新語時事用語辞典とは?

2012年7月4日水曜日

エロモナス・ハイドロフィラ

英語:Aeromonas hydrophila
英語:A. hydrophila

グラム陰性の通性嫌気性桿菌。主に河川や湖沼といった淡水域に存在する。体内に取り込まれると半日の潜伏期間を経て下痢などの食中毒症状を引き起こす。

衛生管理が十分でない生水を飲んだ場合や、水中で怪我をした場合などに、エロモナス・ハイドロフィラに感染する危険がある。自然治癒する軽症の場合もあるが、重症に至る場合もあるという。

2012年7月4日付けの産経新聞の記事では、エロモナス・ハイドロフィラに感染して壊死性筋膜炎となり、両手足を切断するに至った米国人女性が紹介されている。同記事ではエロモナス・ハイドロフィラは「人食いバクテリア」と形容されている。

関連サイト:
エロモナス・ハイドロフィラ/ソブリア感染症 - 国立感染症研究所感染症情報センター
「人食いバクテリア」感染女性が退院 両手と両足の一部切除 - MSN産経ニュース 2012年7月4日

アラファト

別名:ヤーセル・アラファト
別名:ヤセル・アラファト
別名:アラファト議長

パレスチナ自治政府の初代大統領。1929年エジプト・カイロ生まれ、2004年にフランスのパリで死去。享年75歳。

アラファトはパレスチナ解放機構(PLO)の中心人物として知られる。1969年にPLOの議長に就任し、イスラエルに対するパレスチナ解放運動の先頭に立った。1993年にオスロ合意に署名し、翌1994年に設立されたパレスチナ自治政府で初代大統領に就任した。同年、ノーベル平和賞を受賞している。

アラファトは2004年に急逝している。その死因については、毒殺ではないかとも噂されていた。2012年7月3日、中東のメディア「アルジャジーラ」がアラファトの死因を「放射性物質による毒殺の可能性がある」と報道し、話題を呼んだ。遺品を検査したところ、放射性物質のポロニウム210が多量検出されたという。

スクールランチ

学校給食に替わり、民間事業者の仕出し弁当などを希望する生徒に配達する制度。全国のいくつかの中学校で導入されている。

スクールランチは事前予約制で、事前に希望日を指定して引換券を購入するといった方式が取られる。スクールランチを利用せずに弁当を持参することもでき、給食と弁当の選択が可能な制度という側面を持っている。

スクールランチは注文予約の際に代金を支払う先払い制となっており、給食費の未納などのような問題も回避できる利点がある。

2012年7月現在、愛知県名古屋市、大阪府高槻市、 三重県桑名市、福井県越前市などで中学校給食にスクールランチが導入されている。

ポロニウム210

別名:Po-210
英語:polonium-210

ポロニウムの放射性同位体。半減期は約138日。天然にごく微量が存在する。強い毒性を持つことでも知られる。

ポロニウム210は主にアルファ線を放出する。アルファ線は皮膚を透過しないため、外部被曝の危険性は少ないとされる。体内に取り込まれた場合には少量でも深刻な内部被曝をもたらす。

ポロニウム210が放出する放射線量は天然ウランの約100億倍に上るとされる。緊急被ばく医療研究センターによれば、ポロニウム210が数百ナノグラム体内に取り込まれただけでも死亡する可能性があるという。

2012年7月3日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、2004年11月に死去したアラファト・パレスチナ自治政府初代大統領の突然死の原因がポロニウム210による毒殺である可能性があることを報道した。

ポロニウム210は、2006年に元ロシア連邦保安局(FSB)職員であったアレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)がロンドンのホテルで何者かにより毒殺された事件においても使用されたことが知られている。

関連サイト:
Arafat's widow calls to exhume his body - Al-Jazeera
Yassar Arafat poisoned by polonium, Al-Jazeera report says - the Telegraph
ポロニウム210に関する情報 - 緊急被ばく医療研究センター
ポロニウム210に関する情報 - 放射線安全研究センター

代理ミュンヒハウゼン症候群

読み方:だいりミュンヒハウゼンしょうこうぐん

英語:Munchausen Syndrome by proxy

「ミュンヒハウゼン症候群」と呼ばれる虚偽性障害の変種で、病気の捏造や誇張の対象を自分の子供などに代理させる精神疾患。

ミュンヒハウゼン症候群の目的は、周囲の関心を引き同情を得ようとすることであるとされる。そのために、病歴を詐称する、虚偽の病状を訴える、自分で感染源を招く、などの行為を繰り返し、周囲にアピールする。代理ミュンヒハウゼン症候群は、自分の保護下にある者を病気と偽ることで、その保護者である自分への同情を集めようとする。

代理ミュンヒハウゼン症候群において、代理となる対象を傷つけたり苦しめたりすることは、手段であり目的ではない。しかしながら、その過程は往々にして虐待に通じ、死亡に至る場合も少なくないとされる。

ミュンヒハウゼン症候群

読み方:ミュンヒハウゼンしょうこうぐん
別名:ミュンヒハウゼンシンドローム
英語:Munchausen Syndrome

虚偽性障害の一種で、病気を捏造したり誇張したりして周囲にアピールし、関心や同情を集めようとする精神疾患。病名は「ほら吹き男爵」と通称される人物に由来する。

ミュンヒハウゼン症候群の患者は、一般的に、自分が病気であると偽ったり、虚偽の身体症状により苦しむふりをしたり、副作用の強い薬をわざと飲んだり、あるいは自ら病因・感染源を作って病気を招いたりといった行為を繰り返す。そのようにして周囲に病状を訴え、病院で検査や治療を受けようとする。

ミュンヒハウゼン症候群は、病気であることを偽る点で詐病と共通している。ただし、詐病が利益の享受を明確な目的としており、実利が伴わない検査や手術などを避けようとするのに対して、ミュンヒハウゼン症候群の患者はむしろ積極的に手術などを受けようとする点で異なる。

ミュンヒハウゼン症候群の変種で、病歴を偽ったり傷つけたりする対象を、自分自身ではなく自分の子供などに見出すものを、代理ミュンヒハウゼン症候群という。

関連サイト:
ミュンヒハウゼン症候群 - メルクマニュアル日本語版