新語時事用語辞典とは?

2013年11月6日水曜日

マンガルヤーン

英語:Mangalyaan

インド宇宙研究機関(ISRO)が開発した、インド初の無人火星探査機の通称。正式には「Mars Orbiter Mission(MOM)」という。2013年11月に、インド産のロケット「PSLV-C25」により、成功裏に打ち上げが完了した。

マンガルヤーンは45億ルピー(約75億円)という、火星探査プロジェクトとしては異例の低予算で開発が行われた。将来の資源開発のために、火星の地形、鉱物、大気などを調査する装置を備えているが、打ち上げの目的としては、インド国産の宇宙開発技術の試験という意味合いも強いとされる。

マンガルヤーンは約300日をかけて飛行し、2014年9月に火星周回軌道に到達する見込みである。2013年11月までに日本と中国が火星探査を試みているが、いずれも失敗に終わっている。プロジェクトが成功すれば、米国、旧ソ連、欧州に次いでアジア初となる。

なお、マンガルヤーンは、サンスクリット語で「火星の乗り物」を意味する。

常温仕分け問題

読み方:じょうおんしわけもんだい
別名:クール便常温仕分け問題

荷物を保冷して配達する、いわゆる「クール便」のサービスにおいて、実際には必ずしも常に保冷が行われておらず、常温下で仕分けや配達の作業が行われていた問題のこと。クール便に関しては、各宅配便事業者が常温に晒してもよい上限時間などを定めているが、2013年11月頃から複数の宅配便事業者において、規定を逸脱する長時間の常温下での取り扱いが発覚した。

特に、中元や歳暮の時期などにはクール便の荷物が多くなって保冷バッグに入り切らなかったり、冷蔵・冷凍庫から荷物が溢れてしまったりすることがしばしば起こり、そのような状況で常温下での作業が行われることがあることが指摘されている。また、作業員の注意や認識の不足から、冷蔵・冷凍車のエンジンを切ったり、扉を開放したままにしたりして作業している例もあるとされる。

クール便の荷物を常温で長時間にわたって取り扱うことには、食品衛生上の問題もあり、各宅配便事業者は、問題を受けて直ちに改善していくとしている。しかし、現場では予算や人員の不足、「時間指定配達」の導入による負担増加などもあり、社内規定が実情に沿ったものではないという声も上がっている。

金融検査

読み方:きんゆうけんさ
別名:金融庁検査

金融庁が銀行などの金融機関に立ち入り、適正に業務が行われているかどうかを検査すること。金融機関の財務状況や不良債権の実態、コンプライアンスを遵守しているかどうかなどを明らかにし、金融機関の健全性を保つことが主な目的とされる。各金融機関に対して定期的に行われる「通常検査」と、大手企業向けの債権が不良債権かどうかを査定する「特別検査」に分けられる。

金融検査では、金融庁から検査官が各機関に出向き、関係書類を始めとして、メールや机の中の物に至るまでを入念に検査する。検査は「金融検査マニュアル」の基本指針に沿って行われ、同マニュアルの信用格付に基づき、債権が不良債権に該当するかどうかが査定される。

金融検査で問題点が発覚した場合、業務の改善や停止などの命令が下されることがある。また、金融検査の際に資料を隠蔽したり、虚偽の説明を行ったりすることは、銀行法違反の「検査忌避」にあたり、刑事罰の対象となる。

関連サイト:
金融検査マニュアル 金融検査評定制度(PDF) - 金融庁

地球に似た惑星

読み方:ちきゅうににたわくせい
別名:地球型惑星
英語:Earth-like planets

大きさや組成、恒星からの距離などの性質において、地球と類似した特徴を持つ太陽系外惑星のこと。特に恒星のハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)に位置する「地球に似た惑星」は、生物が生存できる、あるいは地球外生命が存在する可能性がある惑星として注目され、地球外知的生命体探査(SETI)の目標とされることがある。

「地球に似た惑星」の探索を行う主な手段は、惑星による食を観測することであり、その能力はケプラー宇宙望遠鏡の打ち上げによって飛躍的に向上した。2011年以降、同望遠鏡を用いた観測により、多くの系外惑星が報告されており、その中には「地球に似た惑星」が複数含まれている。2013年にケプラー宇宙望遠鏡は故障により運用が断念されたが、「地球に似た惑星」の研究は、2018年以降に打ち上げが予定されているジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測によってさらに進むことが期待されている。

2013年に発表されたカリフォルニア大学バークレー校およびハワイ大学の研究グループの論文によると、「地球に似た惑星」の数は従来考えられていたよりも遥かに多く、全恒星の22%が「地球に似た惑星」を伴っているとされた。また、同研究グループは、「地球に似た惑星」として最も地球から近いものは、12光年離れた恒星を周回している可能性があるとしている。

なお、報道などでは、「地球に似た惑星」の意味で「地球型惑星」の語が用いられることがあるが、天文学用語の「地球型惑星(terrestrial planet)」は、「木星型惑星」や「天王星型惑星」と対になる語として、主に岩石や金属で構成される惑星を指す異なる語である。

暴力団員融資

読み方:ぼうりょくだんいんゆうし
別名:暴力団融資

金融機関が暴力団やその構成員に対して融資を行うこと。反社会的勢力である暴力団やその構成員に対して融資を行うことは、その活動を支援していると見なされることから、暴力団対策法や各自治体の暴力団排除条例などによって禁止されている。

2013年10月頃から、複数の銀行で暴力団員に対する融資の存在が明らかになり、金融庁から業務改善命令を受けるなどの問題に発展した。主に問題となったのは、銀行と提携した信販会社を通じた「提携ローン」であり、提携ローンでは銀行側が審査を行わずに、ほとんど信販会社のみで審査を行っていた例もあったという。また、銀行の上層部が融資の存在を知りながら放置していたり、外部に虚偽の説明を行ったりした例もあった。

暴力団員融資を根絶するためには、融資の際の審査の徹底や、警察との連携の強化、発覚した融資の解消などの対応が必要だとされている。

カジノ構想

読み方:カジノこうそう
別名:カジノ合法化構想
別名:カジノ合法化

日本国内にカジノを合法的施設として設ける構想、法改正により国内でのカジノ運営を解禁・合法化する構想。

特定地域への設置が念頭に置かれている場合、例えば「お台場カジノ構想」のように、地名とセットの呼び名となることが多い。カジノを解禁する法案は「カジノ法案」などとも呼ばれる。

カジノは、平たく言えば賭博をする施設でり、刑法に抵触する。カジノ構想は、運営地域や運営事業者などの諸条件をあらかじめ制限しつつ、カジノを解禁しようという取り組みであるといえる。

カジノを設置することは、一般的に、大規模な経済効果が得られるとされる。当該施設を目的とした観光客の増加、誘致した自治体の税収の増加といった、さまざまな経済効果が見込まれる。他方、暴力団との結びつきが生じたり、周辺地域に性風俗関連施設が増えたりといった懸念もある。

1999年に石原新太郎・現東京都知事が都知事選に立候補した際に、公約の一つとして「お台場カジノ構想」があった。2011年8月には、大阪府が統合型リゾート施設の構築プランを公表したが、その中に娯楽施設の一つとしてカジノ誘致が盛り込まれた。同じく2011年8月、東日本大震災の被災地における復興財源、観光振興の策として、カジノを中心としたリゾート施設の設置を限定的に認可する構想が、国会における超党派の議員連盟「国際観光産業振興議員連盟」(カジノ議連)において検討された。これらのカジノ構想は、いずれも2013年現在まで実現の方途が見えていない。

2013年9月に、夏季オリンピックの東京開催(2020年東京オリンピック)が決定したことで、あらためてカジノ構想の実現に向けた準備が進められている。2013年10月現在、法案は可決する見通しであると見られている。


竹島に関する動画

読み方:たけしまにかんするどうが

いわゆる竹島問題に関する日本側の見解を示すため、YouTubeに外務省の公式チャネルで公開された広報動画。2013年10月16日に投稿された。

竹島に関する動画は、2分未満の比較的短いものであるが、日本の竹島領有の事実や国際法定の位置づけ、昨今の韓国による実効支配に至る歴史的経緯などを簡潔に紹介している。

外務省は、竹島に関する動画と並び、「尖閣諸島に関する動画」も公開している。10月16日の投稿当初の時点ではどちらも日本語版のみ公開されたが、10月末には英語版も公開されている。

関連サイト:
竹島に関する動画 - YouTube
Takeshima - Seeking a Solution based on Law and Dialogue - YouTube
竹島問題 - 外務省