新語時事用語辞典とは?

2014年12月8日月曜日

知る沖縄戦

読み方:しるおきなわせん

朝日新聞社が制作した教育資料。新聞別刷りの形式で、太平洋戦争における沖縄戦を特集している。2014年に初めて発行された。

「知る沖縄戦」は中学・高校の生徒が主な読者に想定されており、希望する学校には無料で配布されている。

朝日新聞は、「知る沖縄戦」と共に「知る原爆」と題した資料も制作している。「知る原爆」は小学生を主な対象としている。2012年に初めて発行され、2014年までに65万部が配布されたという。

「知る沖縄戦」は、沖縄戦の概要紹介やQ&A、著名人や戦争経験者のインタビューなどを通じて、沖縄戦の凄惨さを伝えている。他方、状況記述に教育資料の範囲を逸脱した残虐さがある点、観点や思想が一面的・一方的である点なども指摘されており、一種の思想教育に利用されているとの議論も呼んでいる。

関連サイト:
教育特集「知る原爆・沖縄戦」 無料で希望の学校に配布 - 朝日新聞 2014年5月2日
大阪の中学で〝反日偏向出題〟 沖縄戦の日本軍任務「住民を守る=×」 朝日教材もとに作成した教諭は「建国記念の日」否定集会で講演 - 産経WEST 2014年12月8日

ハグピート

英語:Hagupit

フィリピン語で「鞭打つ(こと)」という意味の語。台風のニックネームとしても用いられる。2014年12月にフィリピンを襲った台風22号などはハグピートを名付けられている。

アジア圏で発生した台風には、全140個のニックネームが持ち回り式に名付けられる。ハグピートは、そのうち第66番目の呼び名である。このニックネームの持ち回り順は年を跨いで維持されており、おおよそ5年ほどで一巡するという。

ちなみにハグピートの一つ前は「シンラコウ」であり、一つ後ろは「チャンミー」である。

2014年12月に発生した台風22号は持ち回りに従い「ハグピート」と名付けられた。この台風は12月上旬にフィリピン本土に上陸、ゆっくりと横断するように移動して、都市部の冠水や土砂災害などの被害を生んでいる。

デジタルデトックス

別名:デジタル解毒
別名:デジタル版毒素排出
英語:digital detox

インターネットに接続できる環境(いわゆるデジタル環境)から敢えて距離を置き、インターネットに依存しがちな、あるいはネット環境に振り回されがちな生活の在り方から脱すること。

「デトックス」は、ヘルスケア分野において、体内の老廃物や体内に蓄積された毒素などを排出することを指す語である。

デジタルデトックスは「ネット断ち」「スマホ断ち」とも呼ばれる。事業者がIT依存から距離を置く取り組みは「IT断食」と呼ばれることもある。

鞆の浦の埋め立て・架橋計画

読み方:とものうらのうめたてかきょうけいかく
別名:鞆の浦埋め立て・架橋計画
別名:鞆の浦埋立て架橋計画問題
別名:鞆の浦架橋計画

広島県福山市鞆町の景勝地「鞆の浦」で、港(鞆港)の一部を埋め立てて、湾の両端を結ぶ橋梁を架設する計画。

鞆の浦は古くから風光明媚な入り江として知られ、古代は万葉集にも鞆の浦を詠んだ歌が見出される。1934年には国立公園の第一号である「瀬戸内海国立公園」の一部としても登録されている。また、最近では宮崎アニメ「崖の上のポニョ」の舞台となっていることでも知られる。

他方、現在の町並みは江戸時代頃に整備されたものであり、生活が不便であるという声も上がっている。道幅は自動車が往来するには狭く、大型車は鞆町を通り抜けることができない。地域住民からは状況の改善を求める声が上がっていた。

こうした状況を打開するため、1983年に、県および市が鞆港を横断する橋梁の建設を中心として建設計画を立てたが、景観を損ねる事業に対する反対意見は町内外からも多く上った。埋め立て地域の縮小など、計画の修正も行われたが、反対派との折り合いが付かず、計画は長らく頓挫した状態になっていた。

2012年6月22日、湯崎英彦・広島県知事が、鞆の浦の埋め立て・架橋計画を撤回し、他の、景観への影響が少ない開発計画を進める方針を表明した。2014年12月には浜に道路を兼ねた擁壁を設置する方針で案がまとめられた。

関連サイト:
県、鞆架橋やめ山側トンネル - 中国新聞 2012年6月22日

鞆の浦

読み方:とものうら
別名:鞆公園
別名:名勝鞆公園
別名:鞆の浦公園

広島県福山市鞆町に位置する入り江。景勝地として名高く、沿岸部と沖合の島々を含む「鞆公園」は国立公園に指定されている。2000年代半ばにはアニメーション映画「崖の上のポニョ」の舞台として参照されたことにより広く注目を集めた。

鞆の浦の町並みは古く、江戸時代に整備された景観が大きな変更を加えられることなく今に伝わっている。ただし街路が狭く自動車が通行しにくいといった生活上の不便さが問題にもなっている。生活環境を改善するための開発計画は1980年代に立ち上がっているが、景観を維持すべきとする対立意見も強く、2010年代まで長らく膠着状態に陥っていた。

当初の開発計画では湾を一部埋め立てて架橋する方針がとられていたが、同案は2012年に撤回されている。

関連サイト:
広島県の文化財 - 鞆公園 広島県教育委員会