新語時事用語辞典とは?

2014年3月20日木曜日

DevOps

読み方:デブオプス
別名:Development and Vperations
別名:Dev and Ops
別名:Dev and Ops Cooperation
別名:DevOps

ソフトウェア開発の取り組みにおいて、開発(development)と管理運用(operations)の両担当部門を緊密に連携させること。より迅速なシステム構築、ソフトウェア開発を実現する手法の一つとして提唱されている。

アイティメディアが運営する「@IT」の特集記事によれば、DevOpsの語の初出は2009年にオライリーメディア(O'Reilly Media)が主催した「Velocity 2009」であるとしている。同イベントでは写真共有サービス「Flickr」のエンジニアJohn AllspawとPaul Hammondが、「10+ Deploys Per Day: Dev and Ops Cooperation at Flickr」と題するセッションを行った。同タイトルは、DevOpsによって1日に10回以上、システムの更新リリースを行うことが可能になるということを示唆している。

DevOpsは、迅速なソフトウェア開発手法という観点からアジャイル(アジャイルソフトウェア開発)の手法と関連付けて言及されることが多い。

関連サイト:
いまさら聞けない「DevOps」 - @IT
O'Reilly Velocity 2009

中高年引きこもり

読み方:ちゅうこうねんひきこもり
別名:中高年ひきこもり
別名:中高年ヒキコモリ
別名:中高年の引きこもり
別名:中高年のひきこもり
別名:中高年のヒキコモリ

自宅や自室に長期間こもりきりになり、社会から隔絶された生活を送る中高年のこと。「中高年引きこもり」の明確な定義はないが、2010年に厚生労働省は引きこもりを「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と定義しており、その状態に該当する中高年、すなわち40歳から65歳程度の年齢の人と捉えることができる。

NPO法人全国引きこもりKHJ親の会が行っている調査では、引きこもりの平均年齢は年々増加しており、2007年の調査で初めて平均年齢が30歳を超えたとされた。また、2014年3月に公表された島根県の「ひきこもり等に関する実態調査報告書」では、県内の引きこもりの年齢層として、40歳代が最多となり、過半数の53パーセントに達した。

従来、引きこもりは若年世代の問題として捉えられてきた面があったことから、古い調査では中高年引きこもりの存在が見過ごされてきたとする指摘もある。秋田県藤里町の社会福祉協議会は、2012年に全国で初めて、中高年引きこもりに焦点を当てた調査を実施し、町民の引きこもりの半数近くにあたる61人が中高年引きこもりだったと発表した。中高年引きこもりの中には、親の死亡や老衰により生活を続けることすら困難で、孤独死寸前の状態にあった人もいたとされる。

中高年が引きこもりの状態に陥る原因としては、若い頃からの引きこもりの継続のほか、中高年になってからの失業がきっかけになることも多いとされている。中高年引きこもりは、若年世代の引きこもりに比べて、年齢的な問題でさらに社会復帰が難しいため、より事態が深刻とされている。引きこもりの状態を長期化させないために、親や支援機関の連携によるサポートや、就労意欲を高めるための環境づくりなどが必要とされるが、親子関係の修復が大前提とする意見もある。

関連サイト:
「引きこもり」の実態に関する調査報告書⑦ -NPO法人全国引きこもりKHJ親の会における実態- - 全国引きこもりKHJ親の会

マレーシア航空旅客機失踪事件

読み方:マレーシアこうくうりょかくきしっそうじけん
別名:マレーシア航空機消息不明事件
別名:マレーシア航空機行方不明事件
別名:マレーシア航空370便消息不明事件
別名:マレーシア航空370便失踪事件
別名:マレーシア航空370便行方不明事件

2014年3月8日にマレーシアのクアラルンプール国際空港を出発した、北京首都国際空港行きのマレーシア航空370便が、南シナ海海上で消息を絶った事件。2014年3月20日現在、中央アジアやインドを含む広範囲で捜索活動が行われているものの、機体の行方は明らかになっていない。また、乗客乗員合わせて239名の安否も不明である。

失踪したマレーシア航空370便の機体は、マレーシア航空所有のボーイング777-200ERであった。ボーイング777は1995年の就航以来、2013年7月にサンフランシスコ国際空港で起きた着陸失敗を除き、死亡事故はなく、安全性が高い航空機と見なされていた。

マレーシア航空370便は、南シナ海で位置が確認されたのを最後に、どの国のレーダーにも捕捉されずに飛行を続けたと見られている。その際には、ごく低空を飛行し、地形の陰に隠れる「地形マスキング」とよばれる技術を用いて、レーダーに捉えられることを避けていたと考えられている。

また、交信が途絶える前後に、エイカーズ(ACARS)やATCトランスポンダなどの通信機器が人為的に切断されたと推測されており、マレーシアのナジブ・ラザク首相は3月15日の会見で、失踪機がハイジャックされた可能性も示唆した。通信記録からは機内でトラブルが起こった様子はなく、救難信号も発信されなかったことなどから、この事件を機長や副機長が関与したテロ事件とする見方もある。

オーストラリアのトニー・アボット首相は3月20日に、人工衛星の画像を解析した結果、インド洋付近で航空機の残骸と見られる物体を発見したことを発表した。

日中共同声明

読み方:にっちゅうきょうどうせいめい
別名:日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明
別名:中日联合声明
別名:中华人民共和国政府和日本国政府联合声明

1972年9月29日に日本政府と中国政府により調印された、日中国交正常化にあたっての声明のこと。日本側の代表者は内閣総理大臣の田中角栄、中国側の代表者は国務院総理の周恩来であった。

日中共同声明の発表には、前年の1971年に行われた米国ニクソン大統領の中国訪問が大きな影響を与えたとされている。米国が突如として、冷戦下でそれまで対立していた中国に歩み寄りの姿勢を見せたことから、日本も後を追う形で、中国共産党政権の承認に踏み切ることとなった。

日中共同声明では、日本政府が中華民国政府(台湾)ではなく中華人民共和国政府(共産党政権)を唯一の合法的な政府として認める内容が盛り込まれた。1952年に締結された日華平和条約により、日本と台湾との間には国交が結ばれていたが、日中共同声明に伴って国交が断絶されることなった。2014年現在、日本と台湾は引き続き国交断絶の状態にあるが、民間レベルの交流は盛んに行われており、比較的良好な関係が保たれている。

一方、中国政府は日中共同声明において、日本に対する戦争賠償の請求権を放棄することを宣言した。しかし、個人レベル、民間レベルの請求権が有効かについては日中双方で主張が異なっており、中国側は有効だとしている。日本の最高裁判所は2007年に、西松建設強制連行訴訟に関連して、日中共同声明によって中国側は個人レベル、民間レベルの請求権も放棄したとする判断を下した。

なお、日中共同声明に伴う国交正常化を記念して、中国からパンダの「カンカン」と「ランラン」が日本に贈られ、上野動物園で展示されることとなった。また、国交正常化とその後の様々な実務協定の締結を背景として、1978年には、日中共同声明の内容を大部分踏襲した、「日中平和友好条約」が締結されることとなった。

死亡時画像診断

読み方:しぼうじがぞうしんだん
別名:オートプシー・イメージング
別名:死亡時画像病理診断
別名:Ai
英語:autopsy imaging

CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像法)などで遺体を撮影し、画像から死因を診断、検証すること。死亡時画像診断の結果は、死亡診断書や死体検案書などの作成にあたって用いられる。

死亡時画像診断は、自然死や病死の遺体に適用されることもあるが、特に犯罪や医療過誤など、事件性が疑われる異状死が起こった場合に、死因の究明を可能にする手段として重視されている。死亡時画像診断で事件性のある異常が見られた場合、警察署に対して検視依頼が行われることがある。

死亡時画像診断は近年、大学病院などの医療現場に積極的に取り入れられているが、それまでは死因の診断および検証は、主に体表所見や解剖などに基づいて行われてきた。しかし、死因究明が十分に行われていないことが問題とされており、平成21年の人口動態統計では、解剖が行われた遺体の数は総数の2.7パーセントに過ぎなかった。

死亡時画像診断は遺体を傷つけずに行うことができることから、通常の病理解剖よりも遺族の同意が得やすいことがメリットとして挙げられている。また、解剖と死亡時画像診断を併用することで、解剖を単独で行った時よりも死因究明の精度が高まる場合があるとされている。一方、死亡時画像診断単独では必ずしも精度が高くなく、遺体の状態や死因によっては、内因死か外因死かの判断もできない場合がある。

厚生労働省は2013年6月に成立した「死因究明等の推進に関する法律(死因究明推進法)」に基づき、「死因究明等推進会議」を設けて、死亡時画像診断の活用を推進している。2014年には、子供の虐待死の見逃しを防ぐ目的で、子供の遺体に対する死亡時画像診断を本格的に推進する方針を示した。虐待死のケースでは、遺族の中に加害者が含まれることが多く、解剖の承諾が得られないことが問題視されてきたことから、遺族の同意なしに死亡時画像診断を行う場合もありうるとされている。

関連サイト:
オートプシー・イメージング学会
死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会 報告書 - 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会