新語時事用語辞典とは?

2012年2月17日金曜日

物価安定のめど

読み方:ぶっかあんていのめど
別名:物価安定の目途

日本銀行が金融政策を実施するに当たって目標とする物価上昇率の水準。

物価安定のめどは、2012年2月17日付の白川方明・日本銀行総裁による講演において言及された。講演では、物価安定のめどの意味・定義として、「中長期的に持続可能な物価の安定と整合的と判断できる状態を物価上昇率の数字で示したもの」である、と説明されている。

物価安定のめどとして設定される具体的な値は、「当面は1%」とされた。また、物価安定の領域は「前年比2%未満のプラス(上昇)」の範囲内であるとも言及されている。

関連サイト:
デフレ脱却へ向けた日本銀行の取り組み 2012年2月17日講演 - 日本銀行

ラクトフェリン

英語:lactoferrin

タンパク質の一種で、抗菌・抗酸化作用などを持つとされる物質。乳汁、あるいは牛乳などに含まれる。

ラクトフェリンは白血球の活性化による免疫力向上をはじめさまざまな効果があるとされ、廉価で副作用も少ないため気軽に摂取できるという利点がある。

財団法人放射線影響協会に所属する西村義一研究員を代表幹事として2011年に発足した「機能性物質による被ばく低減化研究会」では、このラクトフェリンは放射線被曝の健康被害を低減する目的にも有効である可能性がある、としている。

関連サイト:
機能性物質による被ばく低減化研究会

天のつぶ

読み方:てんのつぶ
別名:福島9号

福島県農業総合センターで品種改良が行われた水稲の品種。

天のつぶは「ひとめぼれ」の流れを汲む品種とされる。草丈が短く倒れにくい、いもち病の病害に強い、米粒の大きさが均一で未熟な粒が少ない、などの特徴があるという。

天のつぶの開発は、1995年の試験交配に始まった。2009年に試験育成が完了し、2011年11月に初出荷分の米が販売された。

関連サイト:
水稲新品種の品種登録出願のお知らせ - 福島県農業振興課
「天のつぶ(福島9号)」のプロフィール(PDF形式 43KB) - 福島県

クラブハーモニー号

別名:クラブハーモニー

韓国のハーモニークルーズが運行するクルーズ客船。2012年2月に就航した。韓国・釜山と長崎・鹿児島・福岡との間をおよそ4泊5日で周遊する。

船体はイタリアから引き受けたもので、全長176メートル・26000トン。韓国国籍では初の国際クルーズ船である。

2012年2月17日、長崎港にクラブハーモニー号が初めて入港し、長崎県などにより初入港を祝う催しが行われた。

関連サイト:
韓国のクルーズ客船「クラブ・ハーモニー」寄港 - 福岡市

ブータンシボリアゲハ

英語:Ludlow's Bhutan Swallowtail

ブータンに生息する蝶の一種。羽に3つの尾を持ち、また羽の一部が鮮やかな緋色をしている。

ブータンシボリアゲハは、1930年代にイギリス人の探検家により発見され、標本が採集されているが、以降2010年代にいたるまで一切の目撃例がなかった。そのため「幻の蝶」の異名を持つ。

2011年に日本蝶類学会とブータンとの共同調査隊が約80年ぶりにブータンシボリアゲハを発見し、生息していることを確認した。

2011年11月には、ブータンから日本へ友好の証として、2匹のブータンシボリアゲハの標本が贈られている。

2011年10月にはブータンのジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王が結婚し、日本に国賓として訪れている。日本国内でもブータンに注目が集まり、同国内で採用されている「国民総幸福量」などが紹介された。

関連サイト:
「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ謁見記(その1) - NHK科学文化部(かぶん)ブログ
「ヒマラヤの貴婦人」ブータンシボリアゲハ謁見記(その2) - NHK科学文化部(かぶん)ブログ

割増償却

読み方:わりまししょうきゃく
英語:additional depreciation
英語:extra depreciation

減価償却の限度額以上を減価償却費として計上すること。

割増償却は、租税特別措置法において事業ごとに規定されている。

割増償却の例としては、サービス付き高齢者向け住宅を賃貸の用に供した場合の、償却費として必要経費に算入できる金額が100分の128にできることが挙げられる。これは、通常認められる必要経費が1万円だとすると、割増償却の適用により12800円までが必要経費と認められる。

なお、2011年分の確定申告において、東日本大震災に被災した人への割増償却が設けられている。

関連サイト:
租税特別措置法
東日本大震災関連の国税庁からのお知らせ - 国税庁

不渡り猶予

読み方:ふわたりゆうよ
別名:不渡猶予

銀行などの金融機関が不渡りの処分を猶予すること。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の際に、金融庁と全国銀行協会、福島県銀行協会は、東日本大震災により被災した地域を対象に不渡り猶予の特例措置をとるように要請し、各銀行はその要請を受けた。不渡り猶予の特例措置は2012年3月31日までとされる。

金融庁と全国銀行協会、福島県銀行協会は2012年2月、特例措置の期限前に、計画的避難区域などを含む福島県の一部について不渡り猶予の特例措置を延長することを発表した。なお、その他の地域は2012年3月31日をもって不渡り猶予の特例措置が解除される。

関連サイト:
東日本大震災に伴う手形交換に関する特別措置の終了について - 全国銀行協会

口止め条項

読み方:くちどめじょうこう

契約の際に相手方に対して公言しないことを約束させる項目のこと。

口止め条項は、主に二者、あるいは、三者以上の当事者間で契約を締結する際に設けられる。

口止め条項は、契約の当事者のいずれか、あるいは、双方にとって公言されると不利益になる事項を列記し、双方合意のもとに成立する。

日経消費予測指数

読み方:にっけいしょうひよそくしすう
英語:Consumption Forecasting Indicator
英語:CFI

日本経済新聞社産業地域研究所が調査、統計を行っている半年先の消費の増減を予測する指標のこと。

日経消費予測指数では、消費者に対して勤務先の利益見通しや家計の収入、旅行、レジャーへの支出意欲などのアンケートを行い、結果を数値で出す。この数値の各月の推移から、今後半年間の消費支出の増減を予測する。

関連サイト:
日本経済新聞社産業地域研究所
日経消費予測指数の概要 - 日本経済新聞社産業地域研究所

財団法人福島県原子力広報協会

読み方:ざいだんほうじんふくしまけんげんしりょくこうほうきょうかい
別名:福島県原子力広報協会

福島県を中心に、原子力に関する知識の普及などを主な目的として活動している団体。2012年2月現在、理事長は渡辺利綱・大熊町長である。

財団法人福島県原子力広報協会は、1981年に福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所周辺の市町村などが資金を出し合って設立された。

2011年3月の東日本大震災により、財団法人福島県原子力広報協会の事務局が警戒区域に指定されたため活動が困難になったとの理由から2012年2月16日に解散することが決まった。

ノムラ個人投資家サーベイ

読み方:ノムラこじんとうしかサーベイ

野村證券が、個人投資家の投資動向を調査したレポートのこと。

「ノムラ個人投資家サーベイ」では、個人投資家に対して3ヶ月後の株価見通しや為替相場の見通しなどのアンケートを行い、統計結果を公表している。

野村證券が2012年2月15日に発表した「ノムラ個人投資家サーベイ」によれば、3ヶ月後の株価が上昇すると回答したのは全体の73%だった。また、米ドル/円の為替レートについては、円安へ推移すると回答したのが全体の61%だった。

関連サイト:
ノムラ個人投資家サーベイ(2012年2月) - 野村證券

金融緩和マネー

読み方:きんゆうかんわマネー
別名:緩和マネー

中央銀行の金融緩和策によって市場に流出したお金のこと。

金融緩和マネーは、投資家のカネ余りを招くことがあり株式市場などの相場の下支えになることが多い。

2012年2月、日本銀行(日銀)が金融緩和策を行った。これにより、金融緩和マネーが膨らみ、東京証券取引所1部(東証1部)の銘柄のおよそ70%が上昇した。この影響を受けて上海株式市場や香港株式市場といったアジア圏の主要市場も上昇した。

関連サイト:
金融緩和の強化について - 日本銀行(PDF)

カネ余り

読み方:カネあまり
別名:金余り

お金の使い道がなくだぶついた状態のこと。

カネ余りは、金融市場においては中央銀行の金融緩和策によってお金が市場に流出し、資金の運用先が決まらずにいる状態のことである。ちなみに、このようなお金を緩和マネーという。

カネ余りの投資家は、運用資産を増やすために株式市場、投資信託などへ資金をシフトすることが多い。そのため株式市場では、景気敏感株などを中心に相場が上昇する。

ディフェンシブ株

読み方:ディフェンシブかぶ
別名:ディフェンシブ銘柄

不況に耐えられやすい生活必需品の生産、販売を主な業務とする企業の株式のこと。

ディフェンシブ株には、食品関連株、薬品株などが挙げられる。また、鉄道株や電力株などもディフェンシブ株である。

ディフェンシブ株の特徴は、株式相場が全般的に弱含みで推移している時にも独歩高することが多い点が挙げられる。ちなみに株式相場が弱含みで推移している時は、景気敏感株などが安くなる。逆に、株式相場が全般的に強含みで推移している時は、ディフェンシブ株はあまり上昇せずに、景気敏感株が上昇することが多い。

海外投資家

読み方:かいがいとうしか
英語:overseas investor

自国以外に居住している投資家のこと。

海外投資家は、日本においてはアメリカ合衆国や欧州諸国、中国などの海外に居住している投資家を指す。

東京証券取引所(東証)が定期的に発表している「投資部門別株式売買状況」によれば、2011年1月から12月までの国内株式の売買シェアのおよそ66%が海外投資家で占められている。続いて個人投資家が22%、法人が10%、証券会社が2%となっている。

海外投資家が日本の株式を買い越すと日本の平均株価は上昇する傾向にある。一方、海外投資家が売り越すと下降する傾向にある。

関連サイト:
投資部門別売買状況 - 東京証券取引所