新語時事用語辞典とは?

2014年5月7日水曜日

レンタカウ

別名:レンタカウ制度

山口県などが推進している、牛を所有していない農家などへ放牧牛を貸し出す取り組み、および貸出用の放牧牛。

レンタカウは、主に耕作放棄地や遊休農地などの土地のメンテナンスに利用される。放たれた牛が繁茂する雑草を食べることで、病害虫の繁殖や景観の悪化を防ぐ効果があるという。牛の貸主側も飼料代が浮くなどのメリットがある。牛2頭がひと月程度で20アール分の雑草を平らげるという。

山口県は2001年から県有の牛をレンタカウとして貸し出す制度を実施している。京都府なども府有牛のレンタカウを行っている。

関連サイト:
レンタカウによる農地保全システム - 山口県柳井市
県有レンタカウを通じた山口型放牧の普及・推進 - 山口県農林総合技術センター畜産技術部

H5N6型鳥インフルエンザウィルス

別名:H5N6型鳥インフルエンザウイルス
別名:H5N6型
別名:H5N6型ウィルス
別名:H5N6型ウイルス
別名:H5N6鳥インフルエンザウィルス
別名:鳥インフルエンザウィルスH5N6型
別名:H5N6型トリインフルエンザウイルス

鳥インフルエンザウィルスの亜型のうち血清型H5N6に分類される株。2014年5月に中国四川省でヒトへの感染例が初めて報告された。

2000年代以降、鳥インフルエンザはH5N1型鳥インフルエンザウィルス、H7N9型鳥インフルエンザウィルス、H10N8型鳥インフルエンザウィルスなどの型のヒトへの感染例が報告されており、また少なからぬ死者を出している。特にH5N1型鳥インフルエンザウィルスなどは2003年から2014年までの10年間にアジア・アフリカを中心として600人以上の死者が確認されている。

防衛装備協定

読み方:ぼうえいそうびきょうてい
別名:防衛装備品協定
別名:防衛装備品に関する政府間協定
別名:防衛装備品の共同開発に関する政府間協定
別名:防衛装備品等の共同開発に関する政府間協定
別名:防衛装備品等の共同開発の枠組み関する政府間協定

防衛装備品の扱いに関する二国間協定。主に武器の輸出拡大や共同開発、共同開発に係る情報保護のあり方などの取り決めが盛り込まれる。

防衛装備協定の締結は、ひとえに安全保障分野における協同、あるいは協同・連携のいっそうの強化を意味するといえる。

2013年4月には日本とイギリスとの間で防衛装備品の開発に関する枠組みと情報保護に関する協定への署名が行われている。

2014 年5月5日には日本とフランスとの間で防衛装備協定の締結に向けた交渉が開始されると報道された。防衛装備協定と共に、高速炉の研究の分野でも日仏間の協 力を推進する方向で交渉が進められるとされている。フランスは原子力産業の分野におけるヨーロッパ最大の国である。

関連サイト:

ヘイグ英外務大臣が、日英間の防衛装備品等の共同開発等に係る枠組み及び情報保護協定に署名 - GOV.UK

ブラックアルバイト

別名:ブラックアルバイト
別名:ブラックなバイト
別名:ブラックなアルバイト
別名:ブラックなバイト先

業務内容や勤務体制など、従業員の扱いに著しい問題のあるアルバイトの通称。いわゆる「ブラック企業」のバイト版。

一般的には、労働基準法の規定を無視した勤務体制を強いたり、当初合意した契約内容とは異なる勤務内容で働かせたりといった、違法性を孕むアルバイトがブラックアルバイトと呼ばれている。ひとえに、雇用者本位でバイト従業員を過酷に扱う点が共通する。

ブラックアルバイトの例としては、シフトを一方的に決め、バイト従業員の申し出たシフト変更を容認せず、それによってバイト学生の学生生活に支障を出したり、小売店で生じた商品ロス(売れ残り)を自費で買うよう要求したり、業務上のミスに対して罰金を科したり、長時間働かせた上にサービス残業扱いされ、労働時間に見合った賃金が払われなかったり、といったあり方が挙げられる。


積極的平和主義

読み方:せっきょくてきへいわしゅぎ
英語:proactive contribution to peace

自国のみならず、地域および国際社会の平和の実現のために、能動的・積極的に行動を起こすことに価値を求める思想。2013年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」において、日本の安全保障戦略の基本理念として掲げられた。

積極的平和主義が目指す具体的内容としては、専守防衛や軍縮などのような平和国家としての原則を維持しつつ、PKOなど国連の安全保障措置に積極的に参加することなどであるといえる。国家安全保障戦略においては、「積極的平和主義」の語は「国際協調主義に基づく積極的平和主義」の形で用いられており、国際協調を基礎に置くことが前提条件となっている。

安倍晋三首相は2013年の首相就任以後、積極的平和主義の語を度々用いて、その実現を推進している。2013年9月の国連総会での演説で積極的平和主義を強調したほか、2014年1月の所信表明演説でも積極的平和主義に触れ、「わが国が背負うべき21世紀の看板」という表現を用いた。

積極的平和主義という語は、第二次安倍内閣の発足以前から存在した語であり、2009年には保守系識者からなる日本国際フォーラムが、「積極的平和主義と日米同盟のあり方」と題した提言を行っていた。この提言では、日本が日米同盟において主体性を持つ上で、積極的平和主義の導入が必要だとされた。なお、安倍晋三は2009年当時から、日本国際フォーラムの参与に名を連ねている。

安倍晋三首相は、積極的平和主義の実現のためには、集団的自衛権と集団的安全保障に関する憲法解釈の変更が必要だとしている。また、武器輸出三原則や非核三原則についても、安全保障環境の変化に合わせるための再検討が必要だとしている。武器輸出三原則に関しては、慎重な対処のもと、2013年12月に「防衛装備品等の海外移転に関する基準」を策定するなどして、積極的な国際協力の推進に向けた取り組みを行っている。

積極的平和主義に対しては、憲法の三大原則の一つである平和主義に反するものであるという意見があるほか、憲法で認められた自衛権の逸脱に向かうのではないかとする懸念もある。

積極的平和主義は、政治学者のヨハン・ガルトゥング(Johan Galtung)が提唱した「積極的平和」(positive peace)と字面が似ているが、内容上の共通点は少ない。ガルトゥングの積極的平和における「積極的」は「positive」の訳であるが、積極的平和主義の「積極的」は、安倍首相の英語演説や外務省の英文Webページでは「proactive」の語が充てられている。

関連サイト:
日本の安全保障政策 - 外務省