新語時事用語辞典とは?

2013年7月2日火曜日

ダークツーリズム

英語:Dark tourism

戦争被害、死、あるいは自然災害などに関する体験や、人類の負の歴史などを対象にした観光。

本来、観光は楽しいものという考えが一般的であるが、ダークツーリズムでは、観光を学びと反省の機会とみなす傾向が強い。また、ダークツーリズムを通して、被害を受けた場所や人々の復興を助ける力になるという考え方もある。

ダークツーリズムとしてみなされる観光地には、原発事故のあったチェルノブイリやアウシュビィッツ強制収容所、または広島の原爆ドームなどがある。

2013年現在、原発事故のあった福島第一原発を観光地化する取り組みが議論されている。

関連サイト:
福島第一原発観光地化計画

ブランド野菜

読み方:ブランドやさい

その地域で収穫される特定の野菜のうち、特に広く名が知られている野菜などをブランド化したもの。主にその地域で流通していた野菜を全国各地に流通させ、より多くの人々に親しんでもらうことが目的の一つである。

ブランド野菜には2013年現在、主に練馬大根や船橋にんじんなどがある。ブランド野菜の販売を通して、その地域経済の活性化などを図る目的もあるとされる。

2013年6月には、安倍首相が東日本大震災の被災地である福島県の農作物をブランド野菜として、復興推進調整費を使用し支援していく考えを示した。

賃金危機

読み方:ちんぎんきき

仕事の内容や質が低下し、低賃金労働者や失業者が増え、ある社会における賃金格差が拡大するという一連の状況。主にアメリカをはじめとする先進各国で生じているとされる。

特にアメリカでは、最低賃金に近い賃金で働いている低所得者の労働時間が増加する一方で、賃金の上昇率は低いとされている。また、2008年のリーマンショックなどの影響で、中間層の失業率も増加し、賃金の格差が拡大することが懸念されている。

今後アメリカ国内で増加が見込まれている雇用の半分以上が低賃金職だとされ、国民の賃金格差は拡大の一途をたどると予想されている。

ペーパーカンパニー

別名:幽霊会社
別名:ダミー会社

名目上は法人として登記されているが、実際には事業を行っていない会社を意味する語。「ペーパーカンパニー」は和製英語であり、英語では「shell corporation」、または「dummy company」などと表現する。

主に、企業に課される税金を回避するためにペーパーカンパニーが設立される場合が多い。特に、タックスヘイブンなどの低税率の場所にペーパーカンパニーを設立し、利益を移転するといったことが行われる。利益をペーパーカンパニーに蓄積させることによって、先進国で課される税率を回避することができるとされている。

調査捕鯨

読み方:ちょうさほげい

鯨の生息数や生態などについて、科学的な調査を行うために鯨を捕獲すること。鯨肉の販売をはじめとする商業目的の捕鯨とは異なるものだとされる。2013年現在、日本やアイスランドなどが行っている。

日本は1987年に調査捕鯨を開始した。当初は南極海に生息するミンククジラのみが調査捕鯨の対象だったが、後にマッコウクジラなども対象になった。1988年には、国際捕鯨取締条約が締結されたことで、日本は商業捕鯨を中止しているが、科学的な調査のための調査捕鯨は認められていると主張している。

日本は国際捕鯨委員会(IWC)の管理下で、鯨の科学的データを収集して、その情報をIWCの各種委員会に提出する目的で、調査捕鯨を行っている。具体的には、鯨の耳垢栓や卵巣などを採取する。また、調査に使用した後の鯨の肉などを、副産物として市場で流通させていることが多い。

反捕鯨の立場をとる国や団体などから、日本の調査捕鯨は批判を受けている。主に調査捕鯨によるデータの信頼性や、鯨の肉などを副産物として流通させることに疑問の声が多い。また、調査のために鯨を殺す致死的調査は不要であるという考えもある。

特にオーストラリアは、日本の調査捕鯨は実質的には商業捕鯨であるという見解を示している。2013年6月、オーストラリアは日本の調査捕鯨が国際法に違反するとして、国際司法裁判所に提訴した。

関連サイト:
捕鯨問題 - 日本捕鯨協会
捕鯨に関するQ&A - 外務省