新語時事用語辞典とは?

2012年5月19日土曜日

東ティモール独立

読み方:ひがしティモールどくりつ
英語:independence of East Timor
英語:East Timor independence

ティモール島の東部を中心とする地域で2002年5月に実現した国家独立。インドネシアから分離する形で東ティモール民主共和国が独立した。

ティモール島は1970年代にインドネシアの侵攻を受けて制圧され、インドネシアの州として併合された。ティモール島の西半分は西ティモールと呼ばれ、2012年現在もインドネシアに属している。

東ティモールの南にはティモール海を挟んでオーストラリアがある。ティモール海には石油・天然ガスが埋蔵されていることが分かっており、将来の経済的発展へ向けた国家財源として期待されている。

関連サイト:
東ティモール民主共和国 - 外務省

日食網膜症

読み方:にっしょくもうまくしょう
別名:日光網膜症
別名:太陽網膜症
別名:太陽性網膜症
英語:eclipse retinopathy

網膜症と呼ばれる網膜の疾患のうち、特に日食を観察しようとして太陽を直視することで引き起こされるものを指す語。晴天の太陽の強い光により、網膜の細胞が損傷を受けて発症する。

日食網膜症に罹ると視力低下、目眩や疲れなどの症状が出る。網膜細胞が死滅するに至った場合は重度の視力障害が残る。

網膜症は慢性疾患としては糖尿病などと併発するが、日食が発生すると不用意に観察しようとして急性の日食網膜症になる人が多く出る。適切な遮光性能のある日食グラスを用いるか、より間接的な観察方法を取る必要がある。

2012年5月21日の金環日食を間近にした5月半ば以降、日食網膜症に関する啓蒙と、日食グラスなどの使用を推奨する呼びかけが各種の関係機関で行われている。

関連サイト:
日食網膜症 eclipse retinopathy、日光網膜症 solar retinopathy

サルコイドーシス

英語:sarcoidosis

全身に肉芽腫が発生する病気。皮膚や臓器などに炎症性の腫瘍や腫瘤が生じる。罹患率が10万人に数人程度の稀少疾患である。

サルコイドーシスに罹ると、心臓や肺、筋肉、神経、目、皮膚など全身のあらゆる箇所に大小さまざまな肉芽腫が生じる。自覚症状はあまりなく、健康診断などで発見されるまで気づかない患者も多いとされる。

サルコイドーシスは、診断が比較的容易であり、自然治療の可能性もあるが、中には死亡する例もある。発生原因がよく分かっていないため、根治する方法がなかった。2012年5月に、サルコイドーシスの発生原因がアクネ菌である可能性を示す研究成果が発表され、アメリカ・カナダ病理学会の会誌に掲載された。

関連サイト:
アクネ菌、難病の原因か=臓器にしこり、死亡例も-東京医科歯科大 - 時事ドットコム 2012年5月19日
サルコイドーシス - 難病情報センター

二重基準

別名:二重規範
別名:二重標準
別名:ダブルスタンダード
英語:double standard

同一の基準・指針を適用しうる状況において、異なる基準が不公平・不平等に適用されること。場合に応じて異なる原理を使い分けること。

二重基準の例としては、同じ行為が男性によるものか女性によるものかによって、その是非をめぐる見解が異なる、といった場合を挙げることができる。

また、東日本大震災で放射性物質に汚染された農作物に関しては、2012年5月現在、政府が出荷を認可する基準値と、市場で実際に買い手のつく基準値に隔たりがあり、二重基準の様相を呈している。

虚構新聞騒動

読み方:きょこうしんぶんそうどう

Web上のジョークサイト「虚構新聞」が投稿した冗談を見たユーザーの多くが、そのウソの記事内容を真に受けたことで生じた、一連の騒動。とりわけ、2012年5月14日に投稿された、橋下徹・大阪市長に関するネタ記事に関する騒動を指すことが多い。

2012年5月14日、「虚構新聞」は「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」のタイトルで、橋下徹がTwitterの利用を義務づける条例案の提出を構想しているという内容の記事を投稿した。この記事がTwitter上で拡散し、ネタ記事と気づかず本当の情報だと受け取った人が多く出たことで、「虚構新聞」はTwitter上で断りと謝罪をする事態に至った。

インターネット上では、ウソと気づかないほうが愚かだとする見解と、ウソであることを明記して書くべきであり、さも事実であるかのように書くのはデマであるといった見解とに二極化しているという。

関連サイト:
虚構新聞

労働安全衛生規則

読み方:ろうどうあんぜんえいせいきそく

厚生労働省が「労働安全衛生法」に基づき制定した、労働環境の安全・衛生などの確保を目的とした規則。厚労省規則の一種。

労働安全衛生規則では、安全管理や救護の指針、機械や危険物・有害物の規制などに関する事項が規定されている。作業内容や、機械、化学物質などについて、具体的に制限事項が述べられている場合も多い。

例えば、フォークリフトについては、労働安全衛生規則は前照灯・後照灯、ヘッドガード、バックレストを備えているべきこと、1年に1回以上のペースで自主検査を行うことなどを規定している。

関連サイト:
労働安全衛生規則 - e-Gov

1,2-ジクロロプロパン

英語:1,2-Dichloropropane

有機塩素化合物の一種。無色の液体で、クロロホルムのような臭気がある。

1,2-ジクロロプロパンは毒性が高く、皮膚に触れると赤みが差すと共に痒みを生じ、吸引すると頭や喉に痛みを覚える。長期的に触れ続けると肝臓がん、胆管がんなどが発生するリスクもある。

2012年5月19日、毎日新聞は、西日本のオフセット校正印刷会社の従業員が高確率で「胆管がん」に罹り死亡したことを報じている。労働環境学の専門家によれば、かつて校正印刷部門で印刷機の洗浄に使用されていた1,2-ジクロロプロパンなどの有機溶剤が原因となっている可能性が高いという。

関連サイト:
胆管がん多発:死亡男性「有機溶剤で悪環境」 - 毎日新聞 2012年5月19日

胆管がん

読み方:たんかんがん
別名:胆管ガン
別名:胆管癌

胆管に発生するガン。

胆管は、肝臓で生成された胆汁を集めて輸送する役割を持つ。肝臓の外側にある胆管は長さが約8センチメートルの管状の器官で、十二指腸と連絡している。途中に胆嚢がある。

胆管がんの発症は他のガンに比べると稀で、高齢になるほど罹患しやすくなるとされる。

ま た、胆管がんの発生要因として1,2-ジクロロプロパンやジクロロメタンといった有機化合物を長期間にわたり吸入、接触する場合なども挙げられる。1,2-ジクロロプロパンは、現在は取り扱いが規制されているが、1990年代前半には有機溶剤などとして使用されており、印刷会社で印刷機の洗浄に 1,2-ジクロロプロパンを使用していた会社の従業員が全国平均の数百倍の確率で胆管がんに罹患していたことが分かっている。

 関連サイト:
胆管がん多発:死亡男性「有機溶剤で悪環境」
胆管がん(たんかんがん)