区域は残したままで、特定の学校について、通学区域に関係なく、当該市町村内のどこからでも就学を認める「特認校制」、従来の通学区域は残したままで、特定の地域に居住する者について、学校選択を認める「特定地域選択制」などがある。

なお、橋下徹・大阪市長は2012年1月11日、学校選択制を早ければ2014年度に導入する意向を表明した。

関連サイト:
学校教育法施行規則
大阪市

AAA

読み方:エーエーエー
別名:トリプルエー
別名:トリプルA
英語:triple A

格付け機関が債券などの発行体に対する信用度を表すために付与する記号のこと。信用格付けの1つ。

信用格付けはおよそ20段階に分類され、「AAA」が最も信用度の高い格付けである。

2012年1月現在、信用格付け会社の1つであるスタンダード&プアーズがAAAを付与しているソブリン債の発行国は、オーストラリアやカナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグなどである。なお、2012年1月13日、スタンダード&プアーズはフランスのソブリン債に対する格付けをAAAからAA+へ引き下げている。

ちなみにスタンダード&プアーズでは、日本のソブリン債を2000年以降AAAとしていたが、2001年2月にAA+へ格下げし2012年1月現在ではAA-を付与している。

関連サイト:
Sovereigns Ratings List - Standard & Poor's(S&P)(英語)

フォボス・グルント

別名:フォボス・ソイル
英語:Phobos-Grunt

ロシア宇宙軍によって2011年11月に打ち上げられた火星探査機。火星の衛星・フォボスの土を採取して地球に帰還することを主要なミッションとしていた。

フォボス・グルントは2011年11月9日にカザフスタンから打ち上げられた。しかし予定の軌道に乗ることはできず、軌道修正にも失敗し、地球を周回している状態に陥った。

フォボス・グルントはその後わずかずつ高度を下げ、地球へ落下する可能性が高まっていると指摘された。2012年1月6日の時点では、おおむね1月15日から16日頃に落下するものと予測された。

日本時間の2012年1月16日午前2時頃に、フォボス・グルントの破片が、チリ西部約1200キロ沖合いの太平洋上に落下した。

関連サイト:
フォボス・ソイル計画/蛍火1号 - 月探査情報ステーション