新語時事用語辞典とは?

2014年3月6日木曜日

還付金残高確認証

読み方:かんぷきんざんだかかくにんしょう

証書に記載された額面金額を、国債に引き換えることのできる証書。架空の証書。

還付金残高確認証の表には、引き換えられる旨の文が大臣の名義で記載されており、裏には、財務省や理財局などの押印がある。

還付金残高確認証は架空の証書であり、額面金額通りに国債に引き換えすることはできない。財務省(大蔵省)では、過去に還付金残高確認証を発行したことはなく、また、法律上にも還付金残高確認証は存在していない。

関連サイト:
「還付金残高確認証」(架空の証書)についてのご注意 - 財務省

ジェットコースター相場

読み方:ジェットコースターそうば

株価や為替レートが乱高下している相場のこと。

ジェットコースター相場は、相場を上がったり下がったりを繰り返しながら進むジェットコースターに見立てたものである。

ジェットコースター相場では、急騰や急落を繰り返す。そのため、目先の方向感を知ることは容易ではない。ジェットコースター相場での取引は、大きな利益を生むこともあれば、大きな損害を被る場合もあり、通常の相場での取引よりも高いリスクを伴う。

バッドティック

英語:bad tick

外国為替証拠金取引(FX)などにおいて、証券会社が提示する異常な為替レート。主に、証券会社の使用するシステムのエラーに因って発生する。

バッドティックは、通常ではあり得ないような為替レートが表示される。例えば、米ドル/円が100円前後で推移していたのが、急に1000円や10円といったレートになる。

ほとんどの証券会社の場合、バッドティックによる取引が成立した場合、無効になることが多い。

オープンポジション

英語:open positiotn

株式取引や外国為替証拠金取引(FX)などにおいて、建玉のある状態。単にポジションともいう。

オープンポジションは、例えば、株式取引においては、株式をまだ売らないで保有している状態のことである。また、外国為替証拠金取引では、売り建てしたまま、まだ買い戻していない状態などのことである。

オープンポジションは、建玉へのヘッジのない状態を指すこともある。例えば、現物株式を買い建てし、株価指数先物を売り建てしていない状態をオープンポジションという。

脂肪滴

読み方:しぼうてき
別名:脂質滴
別名:油滴
別名:アディポソーム
英語:fat droplet
英語:lipid droplet
英語:lipid body
英語:oil body
英語:adiposome

細胞中に存在する、脂質やタンパク質などを含む球形の液滴のこと。ヒトを含む様々な真核生物に広く見られる。脂肪滴は細胞内小器官(オルガネラ)の一種であり、リン脂質からなる単層の膜で包まれている。脂肪細胞では、脂肪滴が細胞質の大部分を占めている。

脂肪滴には、生体のエネルギー源となる脂質を蓄積するという役割がある。自然界では、栄養分が必ずしも十分に、あるいは継続的に得られないことがしばしばあることから、脂肪滴の形成による栄養分の蓄積は、生存において極めて重要なメカニズムといえる。しかし、栄養過多の環境に置かれているヒトにおいては、脂肪が脂肪滴に過剰に蓄積されることが、肥満、ひいては様々な生活習慣病をもたらすことが問題視されている。

抗肥満薬(痩せ薬)の開発にあたっては、脂肪滴の形成に繋がる生体内でのシグナル伝達を阻害するという手法が目指されることがある。2013年に東京大学の佐藤隆一郎教授らの研究グループは、脂肪滴の形成がさらなる脂肪滴の形成を促すという循環を明らかにし、その循環を遮断することが肥満の抑制に繋がることを示唆した。2014年現在、脂肪滴形成のメカニズムは完全には明らかになっておらず、生化学的手法、分子生物学的手法など、様々なアプローチで研究が進められている。

2010年に東京大学の宮崎徹教授らの研究グループは、従来アポトーシス抑制因子として知られていたAIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)が、脂肪細胞に作用した場合、細胞中の脂肪滴を融解し、脂肪細胞の大きさを著しく減少させる効果を持つことを明らかにした。脂肪細胞の縮小は肥満の改善に繋がることから、AIMを抗肥満薬として応用する研究が行われている。

参考リンク:
脂肪細胞中にたまった脂肪滴を溶かし、肥満を抑制するタンパク質AIMの発見-画期的な痩せ薬開発の可能性 - 東京大学
脂肪細胞における「肥満へのサイクル」の存在が明らかに -脂肪滴形成がさらなる脂肪蓄積を促す- - 東京大学

CAR細胞

読み方:シーエーアールさいぼう
別名:CXCL12を高発現する細網細胞
別名:CXCL12を高発現する突起を持った細胞
英語:CXCL12-abundant reticular cell
英語:CAR cell

骨髄の内部に分布し、CXCL12というケモカイン(タンパク質の一種)を盛んに産生することで特徴づけられる細網細胞の一種。2010年に、京都大学再生医科学研究所の長澤丘司教授らの研究グループが発見、命名した。CAR細胞の「CAR」は、「CXCL12-abundant reticular」の略語である。

CAR細胞は、造血幹細胞の分化、あるいは未分化性の維持に関わる微小環境(造血幹細胞ニッチ)の主要な構成要素として、造血の制御に深く関与していると考えられている。「Nature Japan」の2010年の特集記事では、「司令塔細胞」と表現された。

CAR細胞は長い突起を持ち、その突起に接着した造血幹細胞に対して、白血球、赤血球などへの分化を促す性質を持つことが知られている。CAR細胞で産生されるCXCL12やSCFなどの分子が造血幹細胞前駆細胞(HSPC)に作用することで、分化が起こると考えられている。

2014年に「Nature」誌に掲載された論文では、CAR細胞で産生される転写因子の一種「Foxc1」が、CXCL12やSCFなどの発現促進と、CAR細胞自身の維持に関与していることが示唆された。CAR細胞自身は、骨芽細胞や脂肪細胞に分化することが明らかにされているが、Foxc1を欠損するマウスでは、CAR細胞が維持されず、多くが脂肪細胞に分化し、骨髄内が脂肪細胞で満たされるとともに、造血幹細胞や血液細胞の産生も著しく減少した。

iPS細胞などを用いてCAR細胞を人工的に創出することにより、造血幹細胞の増殖促進や、骨髄移植の手法の改良が実現できる可能性があるとされている。また、従来の薬剤が血液細胞を主標的としてきたのに対して、CAR細胞が関与する造血幹細胞ニッチに作用する薬剤を開発することで、白血病などの疾患の新たな治療法の開発に繋がる可能性があるともされている。

関連サイト:
Foxc1 is a critical regulator of haematopoietic stem/progenitor cell niche formation - Nature
生体システム制御学分野長澤研究室 - 京都大学再生医科学研究所
造血幹細胞と造血を制御する司令塔である骨髄のニッチの形成に必須の転写因子を発見 - 京都大学
造血幹細胞の維持と分化を支える「司令塔細胞」を特定! - Nature Japan

昆明駅

読み方:こんめいえき
別名:クンミン駅
別名:昆明南駅
別名:昆明火车站
別名:昆明站
英語:Kunming Station
英語:Kunming Railway Station

中国雲南省の省都、昆明市の中心駅。市街地から南に約4キロメートル離れた地点に位置する。昆明駅は中国南西部における鉄道交通の要衝であり、成昆線、滬昆線、南昆線、内昆線の4路線が乗り入れ、その全路線の起点あるいは終点となっている。

昆明駅は、2013年11月に着工が開始された、雲南高速鉄道の新駅(新昆明南駅)からは約28キロメートルの位置にある。新駅が建設される呈貢地区(昆明市呈貢区)は、昆明の新都心として急速に開発が進められており、昆明駅はそれに対する旧市街の中心駅として機能することが見込まれている。

昆明市には、他に昆河鉄路の昆石線および昆小線が乗り入れる「昆明北駅」もあることから、昆明駅は地元では「南站(南駅)」と呼ばれることも多いとされる。

2014年3月1日に、昆明駅の構内および周辺で、29人が死亡、143人が負傷した無差別殺傷事件が発生した(2014年昆明駅暴力テロ事件)。犯人グループは8人からなり、4人が射殺され、4人が拘束された。昆明市当局は、犯人グループを新疆ウイグル自治区の独立派テロリストと断定した。

右派セクター

読み方:うはセクター
別名:Пра́вий се́ктор
英語:Right Sector

ウクライナの首都キエフを中心に活動し、しばしば「極右団体」や「過激派」などと形容される政治団体。

右派セクターは、2014年3月現在、およそ2千人から3千人の構成員を擁するとされている。構成員は主に民族主義者とされており、一部の者は反ユダヤ主義やナチズムの思想を掲げているともされている。右派セクターは、右派政党として知られる「全ウクライナ連合・自由」と密接な関係にあるともいわれている。

右派セクターは、複数の右翼団体の連合組織として、2013年末から2014年の初めにかけて設立された。当時、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権に対する反政府デモ(ユーロマイダン)が加熱する中で、右派セクターは、政府、野党連合に続く「第三勢力」として、急速に勢力を拡大した。反政府デモが次第に過激化していった背景には、右派セクターの影響があったともいわれている。右派セクターは、政府を批判するとともに、野党連合に対しても「革命を恐れている」などとする批判を行っていた。

右派セクターは、ヤヌコーヴィチ政権の崩壊後は、キエフ市内で自警団としての活動を行っていることが報じられている。また、指導者らがイスラエル大使館を訪れ、自らの団体が反ユダヤ主義や狂信的な愛国主義を掲げていないことを説明する出来事もあった。

2014年3月に右派セクターの指導者、ドミトロ・ヤロシ(Dmytro Yarosh)は、チェチェンを中心とした北カフカス地方で活動する武装過激派組織、「イマラト・カフカス」の指導者、ドク・ウマロフに対して、「ウクライナへの支援」を求めた。ドク・ウマロフは、国際テロ組織「アルカーイダ」と強い繋がりを持つテロリストと見なされていることから、ロシア連邦捜査委員会はドミトロ・ヤロシを国際指名手配した。