新語時事用語辞典とは?

2012年9月14日金曜日

ヒト化ラット

読み方:ヒトかラット

細胞移植によりヒトの細胞組織や遺伝子、血液などを移植して定着させたラット。

ヒト化ラットはその名のとおり人の細胞を体内に持ち、病気の観察や新薬の効果検証などの動物実験において、より人間に近い実験結果が得られると期待されている。

ヒトの細胞を移植したマウスは「ヒト化マウス」という。マウスはラットに先立ってヒト化に成功していた。マウスに比べてラットのほうが体が大きいため、ヒト化ラットの実現により研究が促進されることが期待される。

サティアン

英語:satyam

サンスクリット語で「真理」を意味する語。サティヤムとも表記する。日本では、1995年の地下鉄サリン事件を中心とする一連のオウム真理教事件以来、もっぱらオウム真理教の教団関連施設の呼び名として認知されている。

オウム真理教では、教団の本拠があった上九一色村(市町村合併により後に消滅)などに複数の施設を設け、「第1サティアン」「第7サティアン」のように番号つきで呼んでいた。建物によって拳銃の密造棟であったり印刷場であったりした。第7サティアン・第10サティアンはサリンなどの化学兵器の密造棟で、第6サティアンは教祖が逮捕された現場として知られている。

オウム真理教事件以来、サティアンの名称は一種いかがわしい場所、ものものしい場所、物騒な場所といったイメージで用いられる場合がある。2012年9月13日に、次期自民党総裁選への出馬を表明した石原伸晃幹事長がテレビ番組に出演した際、「東京電力福島第一原子力発電所」を「福島原発第一サティアン」と表現したことで物議を醸した。

関連サイト:
石原氏、問題発言…福島原発を「サティアン」 - SANSPO.com

尖閣国有化

読み方:せんかくこくゆうか

東シナ海に存在する尖閣諸島のうち私有地である島々を、日本政府が買い取る取り組み。2012年9月11日に正式に国有化された。

尖閣諸島の大部分の島々は個人所有の不動産として登記されている。日本政府は地権者と賃借契約を結び、国が賃借する形式で管理してきた。

2012年4月に石原慎太郎・第17代東京都知事が尖閣諸島購入構想を表明し、地権者からの基本的な合意を得たことを発表した。購入資金の一部として募られた寄付は、2012年9月までに14億円を超えた。

日本政府は2012年7月になって、尖閣諸島を国有化する意向を示し、東京都と尖閣諸島の地権者が交渉を進める中で、独自に購入交渉をはじめた。2012年9月初頭には地権者と国との間で、魚釣島、北小島、南小島の3島を国に売却することで合意したことが発表された。

2012年9月11日、3島を購入するため予備費から20億5千万円を拠出することが閣議決定された。契約が交わされ、9月11日に魚釣島、北小島、南小島が正式な国有地となった。

日本の尖閣国有化の動きに対して、中国政府は「日本側のいかなる一方的な措置も違法であり無効」とする非難の声明を発表している。