新語時事用語辞典とは?

2012年12月6日木曜日

磁気ハイウェー

読み方:じきハイウェー
別名:磁気ハイウエー
別名:磁気ハイウェイ
別名:マグネティックハイウェイ
英語:magnetic highway

太陽系の外周近縁で観測された磁場の流れ。アメリカ航空宇宙局(NASA)がボイジャー1号の観測データから見出した。

ボイジャー1号が太陽系内でこれまでに観測した宇宙空間では、太陽から放出された荷電粒子が入り乱れて飛んでいたが、新たに観測した場所では太陽からの磁力線と太陽系外の磁力線が接続しているようであったという。そこでNASAの科学者は磁場の流れを道路に見立てて、この斉一的で高速な磁場の流れを幹線道(highway)になぞらえた。

磁気ハイウェーは星間磁場を示唆するものと見られている。NASAによれば、磁気ハイウェーの発見はボイジャーが間もなく太陽系外に到達することを意味するという。

関連サイト:
NASA Voyager 1 Encounters New Region in Deep Space

プリオン病

読み方:プリオンびょう
別名:伝達性海綿状脳症

プリオンと呼ばれる特殊タンパク質を病原とする疾患の総称。病原性を持つ異常プリオン蛋白が増加・蓄積されることで発症する。

プリオン病は脳や脊髄といった中枢神経系で増殖し、細胞を萎縮・荒廃させる。しばしば「脳がスポンジ状になる」と表現される。症状は脱力や運動失調、各種の脳障害の症状として表れ、高確率で死に至る。

ヒトが発症するクロイツフェルト・ヤコブ病や佝僂病、ヤギのスクレイピー、牛のBSE(牛海綿状脳症)などは、いずれもプリオン病の一種である。人畜ともに観察され、さらに異常プリオン蛋白の摂取によって他個体に伝播する性質を持つため、プリオン病は人畜共通感染症の側面も持つ。

関連サイト:
プリオン病とは何ですか? - 国立療養所 神経筋難病情報サービス

偽造品の取引の防止に関する協定

読み方:ぎぞうひんのとりひきのぼうしにかんするきょうてい
別名:偽造品取引防止協定
別名:アクタ
英語:Anti-Counterfeiting Trade Agreement
英語:ACTA

知的財産権を侵害する模倣品や海賊版の流通・拡散を防止するための国際条約。2005年に開催されたG8グレンイーグルズ・サミットにおいて、日本が提唱した。

偽造品の取引の防止に関する協定は、近年のデジタル技術の発展により拡大しつつある著作権侵害の被害増大を背景として、国際的に知的財産権保護に取り組むための法的枠組みとして提唱されている、模倣品や海賊版コンテンツに対する規制の強化、民事上・刑事上の執行力および権限の強化、国内外への流入または流出を阻止するための取り締まりの強化などが盛り込まれている。締結国間では、差止命令や損害賠償命令は国境を超えて強力に適用される。

知的財産権の侵害は、日本国内では著作権法によって親告罪と規定されている。すなわち、著作権者の申し立てがなければ立件されない。これに対して、偽造品の取引の防止に関する協定では税関当局の職権による規制が可能となる。

2010年までに、偽造品の取引の防止に関する協定の内容について大筋合意がなされ、2011年に日本、米国、オーストラリア、カナダ、シンガポール、ニュージーランド、モロッコ、韓国の8ヵ国が協定への署名を行った。翌2012年には、EU加盟国22ヵ国およびEUが署名を行っている。各国で批准の手続きが進められている。

関連サイト:
偽造品の取引の防止に関する協定 - 外務省

バウチャー制度

読み方:バウチャーせいど

政府や自治体が、特定の用途に利用できるチケットを利用者個人に給付する制度。バウチャー(voucher)は「引換券」や「クーポン」を意味する英語。

バウチャー制度で給付される券はおおむねクーポン券・回数券・引換券などに相当する機能を持つ。指定された施設やサービスを、無料または格安で利用できる。現金で給付される制度とは異なり、娯楽用途などに浪費することができない。

バウチャー制度において、利用先の施設やサービスは、指定された選択肢の中から利用者が主体的に選択できる。これにより対象分野の事業者間の競争を促す効果も期待できる。

代表的なバウチャー制度として、進学教育費の援助と共に教育機関の選択を支援する「教育バウチャー制度」がある。その他に、子育てや高齢者介護、住宅など、さまざまな分野における導入事例がある。

関連サイト:
バウチャー入門コーナー - 内閣府 経済財政政策関係資料