読み方:そしきてきはんざいしょばつほう
別名:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
別名:組織犯罪処罰法
組織的に行われる犯罪に対する刑罰を定める法律。組織犯罪対策三法(組対法)の一つとして、改正刑事訴訟法および通信傍受法とともに、1999年に制定された。制定の背景には、当時暴力団による抗争や企業支配などが社会問題となっていたことや、1995年にオウム真理教により地下鉄サリン事件が引き起こされたことなどがあるとされる。
組織的犯罪処罰法では、組織的に行われる殺人や詐欺などに対して、刑法などで定められる通常の刑罰よりも重い刑罰を科すことが定められている。また、組織的犯罪で得られた権益の没収や追徴などについても定められている。組織的犯罪処罰法は、制定以後、主に暴力団の反社会的行為に対して適用されてきたが、組織的な悪徳商法に対して適用された例もあった。
2013年12月現在、政府は、組織的犯罪処罰法の処罰対象に実行行為を必須としないように改正すること、すなわち「共謀罪」の新設を検討している。その理由としては、現行の法律で組織的犯罪に対する計画段階での強制捜査や処罰を行うことはできないこと、国連の越境組織犯罪防止条約の批准国に共謀罪を定める法律の制定が求められていること、2020年の東京オリンピックに向けてテロ対策の必要性が高まっていることなどが挙げられている。共謀罪の新設に伴い、国家による監視が強化され、国民の権利が侵害されるのではないかという意見もあり、日本弁護士連合会などは改正案に反対の立場を表明している。
関連サイト:
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 - e-gov
日弁連は共謀罪に反対します - 日本弁護士連合会
新語時事用語辞典とは?
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大麻合法化
読み方:たいまごうほうか
別名:マリファナ合法化
大麻の使用を合法とすること。大麻合法化という語はほとんどの場合、医療目的ではなく、娯楽的使用での大麻の合法化を指す。
2013年12月現在、大麻の医療目的での使用が合法とされていたり、娯楽的使用に寛容的な政策がとられていたりする国家はあるが、娯楽的使用の権利が法的に保障された国家はない。日本では、大麻は「麻薬」と見なされ、大麻取締法による規制対象とされており、無許可所持や栽培は違法である。
大麻はソフトドラッグと呼ばれる比較的依存性の低い薬物であり、ハードドラッグと呼ばれるヘロインやコカインなどの乱用を防ぐために、合法化が必要だとする意見がある。オランダなどで事実上大麻の使用が黙認されているのは、主にそれが理由だとされている。また、大麻の不法取引が社会問題となっている中南米諸国では、国によって大麻の流通を管理するとともに、販売価格を安く設定することで、犯罪組織が取引する大麻が市場から駆逐されることを期待する意見がある。
米国では2012年に、3州で大麻合法化の是非を問う住民投票が行われ、そのうちワシントン州とコロラド州で賛成多数により、州レベルでの大麻合法化が実現した。また、ウルグアイではホセ・ムヒカ大統領の政策の一環として、大麻合法化に向けた動きが進められ、2013年には世界初の国家レベルでの大麻合法化に繋がる法案が、議会で可決された。ウルグアイの大麻合法化法案では、一定の制限のもとで、18歳以上の成人の大麻の購入や栽培の権利が保障されている。ウルグアイにおける大麻合法化の動きは、同じく大麻の不法取引が横行している、近隣の中南米諸国に広がりを見せる可能性もあるといわれている。
別名:マリファナ合法化
大麻の使用を合法とすること。大麻合法化という語はほとんどの場合、医療目的ではなく、娯楽的使用での大麻の合法化を指す。
2013年12月現在、大麻の医療目的での使用が合法とされていたり、娯楽的使用に寛容的な政策がとられていたりする国家はあるが、娯楽的使用の権利が法的に保障された国家はない。日本では、大麻は「麻薬」と見なされ、大麻取締法による規制対象とされており、無許可所持や栽培は違法である。
大麻はソフトドラッグと呼ばれる比較的依存性の低い薬物であり、ハードドラッグと呼ばれるヘロインやコカインなどの乱用を防ぐために、合法化が必要だとする意見がある。オランダなどで事実上大麻の使用が黙認されているのは、主にそれが理由だとされている。また、大麻の不法取引が社会問題となっている中南米諸国では、国によって大麻の流通を管理するとともに、販売価格を安く設定することで、犯罪組織が取引する大麻が市場から駆逐されることを期待する意見がある。
米国では2012年に、3州で大麻合法化の是非を問う住民投票が行われ、そのうちワシントン州とコロラド州で賛成多数により、州レベルでの大麻合法化が実現した。また、ウルグアイではホセ・ムヒカ大統領の政策の一環として、大麻合法化に向けた動きが進められ、2013年には世界初の国家レベルでの大麻合法化に繋がる法案が、議会で可決された。ウルグアイの大麻合法化法案では、一定の制限のもとで、18歳以上の成人の大麻の購入や栽培の権利が保障されている。ウルグアイにおける大麻合法化の動きは、同じく大麻の不法取引が横行している、近隣の中南米諸国に広がりを見せる可能性もあるといわれている。
侵略的外来種
読み方:しんりゃくてきがいらいしゅ
別名:侵入種
英語:invasive alien species
英語:IAS
英語:invasive foreign species
他の地域から移入した外来種のうち、急激に増殖したり、分布を拡大させたりすることで、移入先地域の生態系や人間の生活に深刻な被害や悪影響を与える生物種のこと。
侵略的外来種は一般的に、環境の変化に対する適応力が強かったり、拡散能力が高かったりする性質を持つため、根絶は困難な場合が多い。また、侵略的外来種の増殖、分布拡大は、しばしば原産地にいるその種の天敵がいないために起こることから、侵略的外来種が自然に淘汰されることは期待しにくい場合もある。
侵略的外来種が生態系に影響を与える例としては、在来種の生息場所を奪って駆逐したり、他の生物を捕食して生態系のバランスを崩したりする例を挙げることができる。また、在来種と交雑を起こして、地域固有の遺伝子プールを撹乱する遺伝子汚染(遺伝子浸透)を起こす例もある。侵略的外来種が人間の生活に影響を与える例としては、農作物や漁業資源などを食害したり、ヒトを含む動植物の感染症を媒介したりする例を挙げることができる。
国際自然保護連合(IUCN)は「世界の侵略的外来種ワースト100」のリストを、日本生態学会は「日本の侵略的外来種ワースト100」のリストを、それぞれ定めている。
関連サイト:
外来侵入種ワースト100 - IUCN日本委員会
要注意外来生物リスト[外来生物法] - 環境省
別名:侵入種
英語:invasive alien species
英語:IAS
英語:invasive foreign species
他の地域から移入した外来種のうち、急激に増殖したり、分布を拡大させたりすることで、移入先地域の生態系や人間の生活に深刻な被害や悪影響を与える生物種のこと。
侵略的外来種は一般的に、環境の変化に対する適応力が強かったり、拡散能力が高かったりする性質を持つため、根絶は困難な場合が多い。また、侵略的外来種の増殖、分布拡大は、しばしば原産地にいるその種の天敵がいないために起こることから、侵略的外来種が自然に淘汰されることは期待しにくい場合もある。
侵略的外来種が生態系に影響を与える例としては、在来種の生息場所を奪って駆逐したり、他の生物を捕食して生態系のバランスを崩したりする例を挙げることができる。また、在来種と交雑を起こして、地域固有の遺伝子プールを撹乱する遺伝子汚染(遺伝子浸透)を起こす例もある。侵略的外来種が人間の生活に影響を与える例としては、農作物や漁業資源などを食害したり、ヒトを含む動植物の感染症を媒介したりする例を挙げることができる。
国際自然保護連合(IUCN)は「世界の侵略的外来種ワースト100」のリストを、日本生態学会は「日本の侵略的外来種ワースト100」のリストを、それぞれ定めている。
関連サイト:
外来侵入種ワースト100 - IUCN日本委員会
要注意外来生物リスト[外来生物法] - 環境省
オオバナミズキンバイ
別名:大花水金梅
別名:Ludwigia grandiflora ssp. grandiflora
別名:Ludwigia grandiflora subsp. grandiflora
北米南部から南米を原産地とする、アカバナ科チョウジタデ属の水草の一種。繁殖力が強く、日本では侵略的外来種として知られている。
オオバナミズキンバイは、従来日本国内では見られなかった種であり、和名も与えられていなかった。2007年に兵庫県加西市で初めて野外環境への逸出が確認され、2008年に定着の実態が正式に論文発表されるとともに、現在用いられている和名が与えられた。滋賀県の琵琶湖では、2009年にオオバナミズキンバイの定着が初めて確認されてから、2012年までの3年間に、生息域が10倍以上に増加したことが報告されている。主な生息域である琵琶湖の赤野井湾は、琵琶湖の中でも特に汚染度の高い水域といわれており、オオバナミズキンバイの爆発的増殖は、汚濁に伴う富栄養化が原因と見られている。
オオバナミズキンバイは生息域の拡大とともに他の水草を駆逐していることが確認されており、生態系への影響が懸念されている。また、オオバナミズキンバイの近縁種に、在来種で絶滅危惧種のミズキンバイやケミズキンバイがあるが、それらの間で交雑が起こる可能性があり、遺伝子汚染(遺伝子浸透)の問題も危惧されている。
滋賀県や守山市は、オオバナミズキンバイの特定外来生物指定による駆除の法的根拠確立に先立って、早期から駆除方法や堆肥化などの対策を検討し、琵琶湖からの根絶を目指してきた。2013年12月現在、環境省はオオバナミズキンバイの特定外来生物指定を予定していると報じられている。
関連サイト:
侵略的外来水生植物 オオバナミズキンバイからまちを守ろう - 守山市
別名:Ludwigia grandiflora ssp. grandiflora
別名:Ludwigia grandiflora subsp. grandiflora
北米南部から南米を原産地とする、アカバナ科チョウジタデ属の水草の一種。繁殖力が強く、日本では侵略的外来種として知られている。
オオバナミズキンバイは、従来日本国内では見られなかった種であり、和名も与えられていなかった。2007年に兵庫県加西市で初めて野外環境への逸出が確認され、2008年に定着の実態が正式に論文発表されるとともに、現在用いられている和名が与えられた。滋賀県の琵琶湖では、2009年にオオバナミズキンバイの定着が初めて確認されてから、2012年までの3年間に、生息域が10倍以上に増加したことが報告されている。主な生息域である琵琶湖の赤野井湾は、琵琶湖の中でも特に汚染度の高い水域といわれており、オオバナミズキンバイの爆発的増殖は、汚濁に伴う富栄養化が原因と見られている。
オオバナミズキンバイは生息域の拡大とともに他の水草を駆逐していることが確認されており、生態系への影響が懸念されている。また、オオバナミズキンバイの近縁種に、在来種で絶滅危惧種のミズキンバイやケミズキンバイがあるが、それらの間で交雑が起こる可能性があり、遺伝子汚染(遺伝子浸透)の問題も危惧されている。
滋賀県や守山市は、オオバナミズキンバイの特定外来生物指定による駆除の法的根拠確立に先立って、早期から駆除方法や堆肥化などの対策を検討し、琵琶湖からの根絶を目指してきた。2013年12月現在、環境省はオオバナミズキンバイの特定外来生物指定を予定していると報じられている。
関連サイト:
侵略的外来水生植物 オオバナミズキンバイからまちを守ろう - 守山市
REDDプラス
読み方:レッドプラス
英語:REDD+
英語:Reduction of Emission from Deforestation and forest Degradation+
途上国における森林の減少や劣化による、温室効果ガスの排出増加および気候変動(地球温暖化)の進行への対策として、国際機関、各国政府、民間企業、NGO、NPOなどによって行われている支援活動。森林の減少や劣化を防ぐ活動を指す「REDD」に、森林の保全、持続可能な森林経営、森林の炭素蓄積増強などの幅広い「プラス」活動を加えたものが「REDDプラス」と称されている。
2005年の気候変動枠組条約締結国第11回会議(COP11)で、途上国での森林減少削減の重要性が初めて提言され、途上国支援施策が議題として検討されるようになった。数度の会議を経て、施策の具体化および定義拡張が行われ、REDDプラスの呼称が用いられるようになった。2009年の第15回会議(COP15)におけるコペンハーゲン合意には、初めてREDDプラス制度の早期実現が盛り込まれ、非公式の暫定組織「REDD+パートナーシップ」が設立された。その他にも、世界各地でREDDプラスの推進に向けた自主的な取り組みが行われている。2013年に行われた第19回会議(COP19)では、REDDプラスの実施方法や実施体制などの基本的な項目について、参加国の合意が得られた。
REDDプラスの制度は、具体的には、途上国でREDDプラスに該当する取り組みを進める団体に対して、経済的なインセンティブを与えるというものである。しかし、どのような形でインセンティブを提供するかというメカニズムは具体化されてこなかった。COP19では、温室効果ガスの事前に予想された排出量と実際の排出量の差分を、森林保護によって減少した量と見なす「結果主義」の考え方でインセンティブが提供されることに決定した。
また、REDDプラスの推進にあたっては、リモートセンシングなどの手法を用いた森林の量的・質的モニタリングや、森林における炭素蓄積量の測定などの調査研究が不可欠だが、途上国においては特に技術面での不足が大きく、途上国への技術協力による体制の整備が課題となっている。
英語:REDD+
英語:Reduction of Emission from Deforestation and forest Degradation+
途上国における森林の減少や劣化による、温室効果ガスの排出増加および気候変動(地球温暖化)の進行への対策として、国際機関、各国政府、民間企業、NGO、NPOなどによって行われている支援活動。森林の減少や劣化を防ぐ活動を指す「REDD」に、森林の保全、持続可能な森林経営、森林の炭素蓄積増強などの幅広い「プラス」活動を加えたものが「REDDプラス」と称されている。
2005年の気候変動枠組条約締結国第11回会議(COP11)で、途上国での森林減少削減の重要性が初めて提言され、途上国支援施策が議題として検討されるようになった。数度の会議を経て、施策の具体化および定義拡張が行われ、REDDプラスの呼称が用いられるようになった。2009年の第15回会議(COP15)におけるコペンハーゲン合意には、初めてREDDプラス制度の早期実現が盛り込まれ、非公式の暫定組織「REDD+パートナーシップ」が設立された。その他にも、世界各地でREDDプラスの推進に向けた自主的な取り組みが行われている。2013年に行われた第19回会議(COP19)では、REDDプラスの実施方法や実施体制などの基本的な項目について、参加国の合意が得られた。
REDDプラスの制度は、具体的には、途上国でREDDプラスに該当する取り組みを進める団体に対して、経済的なインセンティブを与えるというものである。しかし、どのような形でインセンティブを提供するかというメカニズムは具体化されてこなかった。COP19では、温室効果ガスの事前に予想された排出量と実際の排出量の差分を、森林保護によって減少した量と見なす「結果主義」の考え方でインセンティブが提供されることに決定した。
また、REDDプラスの推進にあたっては、リモートセンシングなどの手法を用いた森林の量的・質的モニタリングや、森林における炭素蓄積量の測定などの調査研究が不可欠だが、途上国においては特に技術面での不足が大きく、途上国への技術協力による体制の整備が課題となっている。
imERYPC
別名:不死化赤血球前駆細胞
英語:immortalized mouse erythroid progenitor cell
試験管内でほぼ無限に増殖させることが可能な赤血球前駆細胞のこと。京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授らの研究グループが作製、命名した。imERYPC作製の成果は、2013年12月に「Stem Cell Reports」誌電子版で発表された。
imERYPCは、ES細胞またはiPS細胞にc-MYCおよびBCL-XLという2つの遺伝子を導入し、それらの遺伝子の過剰発現を誘導することで作製される。発現誘導を停止すると、imERYPCは赤血球の前駆細胞である赤芽球に分化し、この際に酸素運搬に必要なヘムも合成される。imERYPC由来の細胞は酸素運搬能力を持つとともに、マウスに注射すると、通常の赤血球と同様に体内での循環が見られたと報告されている。
細胞の増殖には核が必要だが、赤血球は分化の過程で核を失っているため、自己増殖することができない。そのため従来は、輸血用血液を大量に得るために細胞培養の手法を用いることはできず、輸血用血液の確保手段はドナーによる献血や自己血輸血にほぼ限られてきた。将来的には、imERYPCを用いた赤血球作製の効率性を高めることで、輸血用血液の安定確保が実現できる可能性があるという。
関連サイト:
増殖能の盛んな赤血球前駆細胞による赤血球を大量生産するための方法確立 - 京都大学
Immortalization of Erythroblasts by c-MYC and BCL-XL Enables Large-Scale Erythrocyte Production from Human Pluripotent Stem Cells - Stem Cell Reports
英語:immortalized mouse erythroid progenitor cell
試験管内でほぼ無限に増殖させることが可能な赤血球前駆細胞のこと。京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授らの研究グループが作製、命名した。imERYPC作製の成果は、2013年12月に「Stem Cell Reports」誌電子版で発表された。
imERYPCは、ES細胞またはiPS細胞にc-MYCおよびBCL-XLという2つの遺伝子を導入し、それらの遺伝子の過剰発現を誘導することで作製される。発現誘導を停止すると、imERYPCは赤血球の前駆細胞である赤芽球に分化し、この際に酸素運搬に必要なヘムも合成される。imERYPC由来の細胞は酸素運搬能力を持つとともに、マウスに注射すると、通常の赤血球と同様に体内での循環が見られたと報告されている。
細胞の増殖には核が必要だが、赤血球は分化の過程で核を失っているため、自己増殖することができない。そのため従来は、輸血用血液を大量に得るために細胞培養の手法を用いることはできず、輸血用血液の確保手段はドナーによる献血や自己血輸血にほぼ限られてきた。将来的には、imERYPCを用いた赤血球作製の効率性を高めることで、輸血用血液の安定確保が実現できる可能性があるという。
関連サイト:
増殖能の盛んな赤血球前駆細胞による赤血球を大量生産するための方法確立 - 京都大学
Immortalization of Erythroblasts by c-MYC and BCL-XL Enables Large-Scale Erythrocyte Production from Human Pluripotent Stem Cells - Stem Cell Reports
ミニ肝臓
読み方:ミニかんぞう
英語:mini-liver
英語:iPSC-LBs
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製された、肝臓に似た小型の構造の通称。2013年に横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究グループが作製に成功し、成果を「Nature」誌で発表した。谷口研究グループの論文では、「ミニ肝臓」は「iPSC-LBs(iPS細胞肝芽)」と称されている。ミニ肝臓の作製は、iPS細胞を培養して、機能を持つ三次元的な器官に分化させた世界初の例となった。
ミニ肝臓は、iPS細胞由来の肝細胞前駆細胞に、血管のもととなる内皮細胞と、細胞を接着するはたらきを持つ間葉系細胞を混ぜて培養することにより作製された。ミニ肝臓は厳密には肝臓そのものではなく、肝臓の原基に相当する「肝芽」であるが、生体に移植すると正常な肝臓と同様に血管を発達させ、タンパク質の合成や解毒作用など、肝臓が持つ機能も果たしていたという。ミニ肝臓を重度の肝不全に罹患したマウスに移植すると、9割が生存したと報告されている。
将来的には、ミニ肝臓を血管に注射して肝臓に送り込むことで臓器の治療を行う、「臓器原基移植療法」が可能になるといわれており、10年以内の実用化を目指して研究が進められている。この治療法が実現すれば、従来の臓器移植に代わる肝臓疾患の治療法となることが見込まれる。
関連サイト:
Vascularized and functional human liver from an iPSC-derived transplant - Nature
英語:mini-liver
英語:iPSC-LBs
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製された、肝臓に似た小型の構造の通称。2013年に横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究グループが作製に成功し、成果を「Nature」誌で発表した。谷口研究グループの論文では、「ミニ肝臓」は「iPSC-LBs(iPS細胞肝芽)」と称されている。ミニ肝臓の作製は、iPS細胞を培養して、機能を持つ三次元的な器官に分化させた世界初の例となった。
ミニ肝臓は、iPS細胞由来の肝細胞前駆細胞に、血管のもととなる内皮細胞と、細胞を接着するはたらきを持つ間葉系細胞を混ぜて培養することにより作製された。ミニ肝臓は厳密には肝臓そのものではなく、肝臓の原基に相当する「肝芽」であるが、生体に移植すると正常な肝臓と同様に血管を発達させ、タンパク質の合成や解毒作用など、肝臓が持つ機能も果たしていたという。ミニ肝臓を重度の肝不全に罹患したマウスに移植すると、9割が生存したと報告されている。
将来的には、ミニ肝臓を血管に注射して肝臓に送り込むことで臓器の治療を行う、「臓器原基移植療法」が可能になるといわれており、10年以内の実用化を目指して研究が進められている。この治療法が実現すれば、従来の臓器移植に代わる肝臓疾患の治療法となることが見込まれる。
関連サイト:
Vascularized and functional human liver from an iPSC-derived transplant - Nature
アサハン開発事業
読み方:アサハンかいはつじぎょう
別名:アサハン計画
別名:アサハン事業
別名:アサハンアルミニウム計画
別名:アサハンアルミニウム事業
インドネシアの北スマトラ州を流れるアサハン川に、大規模な水力発電所とアルミニウム製錬工場や、関連するニュータウンや港湾などを建設する開発事業。1976年に日系企業連合とインドネシア政府との合弁会社として設立された、アサハン・アルミニウム社(INALUM)により進められた。
アサハン川流域でアルミニウムを生産する構想は戦前からあり、オランダ、旧ソ連、米国などが開発に意欲を見せたこともあったが、最終的には日本のみが残り、アサハン開発事業は日本のインドネシアに対する経済協力プロジェクトとして推進されることとなった。アサハン開発事業は、多額の公的資金が投じられた一大プロジェクトであり、日本とインドネシアの経済協力および友好の象徴とされてきた。
アサハン開発事業の第一期工事は1982年に完了し、アサハン川流域では以後継続的にアルミニウムの生産が行われてきた。年間生産量は約26万トンで、うち約6割が日本に輸出されてきた。負債増加による資本注入を受けた時期もあったが、日本にとってはアルミニウムの安定供給源の確保に成功し、インドネシアでは産業の育成に繋がったことなどから、プロジェクトは一定の成果を挙げたとされている。
2013年に、1975年に締結された協定が満期を迎えるにあたって、日本側は新たに3億ドルを投資して事業を拡大継続する意向だったが、インドネシア側は議会の反対もあり提案を受け入れなかった。また、両国の間で希望譲渡価格に隔たりがあったことなどから交渉は難航し、一時は投資紛争解決国際センターによる仲裁も視野に入れられた。交渉の結果、インドネシア政府が日本企業連合に5億5700万ドルを支払って完全買収(国有化)する形で、アサハン・アルミニウム社の合弁解消が決定した。
別名:アサハン計画
別名:アサハン事業
別名:アサハンアルミニウム計画
別名:アサハンアルミニウム事業
インドネシアの北スマトラ州を流れるアサハン川に、大規模な水力発電所とアルミニウム製錬工場や、関連するニュータウンや港湾などを建設する開発事業。1976年に日系企業連合とインドネシア政府との合弁会社として設立された、アサハン・アルミニウム社(INALUM)により進められた。
アサハン川流域でアルミニウムを生産する構想は戦前からあり、オランダ、旧ソ連、米国などが開発に意欲を見せたこともあったが、最終的には日本のみが残り、アサハン開発事業は日本のインドネシアに対する経済協力プロジェクトとして推進されることとなった。アサハン開発事業は、多額の公的資金が投じられた一大プロジェクトであり、日本とインドネシアの経済協力および友好の象徴とされてきた。
アサハン開発事業の第一期工事は1982年に完了し、アサハン川流域では以後継続的にアルミニウムの生産が行われてきた。年間生産量は約26万トンで、うち約6割が日本に輸出されてきた。負債増加による資本注入を受けた時期もあったが、日本にとってはアルミニウムの安定供給源の確保に成功し、インドネシアでは産業の育成に繋がったことなどから、プロジェクトは一定の成果を挙げたとされている。
2013年に、1975年に締結された協定が満期を迎えるにあたって、日本側は新たに3億ドルを投資して事業を拡大継続する意向だったが、インドネシア側は議会の反対もあり提案を受け入れなかった。また、両国の間で希望譲渡価格に隔たりがあったことなどから交渉は難航し、一時は投資紛争解決国際センターによる仲裁も視野に入れられた。交渉の結果、インドネシア政府が日本企業連合に5億5700万ドルを支払って完全買収(国有化)する形で、アサハン・アルミニウム社の合弁解消が決定した。
ネルソン・マンデラ
英語:Nelson Mandela
別名:マンデラ氏
1918年生まれの、南アフリカ共和国の政治家、弁護士。アパルトヘイト撤廃の業績により、フレデリック・ウィレム・デクラークとともに、1993年にノーベル平和賞を受賞した。
ネルソン・マンデラは1944年にアフリカ民族会議(ANC)に入党し、南アフリカ共和国における人種差別政策「アパルトヘイト」の撤廃に向けて尽力した。1962年にマンデラ氏は、アフリカ民族会議の非合法化に伴い逮捕され、反体制活動家として無期懲役の判決を受け、獄中生活を送ることとなった。マンデラ氏は収監中に通信課程で法学博士号を取得したほか、ネルー賞やサハロフ賞などの賞を受賞している。
1989年にフレデリック・ウィレム・デクラークが大統領に就任すると、国内でのアパルトヘイト反対運動の高まりや、国外からの経済制裁を伴う非難を受けて、アパルトヘイト撤廃に向けた改革を断行した。その一環として、反アパルトヘイトの象徴として慕われていたマンデラ氏の釈放が行われ、マンデラ氏は27年間の獄中生活を終えることとなった。
マンデラ氏は、1994年に初めて行われた全人種参加の選挙で当選し、初の黒人大統領として、第8代南アフリカ共和国大統領に就任した。これにより、アパルトヘイトの完全撤廃が実現した。マンデラ氏は、大統領就任以後は、差別撤廃や格差縮小に向けた政策を行った。
マンデラ氏は1999年まで大統領を務めたのちに政界を引退し、その後の人生を慈善活動に捧げ、2013年12月に95歳で死去した。マンデラ氏の追悼式には、世界各国の指導者や一般市民ら数万人が集まった。
別名:マンデラ氏
1918年生まれの、南アフリカ共和国の政治家、弁護士。アパルトヘイト撤廃の業績により、フレデリック・ウィレム・デクラークとともに、1993年にノーベル平和賞を受賞した。
ネルソン・マンデラは1944年にアフリカ民族会議(ANC)に入党し、南アフリカ共和国における人種差別政策「アパルトヘイト」の撤廃に向けて尽力した。1962年にマンデラ氏は、アフリカ民族会議の非合法化に伴い逮捕され、反体制活動家として無期懲役の判決を受け、獄中生活を送ることとなった。マンデラ氏は収監中に通信課程で法学博士号を取得したほか、ネルー賞やサハロフ賞などの賞を受賞している。
1989年にフレデリック・ウィレム・デクラークが大統領に就任すると、国内でのアパルトヘイト反対運動の高まりや、国外からの経済制裁を伴う非難を受けて、アパルトヘイト撤廃に向けた改革を断行した。その一環として、反アパルトヘイトの象徴として慕われていたマンデラ氏の釈放が行われ、マンデラ氏は27年間の獄中生活を終えることとなった。
マンデラ氏は、1994年に初めて行われた全人種参加の選挙で当選し、初の黒人大統領として、第8代南アフリカ共和国大統領に就任した。これにより、アパルトヘイトの完全撤廃が実現した。マンデラ氏は、大統領就任以後は、差別撤廃や格差縮小に向けた政策を行った。
マンデラ氏は1999年まで大統領を務めたのちに政界を引退し、その後の人生を慈善活動に捧げ、2013年12月に95歳で死去した。マンデラ氏の追悼式には、世界各国の指導者や一般市民ら数万人が集まった。
石炭ガス化複合発電
読み方:せきたんガスかふくごうはつでん
別名:石炭ガス化コンバインドサイクル発電
別名:ガス化複合発電
英語:Integrated coal Gasification Combined Cycle
英語:IGCC
石炭火力発電の方式のうち、石炭をあらかじめ高温で燃焼させ気体に転換(ガス化)し、ガスタービンと蒸気タービンを併用する複合発電(コンバインドサイクル発電)を実現する方式。
従来型の石炭火力発電は、石炭を燃焼させ、その熱にで蒸気タービンを回すことにより発電を行う。石炭ガス複合発電の場合、はじめに石炭ガス化を経ることによってガスタービン発電に利用できるようにし、さらにそのガスを燃焼させ蒸気タービンによる発電も行う。同じ燃料を何度も発電に使用することにより、同量の燃料でより多くの電力を生産することができる。
IGCCは、同量の石炭を固体のまま燃焼させる方式と比べて何割か発電効率を向上させることが可能とされる。石油火力発電に比べれば重量当たりの発電力はまだ劣るとしても、石油に比べて石炭は資源量が豊富であり、その分だけ安価に発電できる利点が享受できる。また、石炭火力発電は石油や天然ガスに比べて二酸化炭素などのいわゆる温室効果ガスを多く排出するが、高効率で発電することによって電力生産量あたりのガス排出量を削減することが可能となる。
2007年に株式会社クリーンコールパワー研究所が石炭ガス化複合発電を用いた発電の実証実験を開始し、2013年に常磐共同火力株式会社が設備を引き継ぎ、勿来発電所において商用設備として運転している。
関連サイト:
IGCC(石炭ガス化複合発電)とは - クリーンコールパワー研究所
IGCC(石炭ガス化複合発電) - 勿来発電所
別名:石炭ガス化コンバインドサイクル発電
別名:ガス化複合発電
英語:Integrated coal Gasification Combined Cycle
英語:IGCC
石炭火力発電の方式のうち、石炭をあらかじめ高温で燃焼させ気体に転換(ガス化)し、ガスタービンと蒸気タービンを併用する複合発電(コンバインドサイクル発電)を実現する方式。
従来型の石炭火力発電は、石炭を燃焼させ、その熱にで蒸気タービンを回すことにより発電を行う。石炭ガス複合発電の場合、はじめに石炭ガス化を経ることによってガスタービン発電に利用できるようにし、さらにそのガスを燃焼させ蒸気タービンによる発電も行う。同じ燃料を何度も発電に使用することにより、同量の燃料でより多くの電力を生産することができる。
IGCCは、同量の石炭を固体のまま燃焼させる方式と比べて何割か発電効率を向上させることが可能とされる。石油火力発電に比べれば重量当たりの発電力はまだ劣るとしても、石油に比べて石炭は資源量が豊富であり、その分だけ安価に発電できる利点が享受できる。また、石炭火力発電は石油や天然ガスに比べて二酸化炭素などのいわゆる温室効果ガスを多く排出するが、高効率で発電することによって電力生産量あたりのガス排出量を削減することが可能となる。
2007年に株式会社クリーンコールパワー研究所が石炭ガス化複合発電を用いた発電の実証実験を開始し、2013年に常磐共同火力株式会社が設備を引き継ぎ、勿来発電所において商用設備として運転している。
関連サイト:
IGCC(石炭ガス化複合発電)とは - クリーンコールパワー研究所
IGCC(石炭ガス化複合発電) - 勿来発電所