新語時事用語辞典とは?

2014年3月28日金曜日

総資本増加率

読み方:そうしほんぞうかりつ

会社の総資本が前年度と比べてどれだけ増加したかをパーセンテージで表したもの。

総資本増加率は、次の計算式で求めることができる。

総資本増加率=(今期の総資本-前期の総資本)÷前期の総資本×100

総資本増加率は、会社の成長性を知る手掛かりの1つである。総資本増加率が100%を超えている場合には、会社は成長していると判断することができる。一方、100%を割っている場合には、会社の成長が止まっていると判断することができる。

総資本は、負債と純資産の合計である。そのため、借入金などの負債が増加した場合でも、総資本増加率が100%を超えることがある。よって、会社の成長性を判断するには、総資本増加率の他に、自己資本比率や総資本回転率、流動比率などを併用するケースが多い。

首都中枢機能維持基盤整備地区

読み方:しゅとちゅうすうきのういじきばんせいびちく
別名:首都中枢機能維持基盤整備等地区

首都直下地震緊急対策区域のうち、東京都の千代田区、中央区、港区、新宿区の4区。2014年3月の中央防災会議で指定された。

首都中枢機能維持基盤整備地区は、首都直下地震が発生した際に首都中枢機能の維持を目的として、重点的に減災が進められる。

関連サイト:
中央防災会議 - 内閣府
首都直下地震対策特別措置法 - e-Gov

首都直下地震緊急対策区域

読み方:しゅとちょっかじしんきんきゅうたいさくくいき

首都直下地震で著しい被害が生じるおそれがあるため、日本政府が防災対策を推進する区域。

首都直下地震緊急対策区域の指定は、2014年1月に安倍晋三・第96代内閣総理大臣が、首都直下地震対策特別措置法に基づき中央防災会議へ諮問し、2014年3月に答申された。

中央防災会議の答申によれば、首都直下地震緊急対策区域とされるのは、東京都をはじめ神奈川県、千葉県、埼玉県の全域と、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、静岡県の一部地域となっている。このうち、東京都の千代田区、中央区、港区、新宿区の各区は首都中枢機能維持基盤整備地区にも指定されている。

なお、日本政府は、首都直下地震緊急対策区域の他に、南海トラフ地震防災対策推進地域、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域も指定している。

関連サイト:
中央防災会議 - 内閣府
首都直下地震対策特別措置法 - e-Gov

南海トラフ地震防災対策推進地域

読み方:なんかいトラフじしんぼうさいたいさくすいしんちいき
別名:防災対策推進地域

日本政府が、南海トラフ地震での防災対策を推進する地域。

南海トラフ地震防災対策推進地域の指定は、2014年1月に安倍晋三・第96代内閣総理大臣が、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき中央防災会議へ諮問し、2014年3月に答申された。

中央防災会議の答申によれば、南海トラフ地震防災対策推進地域とされるのは、南海トラフ地震の震度が6弱以上か、3m以上の津波が生じる地域としている。具体的には、茨城県から沖縄県までの太平洋沿岸地域、および、瀬戸内海沿岸地域で、29都府県におよぶ。

南海トラフ地震防災対策推進地域では、不特定多数の人が集まる施設の管理者や公共交通の事業者に対して津波避難計画などの作成が義務付けられる。

なお、日本政府は、南海トラフ地震防災対策推進地域に加えて、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域や首都直下地震緊急対策区域も指定している。

関連サイト:
中央防災会議 - 内閣府
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 - e-Gov

南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域

読み方:なんかいトラフじしんつなみひなんたいさくとくべつきょうかちいき
別名:津波避難対策特別強化地域

日本政府が、南海トラフ地震での津波による避難対策を強化する地域。

南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定は、2014年1月に安倍晋三・第96代内閣総理大臣が、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき中央防災会議へ諮問し、2014年3月に答申された。

中央防災会議の答申によれば、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域とされるのは、南海トラフ地震の発生後、30分以内に30cm以上の浸水が生じる地域としている。具体的には、千葉県から鹿児島県までの太平洋沿岸地域で、1都13県におよぶ。

南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域では、津波避難ビルや津波避難タワー、避難路といった津波避難施設の建設費の補助金が国から支給されることになっている。

なお、日本政府は、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に加えて、南海トラフ地震防災対策推進地域や首都直下地震緊急対策区域も指定している。

関連サイト:
中央防災会議 - 内閣府
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 - e-Gov

舌下免疫療法

読み方:ぜっかめんえきりょうほう
読み方:ぜつかめんえきりょうほう
別名:舌下減感作療法
英語:sublingual immunotherapy
英語:desensitising sublingual immunotherapy
英語:SLIT

花粉エキスを舌下から体内に取り込ませ、花粉症などのアレルギーを治療する方法のこと。リンパ節のT細胞などに継続的にアレルゲンを作用させ、免疫反応を弱める「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」の一つである。

舌下免疫療法では、薬剤を直接舌下に滴下する方法がとられることもあれば、薬剤を含ませたパンくずや錠剤などを舌下に含ませる方法がとられることもある。初めは低濃度で少量投与を行い、徐々に濃度と量を増やしていく。

舌下免疫療法は、アレルゲンを皮下注射する従来の方法よりも、痛みなどの負担が少なく、通院せずに自身で簡単に行うことが可能である。また、注射よりも喘息や咳などの副作用が少ないといわれている。世界保健機関(WHO)は、2008年に改訂されたARIAガイドラインで、舌下免疫療法が皮下注射よりも安全性が高いことを認めている。

一方、舌下免疫療法は最低数年間の継続が必要とされており、花粉症のシーズン以外にも治療を続けなければいけないことが欠点として挙げられている。人によっては口腔内に違和感を覚えるなどの副作用もあるといわれ、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用が起こる可能性もゼロではないとされる。

舌下免疫療法は、欧米では1980年代頃から臨床試験が行われ、2006年にはALK-Abelló社が花粉症の治療薬、「Grazax」錠剤を開発した。日本では2014年1月に、鳥居薬品株式会社の「シダトレン」(シダトレンスギ花粉舌下液)が、舌下免疫療法の薬剤としては初めて厚生労働省の承認を受け、2014年6月頃から保険適用となる見込みである。

関連サイト:
トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ - 鳥居薬品株式会社

アダプティブクルーズコントロール

別名:ACC
別名:アダプティブクルコン
英語:Adaptive Cruise Control

自動車のクルーズコントロール(オートクルーズ)システムのうち、あらかじめ設定した速度を一定に保つだけでなく、レーダーやカメラなどの前方監視サブシステムを用いて、車間を一定に保つ機能も備えたシステムのこと。アダプティブクルーズコントロールは、ロボットカーの実現に必要な技術の一つとされている。

アダプティブクルーズコントロールには、自車が前の車に近づき過ぎた時に減速する機能だけでなく、離れ過ぎた時に加速する機能も含まれる。車種にもよるが、急ブレーキの機能は含まれない場合があるので、その際にはアダプティブクルーズコントロールの動作中であっても、運転者は不測の事態に備えてブレーキペダルをいつでも踏めるようにしておく必要がある。また、高速道路の本線料金所など、車間にかかわらず減速する必要がある場面では、適宜マニュアルでの操作を行う必要があることもある。

アダプティブクルーズコントロールは、一般的に運転席のボタンでオン・オフや設定速度などを変更することが可能である。走行速度を設定したい速度に合わせ、セットボタンを押すことでその速度に設定される機能を持つものもある。高速走行時と低速走行時で、それぞれ設定を変更しなければならないものもあるが、シームレスに移行する機能を持ったものもある。

アダプティブクルーズコントロールの問題点として、車がカーブしたり、車線変更したりする際に、システムの制御が必ずしも周囲の状況に適さなくなる可能性が挙げられている。しかし、走行テストの結果などから、ある程度の想定される状況への対応は適切に行われるよう設定されており、例えば目の前に他の車が割り込んできた時に、車間が一時的に詰まっても減速しないよう考慮されているものもある。

アダプティブクルーズコントロールの中には、カーナビなどと連携し、高速道路上での高速走行でしか動作しないように設定されているものもあるが、一般道での走行や渋滞時などに対応した機能を持つものも開発されている。

電動パワーステアリング

読み方:でんどうパワーステアリング
別名:電動パワステ
別名:電動式パワーステアリング
別名:電動式パワステ
英語:EPS
英語:electric power steering

電気モーターを利用してステアリングを補助する技術のこと。従来、パワーステアリングには油圧ポンプが用いられていたが、その代わりにモーターを用いて、電子制御ユニット(ECU)でモーターの制御を行う技術である。主に、コラム式、ピニオン式、ラック式の3つに分類される。

電動パワーステアリングは、燃費の向上や軽量化などに効果があるとされている。また、コンピューターで制御を行っているため、幅広い車種で部品を共用することができ、構造をシンプルにすることができる。

電動パワーステアリングの欠点としては、油圧式と異なりエンジンの出力を利用しないので、大型車の場合には既存の車載電源では出力不足になることがあった。しかし、モーターや回路の性能の向上から、大型車への導入も進みつつある。また、電動パワーステアリングと油圧パワーステアリングを組み合わせた「電動油圧パワーステアリング(EHPS)」という方式もあり、燃費は電動パワーステアリングほど向上しないが、大型車でも電源を取り替えずに導入できる場合がある。

また、電動パワーステアリングは開発当初、油圧式よりも操舵感に劣るとされたこともあったが、走行テストを繰り返してシステムの向上が行われた結果、近年では油圧式と遜色のない操舵感のものも現れつつある。

2014年現在、ハイブリッド車の多くが電動パワーステアリングを採用している。電動パワーステアリングは、油圧式よりも制御が容易であることから、縦列駐車や車庫入れなどの細かいステアリング操作に活用されており、ロボットカーの実現に必要な技術の一つに数えられることがある。

LIDAR

読み方:ライダー
読み方:ライダ
別名:光検出と測距
別名:レーザー画像検出と測距
別名:レーザーレーダー
別名:光レーダー
別名:LADAR
英語:Light Detection and Ranging
英語:Laser Imaging Detection and Ranging
英語:laser radar

反射光から対象の距離や方向などを測定する、レーダー(RADAR)に類似したリモートセンシング技術の一つ。レーダーでは電波が用いられるのに対して、LIDARではより波長の短いレーザー光が用いられる。

LIDARは、レーザーによる検出が困難な非金属や、雨滴のような小さな対象の検出に優れている。黄砂など、大気汚染の原因物質の粒子径や濃度などを測定することも可能であり、散乱体の移動を検出することで風速や風向を測定することもできる。対象物によっては、反射されたレーザー光の波長に変化が生じることがあり、その変化から対象物の属性を判別することも可能である。LIDARで得られた情報を基に三次元マッピングを行うことも可能であり、3Dスキャナとしての活用例もある。

LIDARは地質学や地震学の分野でも活用されており、航空機に搭載されたLIDARにより、地殻変動や断層の存在を捉えることが可能である。森林生態学の分野では、LIDARを用いたリモートセンシングにより、森林の樹高やバイオマスなどが測定されている。海洋学の分野では、船舶や航空機に搭載されたLIDARにより、水質や植物プランクトンの量などが測定されることがある。人工衛星や宇宙線に搭載されたLIDARは、気象観測や天体の地形の測量などに用いられている。

また、LIDARはロボットカーの実現に必要な技術の一つとされており、車載のLIDARを用いてブレーキなどの制御を行う装置の開発が進められている。具体的には、LIDARで周囲の自動車や歩行者、障害物などの情報を得て、距離が接近しすぎた時に自動でブレーキをかけて衝突を防ぐ機能などが想定されている。

関連サイト:
ライダーの原理 - 環境省