新語時事用語辞典とは?

2012年5月23日水曜日

逆送

読み方:ぎゃくそう
別名:検察官送致
別名:検察官への送致

少年法に基づき家庭裁判所に送致された少年(少年犯罪の案件)を、事件の凶悪性などを鑑みて検察官へ再び送致すること。

少年犯罪は原則的に家庭裁判所に送致され、審判を経て、保護観察とするか少年院に送致するか、あるいは児童自立支援施設へ入所させるかが判断される。ただし、犯行内容が特に凶悪な場合は、逆送により、家庭裁判所から検察官へ再び戻される。

逆送された案件は検察冠により起訴され、地方裁判所に送致されて、刑事処分が下される。

逆送は、懲役刑などの刑事処分がふさわしいと認められる場合に行われる。少年法第二十条では、犯行時16歳以上で、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合は、逆送を行う旨が規定されている。

2012年4月23日に京都府亀岡市で発生した児童集団登校への車突っ込み事故で、運転していた18歳少年は家庭裁判所に送致されたが、検察官により逆送を求める意見書が付されたという。

関連サイト:
少年法 - e-Gov

試験焼却

読み方:しけんしょうきゃく

試験目的で焼却処分を実施すること。がれきなどを燃やして処分する場合の、困難の有無や程度などを検証するために行われる。2012年5月現在主に東日本大震災で発生した「放射性がれき」の受け入れに関して用いられている。

2012年5月23日に、北九州市で、市が放射性がれきの受け入れを検討するためのがれきの試験焼却が開始された。灰の放射能濃度などを測定するのが主な目的とされる。ただし、試験焼却に用いたがれきは東京電力福島第一原子力発電所の所在する福島県ではなく、宮城県のがれきである。

日の丸半導体

読み方:ひのまるはんどうたい

日本国内の半導体メーカーの総称。海外の半導体メーカーに対する日本勢、日本の半導体産業を担う連合軍、といった意味合いで用いられる。

日の丸半導体を構成する事業者としては、エルピーダメモリ、ルネサスエレクトロニクス、パナソニック、富士通などが主に挙げられる。エルピーダメモリは日立製作所と日本電気のDRAM部門を母体としており、ルネサスエレクトロニクスはNEC、三菱電機、日立製作所のシステムLSI部門を母体としている。

 エルピーダメモリは経営難が続き、2009年に公的資金を受けるなどした末、2012年2月27日に会社更生法を申請して事実上経営破綻した。2012年5月にはルネサスエレクトロニクスが大規模な人員削減の検討をはじめたというリーク情報が報道されており、「日の丸半導体」の存続を危ぶむ声が強まっている。

関連サイト:
誰が「日の丸半導体」を殺したのか――。エルピーダの破綻が暗示した製造業全体に迫る危機 - ダイヤモンド・オンライン

ローカルヒーロー

別名:ご当地ヒーロー

活動地域を特定地域に限定し、主に地域振興などを目的として活動する、いわゆる「戦隊もの」や「変身ヒーローもの」のステレオタイプを模して作られたキャラクターの総称。

ローカルヒーローは、ローカルアイドル(ご当地アイドル)やローカルタレント(ご当地タレント)と同様、全国進出を目指さずに、地方に限定して活動する。おおむね「悪をこらしめる正義の味方」という設定を取りやすく、子供受けが良い。

ご当地ヒーローの例として、秋田県にかほ市の「超神ネイガー」、群馬県の「超速戦士G-FIVE」などがある。超速戦士G-FIVEは、ぐんま観光特使にも任命されている。

観光特使

読み方:かんこうとくし
別名:観光特別大使

地方の認知度向上や観光振興を任務とする役職。自身の活動を通じて、該当地域のイメージ向上や観光客増加を図ることが期待される。

観光特使には、芸能人やスポーツ選手、文化人といった、各界の著名人を任用することが多い。動物であったりキャラクターであったりする場合もある。

なお、三重県志摩市が2009年に観光特使に任命した「志摩ちゃん」はペンギンであり、群馬県が2010年に任命した「超速戦士G-FIVE」はいわゆるローカルヒーローである。

アリラン3号

読み方:アリランさんごう
別名:KOMPSat-3
別名:コンプサット3
英語:Arirang 3

韓国が開発した多目的衛星。「KOMPSAT」は「Korean Multi-purpose Satellite」の略。KOMPSat-2の後継機として地表の光学的観測を行う。

アリラン3号は高度685キロメートルの太陽同期軌道を周回する。運用期間は4年の予定となっている。

アリラン3号は、日本の打ち上げロケット「H2A」21号機で打ち上げられ、衛星軌道へ投入された。H2A21号機は日本初の商業打ち上げ機であり、アリラン3号は海外からの初の商業受注だった。

H2A21号機にはアリラン3号と共に日本の観測衛星「しずく」、および小型の副衛星2基が搭載され、同時に打ち上げられており、いずれも成功している。

関連サイト:
KOMPSAT-3 Systems Engineering & Intergration - 韓国航空宇宙研究所(英語)
Launch Result of the Global Changing Observation Mission 1st - Water "SHIZUKU" (GCOM-W1) and the Korean Multi-purpose Satellite 3 (KOMPSAT-3) by H-IIA Launch Vehicle No. 21 - 宇宙航空研究開発機構(英語)

宇宙船ドラゴン

読み方:うちゅうせんドラゴン

米国のベンチャー企業・スペースXが開発した宇宙船。人および物資を運搬する用途に用いられる。2010年に試験飛行が行われ、民間の宇宙船として初めて、軌道への投入・大気圏再突入・帰還を成功させた。

宇宙船ドラゴンはスペースXの打ち上げロケット「ファルコン」により打ち上げられる。2012年5月19日に打ち上げ予定であったが、予定時刻まで残り1秒を切った時点で異常が見つかり緊急停止した。5月22日に実施された再打ち上げは成功し、宇宙船ドラゴンは衛星軌道に乗った。