新語時事用語辞典とは?

2014年1月31日金曜日

流通食品毒物混入防止法

読み方:りゅうつうしょくひんどくぶつこんにゅうぼうしほう
別名:流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法

市場に流通する食品に対して毒物を混入するなどの行為に対する刑罰などを定めた法律。1984年から1985年にかけて発生したグリコ・森永事件を契機として、1987年に制定された。

グリコ・森永事件では、犯人による食品への毒物(シアン化ナトリウム)の混入が行われたが、死傷者が発生しなかったこと、毒入りであることを示す張り紙がされていたことなどから、傷害未遂、殺人未遂の罪の適用は困難とされた。しかし、そのような行為に対して適用される偽計業務妨害罪(刑法第233条)は軽すぎるとして、新たな法律の制定が望まれ、流通食品毒物混入防止法が成立した。

流通食品毒物混入防止法では、偽計業務妨害罪よりも重い罰則が定められている。第9条では、流通食品に毒物を混入・添加・塗布した者と、毒物を含む食品を流通食品と混在させた者に対して、10年以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が定められている。また、それらの行為で人を死傷させた場合は、無期懲役または1年以上の懲役という罰則が適用される。

製造業者が毒物の混入を知りながら警察などにそれを知らせなかった場合には、第4条および第10条の規定により、20万円以下の罰金刑が定められている。

関連サイト:
流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法 - e-gov

アングレーム国際漫画祭

読み方:アングレームこくさいまんがさい
英語:Angoulême International Comics Festival
別名:Festival international de la bande dessinée d'Angoulême

フランス南西部のアングレームで毎年開催されているマンガ・コミック関連のイベント。

アングレーム国際漫画祭は、1974年に、フランス語圏を中心とする漫画文化「バンド・デシネ(ベデ)」のファン活動として始まった。以後その規模は徐々に拡大し、国際的規模のイベントに成長した。2013年の催しでは来場者が20万人を超えたとされている。マンガ関連のイベントとしては、日本のコミケ(コミックマーケット)に次ぐ規模といえる。なおコミケの来場者は50万人を超えている。

アングレーム国際漫画祭では、1976年より、優れた作品・作家に賞を贈っている。作家1名にグランプリが贈られ、場合によっては特別賞が設けられる年もある。長らくバンド・デシネがアングレーム国際漫画祭のメインだった背景もあり、これまで賞の大半はフランス人作家に贈られてきた、2013年には「40周年記念特別賞」が設けられ、鳥山明に贈られた。これは日本人として初の受賞となった。

2014年1月に催されたアングレーム国際漫画祭では、日韓のいわゆる「従軍慰安婦問題」について、韓国および日本がそれぞれ自らの主張を織り込んだマンガ作品を出展するとしていた。このうち日本側の展示品だけが「政治的宣伝にあたる」との理由から撤去された。この事態を受けて、駐仏日本大使が会見を開くなどの騒動が起きている。

フランスで開催される、日本のマンガ文化の紹介機会となるイベントとしては、「ジャパンエキスポ」などもある。ジャパンエキスポは日本文化をテーマに、伝統文化からサブカルチャーまで幅広く紹介する、いわば日本文化の博覧会である。

関連サイト:
41e Festival de la Bande Dessinée d'Angoulême – 30 janvier au 2 février 2014

フォアグラ

別名:foie gras

特殊な手法(強制給餌)を施すことにより、脂肪分を多く含んだガチョウ、カモ、アヒルなどの肝臓のこと。全世界の生産量の8割以上はフランスで生産されている。フォアグラはトリュフ、キャビアとともに、世界三大珍味の一つに数えられており、高級食材として知られている。

フォアグラの生産において行われる強制給餌とは、屠殺を控えた鳥に対して、漏斗を使って強制的に大量のペースト状の餌を与えて肥育する手法である。これにより、鳥の肝臓は脂肪肝の状態となり、通常の10倍以上の大きさに膨れ上がる。強制給餌を受けた鳥は呼吸や歩行が困難になり、強制給餌の際にできた傷が炎症化することもしばしばあるといわれる。

一部の動物愛護団体は、フォアグラの生産手法が非人道的であるなどとして、抗議活動や不買運動などを行っている。また、欧州連合(EU)は1999年に、強制給餌が動物虐待にあたるとする勧告を公表しており、その後ドイツやイタリアなど、ヨーロッパ諸国を中心とする十数か国で、法律によりフォアグラの生産が禁止された。その他、強制給餌が法律により禁止されたことで、実質的にフォアグラの生産が禁止となっている国も数か国ある。

日本では2013年頃からフォアグラの低価格化が進み、ホテルのレストランなどで格安で提供されるようになったほか、ファミリーレストランや居酒屋などでもフォアグラを取り入れたメニューが見られるようになった。2014年1月からは、コンビニエンスストアでもフォアグラを使用した弁当の発売が予定されていたが、動物愛護団体からの抗議を受けて発売中止となった。

一つの中国

読み方:ひとつのちゅうごく
別名:一つの中国政策
別名:一つの中国の原則
別名:1つの中国
別名:一個中國
別名:一个中国
別名:一個中國原則
別名:一个中国原则
英語:One-China
英語:One-China policy
英語:One China principle

中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)が一つの国家である、あるいはそうあるべきだとするイデオロギーのこと。

「一つの中国」の語は特に、中華民国政府の合法性を認めず、台湾は中華人民共和国の一部だとする、中華人民共和国側の立場を指すことが多い。中華人民共和国が「一つの中国」を原則として強く主張しており、中華民国との二重の国家承認を認めていない。一方、台湾では、近年は「一つの中国」論が強く主張される傾向は少ないものの、台湾側の立場を取った場合には、「一つの中国」は中華民国を指すことになる。

国共内戦の結果として、1949年以降、中華人民共和国政府と中華民国政府の2つの政府が、ともに「中国」を自称するようになった。中華人民共和国はその後一貫して、「一つの中国」のイデオロギーのもとで台湾との統一を目指しており、香港やマカオと同様に、「一国二制度」を適用することを現実的な手段として推進してきた。

一方、台湾では指導者が変わるごとに、中華人民共和国との関係の解釈が変化してきた。蒋介石時代には「一つの中国」の考えを堅持し、中華人民共和国に対する敵対姿勢を保っていたが、のちに李登輝総統が「両国論(二国論)」を、陳水扁総統が「一辺一国論」を主張するなど、「一つの中国」のイデオロギーを離れ、独立路線をとる傾向が見られた。

無人攻撃機

読み方:むじんこうげきき
別名:無人戦闘機
別名:無人戦闘攻撃機
別名:無人戦闘航空機
英語:UCAV
英語:Unmanned Combat Aerial Vehicle

攻撃能力を持つ軍用の無人航空機(UAV)のこと。無人偵察機に対して、ミサイルや爆弾などの攻撃機能を付与し、偵察任務と攻撃任務の両方を行うことを可能にした兵器である。

米軍は2001年から、無人攻撃機として「プレデター」や「リーパー」などの無人攻撃機を導入、運用しており、アフガニスタンやパキスタンにおける対テロ作戦などで活用している。2014年現在までに、テロ組織の司令官を複数人殺害するなどの戦果を挙げてきたが、誤爆による民間人の犠牲も多数出ているとされる。米軍は、民間人の犠牲をできるだけ少なくするために、より威力の低いミサイルを用いるなどの対策を行っている。

無人攻撃機の利点としては、搭乗員の生命の危険がないこと、パイロット養成に必要なコストが少ないこと、機体が小型で比較的安価であることなどが挙げられている。欠点としては、誤爆などの精密性に関する問題が挙げられるほか、無人攻撃機のパイロットが「ゲーム感覚」で人を殺害しているのではないかなどとして、非人道的な兵器だという批判が行われることがある。しかし、実際には無人攻撃機のパイロットの精神的負担は大きく、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に陥るパイロットが多いともいわれている。

2010年の時点で、無人攻撃機を含む無人航空機を開発または運用している国は、40か国以上に及ぶとされた。日本の自衛隊は、中国・北朝鮮対策を念頭に、2014年度から無人偵察機「RQ-4 グローバルホーク」を購入することを発表したが、無人攻撃機の開発または導入の予定はないとされている。近年は、無人攻撃機にステルス性を付与した「ステルス無人攻撃機」も開発されており、2014年1月現在、米国、フランス、ドイツ、中国の4か国が開発の成功を発表している。

マイナススプレッド

外国為替証拠金取引(FX)において、売値が買値を上回っている状態のこと。

マイナススプレッドは、外国為替証拠金取引業者がNDDと呼ばれるインターバンク直結方式を採用している場合に、まれに発生することがある。

外国為替証拠金取引では、一般的に買値が売値を上回った状態で価格提示される。例えば、米ドル/円の売値が102.45円であれば、買値は102.47円といった価格になる。この場合のスプレッドは2銭で、投資家に売買コストが発生する。一方、マイナススプレッドでは、売値が102.48円で買値が102.46円といった価格提示になる。この場合、瞬時に買い、売りを行えば利益が発生することになる。

NDD

読み方:エヌディーディー
英語:no dealing desk
別名:インターバンク直結方式

外国為替証拠金取引(FX)において、投資家とカバー先が直接注文を行う取引方法のこと。

NDDでは、外国為替証拠金取引業者が複数のカバー先から最良の売値と買値を選び出して投資家に提示し、投資家は、その価格で取引を行う。日本においては、FX業者が独自に決定した価格を投資家に提示する、相対方式が一般的となっている。

NDDでは、投資家にとって最良の価格が表示されるため、まれにマイナススプレッドが発生することがある。

ラウンドボトム

英語:round bottom

株価や為替レートをチャート表示した際に、その推移が円の下半分のような形になった状態。

ラウンドボトムは、強い売り圧力によって価格が急落するところから始まる。その後、売り圧力が次第に弱まり、価格はゆるやかに下降していく。底値を形成すると一転し、今度は買い圧力が次第に強まり、価格がゆるやかに上昇していく。その後、強い買い圧力によって価格が急騰し、ラウンドボトムが形成される。

ラウンドボトムが形成された後は、高値圏でのもみ合い状態が続くことが多く、もみ合いが終わると上放れすることがある。

なお、ラウンドボトムに対して、円の上半分のような形になった状態をラウンドトップという。

ラウンドトップ

英語:round top

株価や為替レートをチャート表示した際に、その推移が円の上半分のような形になった状態。

ラウンドトップは、強い買い圧力によって価格が急騰するところから始まる。その後、買い圧力が次第に弱まり、価格はゆるやかに上昇していく。高値を形成すると一転し、今度は売り圧力が次第に強まり、価格がゆるやかに下降していく。その後、強い売り圧力によって価格が急落し、ラウンドトップが形成される。

ラウンドトップが形成された後は、安値圏でのもみ合い状態が続くことが多く、もみ合いが終わると下放れすることがある。

なお、ラウンドトップに対して、円の下半分のような形になった状態をラウンドボトムという。