新語時事用語辞典とは?

2015年1月26日月曜日

ISIL

読み方:アイシル
読み方:アイスル
別名:イラク・レバントのイスラム国
別名:イラクとレバントのイスラム国
英語:Islamic State of Iraq and the Levant

中東を拠点にテロ活動を繰り広げているイスラム過激派組織、通称「イスラム国」(IS)を指す呼称のひとつ。

イスラム国は2014年まで「イラクとシャームのイスラーム国」(ISIS)の名で活動しており、2014年6月に国家樹立を宣言、「イスラム国」(Islamic State)を名乗った。ただし「国」は自称に過ぎず、国家承認した国はない。各メディアは「イスラム国」、その略称「IS」、旧名の「ISIS」など、それぞれの呼び名を用いている。「ISIL」の呼び名もまた複数ある呼称のひとつである。ただし2014年時点では日本のメディアが「ISIL」の呼び名を用いる例はさほど多くなかった。

2015年1月、自民党が同テロ組織を「ISIL」と呼ぶ方針を固めた。イスラム国という呼び方が同組織を「国」と見なしていると解釈される危険をさけるための対応である、と説明されている。

パキスタンのタリバン運動

読み方:パキスタンのタリバンうんどう
別名:パキスタンのタリバーン運動
別名:パキスタンのターリバーン運動
別名:パキスタン・タリバン運動
英語:Tehreek-e-Taliban
英語:Tehreek-e-Taliban Pakistan
英語:Pakistani Taliban

パキスタン北西部を中心に活動するイスラム系スンニ派の過激派集団。タリバン支持勢力の連合体として2007年に結成された。パキスタン政府や同国軍、警察、米軍などの関連施設を狙った自爆テロや爆破襲撃をたびたび行っている。2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイを銃撃して瀕死の重傷を負わせた組織としても知られている。

2014年12月には、パキスタンのタリバン運動がパキスタン北西部の都市・ペシャワルの学校に押し入り銃を乱射、生徒・教師あわせて130名が死亡するという大惨事となった。同テロの実行犯は9名おり、全員その場で銃撃戦の末に死亡したと伝えられている。

関連サイト:
パキスタン・タリバン運動(TTP) - 公安調査庁 国際テロリズム要覧

マララ・ユサフザイ

別名:マララ・ユスフザイ
英語:Malala Yousafzai

人権・フェミニズムに関する活動で知られるパキスタン人の女性。1997年生まれ。2009年に欧米メディアを通じてパキスタンの社会状況を訴えかけたことで世界的な注目を集めた。2013年にシモーヌ・ド・ボーヴォワール賞を受賞、2014年10月にはノーベル平和賞を受賞した。

マララ・ユサフザイが生まれ育ったパキスタンでは、武装勢力「タリバン」がイスラム原理主義に則った支配を行っている。言論や思想の自由はないに等しく、また極端な男尊女卑が慣習として根強く残っているとされる。マララ・ユサフザイは英国メディアBBCを通じてタリバンの活動や平和への訴えを発信した。これにより広く知られることとなった。

2012年にはパキスタンのタリバン支持勢力(「パキスタンのタリバン運動」)の銃撃を受け、マララ・ユサフザイは頭部に瀕死の重傷を負った。しかし奇跡的に一命を取り留めた。

2013年1月、女性の権利向上に貢献した人物を顕彰する「シモーヌ・ド・ボーヴォワール賞」がマララ・ユサフザイに授与された。受賞当時マララ・ユサフザイは15歳だった。この半年後、2013年7月には国連本部においてスピーチを行った。

2014年10月、マララ・ユサフザイ(およびインドのカイラシュ・サティヤルティ)が同年のノーベル平和賞の受賞者に決定した。受賞当時マララ・ユサフザイは17歳であり、史上最年少のノーベル賞受賞者となった。

関連サイト:
Prix Simone de Beauvoir pour la liberté des femmes (site officiel) - シモーヌ・ド・ボーヴォワール賞公式ブログ(仏語)
マララ・ユサフザイさんの国連本部でのスピーチ - 国際連合広報センター
Malala Yousafzay - Nobelprize.org

ぐ犯少年

読み方:ぐはんしょうねん
別名:虞犯少年

少年(20歳未満の者)のうち、将来、犯罪行為をするおそれがあると特に判断される少年。少年法第3条の3に定義される少年の通称。

少年法第3条では「審判に付すべき少年」として次のように定義している。
第三条  次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。  一  罪を犯した少年  二  十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年  三  次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年    イ   保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。    ロ   正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。    ハ   犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。    ニ   自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
一、二、三において定義された区分は、それぞれ、一「犯罪少年」、二「触法少年」、三「ぐ犯少年」の語で指示される。

犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年は総称して「非行少年」と呼ばれる。非行少年には該当しないが警察に補導される(飲酒や喫煙などの)行為を行った少年は「不良行為少年」と呼ばれる。

関連サイト:
少年法 - e-Gov

自己責任論

読み方:じこせきにんろん

自分の行動の結果として危機に陥ったのなら、自分で責任を負うべきであり、他人に助けを求めるべきではない、といった論理を基調とする考え方。危険であることが事前に予測できたにもかかわらず、危険を顧みずに敢行したのだから自業自得だとする考え方。

ISISクソコラグランプリ

読み方:アイエスアイエスクソコラグランプリ
読み方:イシスクソコラグランプリ
読み方:アイシスクソコラグランプリ

中東に本拠を構えるイスラム過激派組織「イスラム国」(略称は「IS」、または「ISIS」、「ISIL」とも)が、2015年1月に日本人2名を人質として身代金を要求した際、これに対抗する形でツイッターに投稿された悪ふざけコラージュ画像の投稿。および、それら一連の投稿に付けられたハッシュタグ。

ISISは2014年に中東に赴いた日本人2名を拘束していた。2015年1月20日、ISISメンバーが2名の命と引き替えに身代金を払えと要求する声明ビデオをツイッターに投稿。日本に対し、72時間以内に2億ドルを用意しなければ両名を殺害すると脅迫した。この脅迫動画が知られてまもなく、ツイッター上で「#ISISクソコラグランプリ」のハッシュタグを付けたコラ画像が登場、多数のユーザーが便乗してコラ画像を投稿したことで、ちょっとしたお祭り騒ぎの様相を呈した。

「クソコラ」とは「クソみたいなコラ」、つまり、酷い出来のコラージュ画像といった意味である。ISISクソコラグランプリとして投稿された画像の大半は、アニメキャラや最近のお騒がせ人物(号泣議員など)を、いかにも雑な風に切り貼りした図であり、ISISの構成員も人質2名もまとめてバカバカしい構図で茶化したような格好となっている。

ISISクソコラグランプリの一連の騒ぎは、日本国内では「あまりに不謹慎」といった否定的見解が大勢を占めているが、ISISの脅迫行為を見事にコケにしてみせたことに少なからぬ意義を見いだす見解もある。欧米メディアの中には、ISISクソコラグランプリの騒ぎはテロリストの行為の重みを損なわせることに成功しているとして、どちらかといえば肯定的に報じているところも少なくない。