新語時事用語辞典とは?

2013年2月27日水曜日

雇止め法理の法定化

読み方:やといどめほうりのほうていか
別名:雇い止め法理の法定化

有期雇用契約における「雇止め」を一定条件の下では認めないと法律において定めること。

2012年8月に公布された改正労働契約法において、「有期雇用の5年ルール」などとともに、雇止め法理の法定化が盛り込まれている。これは過去に最高裁判所において示された判断を法律に落とし込んだものである。

雇止めは、有期雇用契約において、雇用期間が満了した際に使用者側が契約更新を行わず、そのまま雇用契約を終了させることである。ある程度の契約更新がすでに行われており、実質的に無期雇用契約と同然になっている場合や、継続雇用を期待することに合理的な理由があると認められる場合には、無期雇用契約における解雇と同様、不合理な雇止めが無効とみなされる場合がある。

関連サイト:
労働契約法の改正について - 厚生労働省

有期雇用の5年ルール

読み方:ゆうきこようのごねんルール
別名:有期労働契約の5年ルール

2012年8月に公布された「改正労働契約法」で規定されている、有期労働契約から無期労働契約への転換に関するルール。契約更新を繰り返して通算5年を超えた場合には、労働者が希望すれば、有期契約労働者は無期労働契約を結ぶことができるようになる。

改正労働契約法は2013年4月に施行される。

有期雇用の5年ルールは、バイト、パート、派遣社員などの区分にかかわらず、契約期間の設けられた雇用形態全般を対象として適用される。5年間継続して雇用された労働者が、その契約期間中に無期雇用契約への転換の申し込みを行った場合、使用者側は申し込みに承諾したものとみなされ、転換が成立する。

労働者側は、無期労働契約への転換の申し込みを行わずに、有期労働契約の更新を選択することもできる。なお、賃金、労働時間、職務内容といった労働条件は、別途規定が設けられていなければ、無期労働契約への転換後もそれまでの有期労働契約と同じ条件とされる。

改正労働契約法では、有期雇用の5年ルールとともに、いわゆる雇止め法理のルール、不合理な労働条件の禁止も追加される。

関連サイト:
労働契約法の改正について - 厚生労働省

61398部隊

別名:61398
別名:人民解放軍61398部隊
別名:61398部队
英語:Unit 61398

中国人民解放軍(中国共産党の軍であり、事実上の政府軍)が関与しているとされるハッカー集団の通称。多年にわたり、米国をはじめとする諸外国の政府・企業のシステムに潜入して諜報活動を行っていたとの疑惑が持たれている。米国のセキュリティ関連企業MANDIANTが2013年2月に報告した。

MANDIANTの報告書によれば、61398部隊は上海に拠点をおき、2006年から世界140以上の組織に対してAPT攻撃を行っているとされる。中国紙「大紀元」日本語版記事によれば、中国外務省は中国政府の61398部隊への関与を否定し、報告書の内容は専門的でない無責任な内容であるとして非難している。

なお、2013年2月26日現在、浙江大学ウェブサイトには「中国人民解放军61398部队(地点在上海浦东)」の学生を募集する2004年時点の通知書が掲載されている。

関連サイト:
APT1: Exposing One of China's Cyber Espionage Units(PDFファイル) - MANDIANT
米へのサイバー攻撃、「中国軍が黒幕」 政府が直接支持か - 大紀元日本 2013年2月20日
サイバー部隊61398 コンピュータ学科学生の募集情報が流出 - 大紀元日本 2013年2月25日

浮石寺

読み方:ふせきじ
読み方:ブソッサ
読み方:ブソクサ

韓国忠清南道の瑞山にある寺院。建立は7世紀まで遡るとされ、韓国屈指の古刹として知られる。韓国最古の木造建築の一つとされる「無量寿殿」をはじめ、多くの国宝や文化財を擁する。

長崎県の県指定有形文化財である観音寺の観世音菩薩坐像は、像内から見つかった「結縁文」と呼ばれる縁起書により、14世紀高麗の時代に製造された、浮石寺に由来する像であることがわかっている。

2012年に対馬のいくつかの寺社が盗難に遭い、文化財の仏像などが奪われ、後日それが韓国で見つかったという騒動が起きた。この際の盗難品の一つに、観音寺の観世音菩薩坐像がある。文明大・東国(トング)大学校名誉教授、および浮石寺信徒会などは、観音寺の観世音菩薩坐像は浮石寺から略奪され日本にわたったものであるとし、日本に返還してはならないと主張している。

関連サイト:
浮石寺(ブソッサ・부석사) - 韓国「慶州」観光情報ガイド

観音寺の観世音菩薩坐像

読み方:かんのんじのかんぜおんぼさつざぞう
別名:観音寺所蔵観世音菩薩坐像

長崎県対馬市の観音寺が所有する観世音菩薩の坐像。銅造で、像高は約50センチメートル。1973年に長崎県の県指定有形文化財に登録されている。

像内には縁起の書かれた文が蔵されており、韓国忠清南道にある浮石寺に由来する像であることがわかっている。製造年代は遅くとも14世紀の高麗まで遡る。

2012年に観音寺の観世音菩薩坐像は盗難に遭い、2013年1月30日までに韓国で発見されたことが報告された。韓国人の窃盗団が観音寺に侵入し、像を盗み出して同国に持ち込んだとされる。この窃盗団は、観音寺の観世音菩薩坐像だけでなく、津島市にある海神神社の銅造如来立像なども盗んでいる。

韓国内では、観音寺の観世音菩薩坐像はそもそも日本が高麗から略奪した像ではないのかとする見解がある。像は韓国警察のもとに回収されているものの、2013年2月現在、日本に返還されていない。

なお、日本および韓国は、ユネスコで1970年に採択された「文化財不法輸出禁止条約」をそれぞれ締結しており、不法に持ちだされた文化財は正当な所有者にすみやかに返還するものとしている。

朝鮮日報日本語版によれば、2013年2月26日に韓国の大田地方裁判所が浮石寺側の訴えを認め、観音寺の観世音菩薩坐像が日本に渡った経路が明らかになるまで、像を日本に返還する判断をしてはならない旨の仮処分を下したという。

関連サイト:
長崎県の文化財 観音寺の観世音菩薩坐像 - 長崎県
文化財の不法な輸出入等の規制について - 文化庁
盗難仏像の日本返還 韓国政府は判断示せず=地裁決定 - 朝鮮日報日本語版 2013年2月26日