新語時事用語辞典とは?

2014年7月1日火曜日

ヒョウモンダコ

別名:豹紋蛸

マダコの仲間。外部から刺激を受けると体色を斑点模様に変化させる。その様がヒョウ柄(豹紋)に似る。強い毒を持つ危険なタコとしても知られている。

ヒョウモンダコは体長10センチメートル程度と小型のタコである。唾液中にフグ毒を同じテトロドトキシンが含まれており、噛まれると死ぬ危険がある。

ヒョウモンダコは比較的温暖な海域に生息する。日本では関東以南の太平洋側の沿岸にヒョウモンダコが生息している。磯などに生息しており、釣り上げたり水中で遭遇したりする可能性がある。ヒョウモンダコを見つけた場合には、いたずらに触れたり刺激したりしないよう注意が必要とされる。

関連サイト:
ヒョウモンダコに注意 - 北九州市

グリーゼ832c

英語:Gliese 832c

グリーゼ近傍恒星カタログに収載される恒星「グリーゼ832」の第3惑星。地球型惑星である。「c」は惑星の内側から数えた順序を示す記号。

グリーゼ832cを含むグリーゼ832の惑星系は、つる座の方向、地球から約16光年ほどの距離にあるとされる。恒星のように発光しない惑星は観測が難しい。16光年という距離は宇宙観測のスケールにおいては至近距離のうちだが、グリーゼ832cは2014年になって初めて観測された。

グリーゼ832cは、地球よりは大きいが地球によく似た組成を持つ「スーパーアース」であり、かつ、恒星(グリーゼ832)から近すぎず遠すぎない「ハビタブルゾーン」に位置している。そのため、生命が存在しうる環境が実現されている可能性があると期待されている。

グリーゼ832cは地球の数倍程度の大きさがあるため、濃密な大気による高圧高温の世界となっている可能性もあるとされる。こうした環境は地球よりもむしろ金星に近い。グリーゼ832cをスーパービーナス(Super-Venus)と報じているメディアもある。

関連サイト:
Gliese 832c: Life-Roasting 'Super-Venus' Discovered - Discovery News Jun 30, 2014

インフレーション理論

読み方:インフレーションりろん
別名:インフレーション宇宙論
英語:inflation theory
英語:cosmic inflation theory
英語:theory of cosmic inflation

宇宙の起源に関する仮説で、「ビッグバン」によって誕生した宇宙がその直後に極端に膨張し、今日観測される宇宙空間の原型が形作られたとする説。

ビッグバン理論およびインフレーション理論は、誕生したての(プランク時間における)宇宙は原子サイズ以下の微小な状態であり、誕生から「10のマイナス36乗」秒後に起きたインフレーションによって、瞬間的に、いわゆる宇宙のサイズまで膨張したと説く。その後も(相対的には)緩やかに宇宙は膨張を続けている。
インフレーション理論はビッグバン理論の理論上の難点を克服して補完する。今日では、ビッグバン理論とインフレーション理論は共に宇宙の起こりを示す標準理論となっている。

宇宙の起源は光学的な観測が不可能な領域を探る分野であり、理論の大部分は推測・仮説の域を出ていない。最近では光ではなく重力波を捉えることでインフレーションの発生した証拠(痕跡)を観測しようとする研究が進みつつある。

ALSマウス

読み方:エーエルエスマウス
別名:筋萎縮性側索硬化症マウス
別名:筋萎縮性側索硬化症を発症したマウス
別名:ALSを発症したマウス
別名:筋萎縮性側索硬化症を発症させたマウス
別名:ALSを発症させたマウス

遺伝子を改変して筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症させた実験動物のマウス。

ALSは神経組織を侵す「神経変性疾患」である。筋肉が徐々に衰えていき、生命維持に必要な身体機能が維持できなくなる。進行の進行が早いが、それ以前に根治できる治療法が確立されていない。ヒトにおいては壮年期に比較的多く発症するとされる。

ALSマウスは、ヒトが罹患したALSと病状が比較的似ているとされる。そのため、ALSの病状や進行・経過、療法の効果などを観察するために利用される。

2014年6月にはiPS細胞から製作された神経前駆細胞をALSマウスに移植し、その結果、マウスの生存期間を延長することに成功したとする研究成果が発表されている。