新語時事用語辞典とは?

2015年3月31日火曜日

マルチレベル方式

読み方:マルチレベルほうしき
英語:multi level system

商品を販売する際に、店舗などには流通させずに個人へ卸して販売する方式。無店舗訪販商法の1つ。

マルチレベル方式では、商品購入者がディストリビューターとなり、他の人に商品購入を勧める。そして、そこで購入した人もディストリビューターとなり、他の人に商品購入を勧めていくことで、無店舗のネットワークが構築されていく。

マルチレベル方式は、流通チャネルを確保する必要がなく、広告宣伝費を抑えられるなどのメリットがある。また、ディストリビューターにとっては、販売マージンが得られるというメリットがある。

ちなみに、マルチレベル方式を悪用した手法をマルチ商法という。また、ディストリビューター同士が親会員、子会員の関係となり、親会員が子会員の出資金で利益を得るシステムをねずみ講という。

プリンシパルとエージェントのゲーム

英語:principal-agent game

仕事の依頼人であるプリンシパルと、仕事の請負人であるエージェントとの間で生じる交渉、または、契約。

プリンシパルとエージェントのゲームの例としては、会社の経営者(プリンシパル)と従業員(エージェント)が挙げられる。会社の経営者は従業員に対して、なるべくコストを抑えて成果を出して欲しいと望み、従業員はなるべく手間を掛けずに仕事をしたいと望む。このように、プリンシパルとエージェントの求めるものが異なる場合、多くの成果を上げた場合には報酬を上乗せしたり、より高い役職に就かせたりするといった交渉が行われる。

プリンシパルとエージェントのゲームのその他の例としては、テレビ会社(プリンシパル)と番組制作会社(エージェント)、患者(プリンシパル)と医師(エージェント)などが挙げられる。

コンセプトイン

英語:concept-in

自社製品を開発する際に、開発当初から顧客に参画してもらう方法。企業の営業活動の1つ。

コンセプトインでは、顧客からの提案を受け入れつつ製品を完成させていく。これにより製品開発会社には、顧客を取り込むことができるというメリットが生じる。また、顧客にとっては、希望通りの製品を手にすることができるというメリットがある。

パスゴール理論

読み方:パスゴールりろん
英語:path–goal theory
英語:path–goal theory of leader effectiveness
英語:path–goal model

メンバーの目標達成は、リーダーがどの道筋を通ればよいのかを示すことであるという考えに基づいた理論。1971年、オハイオ州立大学のロバート・ハウス(Robert House)によって提唱された。

パスゴール理論では、リーダーシップを指示型、支援型、参加型、達成志向型の4つの型に分類している。指示型はメンバーに対して具体的なスケジュールや目標達成の手段を示すもので、支援型はお互いの信頼をベースに感情に配慮した気配りを示すものである。また、参加型はメンバーの意見や提案を取り入れて目標達成に臨み、達成志向型は困難な目標を設定してメンバーに目標達成を促すものである。

情報対称ゲーム

読み方:じょうほうたいしょうゲーム

双方に同一の情報が与えられているゲーム。「情報非対称ゲーム」(games with asymmetric information)に対する語。

情報対称ゲームでは、ゲーム参加者すべてが同じ情報を持ち、同じルールのもとにおいて進行される。つまり、プレイヤーの立場を交代した時に、プレイヤーの利得が同じである場合を情報対称ゲームという。

じゃんけんや囲碁、将棋などは、情報対称ゲームに該当する。情報対称ゲームや情報非対称ゲームといった語はゲーム理論における概念であるが、ゲーム理論が主に参照されるビジネス上の事例では情報対称ゲームはあまり見かけることはないといえる。

ブランドの希薄化

読み方:ブランドのきはくか
別名:ブランド希薄化
別名:ブランドの希釈化
別名:ブランドダイリューション
別名:brand dilution

ブランド拡張に失敗して、既存のブランドが築いた価値が損なわれること。ブランドが顧客に保証してきた価値や市場におけるブランドの地位・位置づけ(ポジショニング)が曖昧・不明確になり、ブランド力の衰退を招くこと。

商標としてのブランドの希薄化(商標の希釈化)は、ブランド名が広く認知されて同分野の代名詞的存在となった末に、同分野の商品を指す一般名詞として用いられるに至り、もはやブランドとしての(特定商品の品質を保証するといった)機能を果たさなくなる状況を指す。

非言語コミュニケーション

読み方:ひげんごコミュニケーション
別名:非言語的コミュニケーション
別名:非言語によるコミュニケーション
別名:言語によらないコミュニケーション
別名:言語以外の手段によるコミュニケーション
別名:ノンバーバルコミュニケーション
英語:non-verbal communication

言葉(会話や文字など)以外の手段によって実現されるコミュニケーション(情報伝達や意思疎通)のこと。

コミュニケーションの手段は、必ずしも言語を伴うとは限らないが、無前提で単にコミュニケーションという場合には基本的に言葉を使った伝達(言語的コミュニケーション)が前提されているといえる。しかし、言語を使ったコミュニケーションの中でも口調、声色、表情、視線、腕組み姿勢や距離の置き方、筆跡などの要素が少なからず、言葉で伝達する情報にさらに情報を添える役割を果たす。こうした、表情や身振り手振りといった(言葉以外の)要素を特に指す場合に、非言語コミュニケーションの語が用いられる。

非言語コミュニケーションは、言葉のように概念を直接指し示すことが容易でなく、情報を性格に伝える手段としては不向きといえるが、言葉では表現しにくい感情やニュアンスを伝達する手段としては言葉以上に適する場合がある。


プラスサムゲーム

別名:プラス和ゲーム
別名:Win-Winゲーム
別名:ウィンウィンゲーム
英語:plus sum game

参加者(プレイヤー)の得失の総和がプラスとなるゲーム。最終的に各プレイヤーがそれぞれ利益を獲得することが可能な状況。

プラスサムゲームはゲーム理論における区分のひとつであり、プレイヤーの利害の総和が必ずしもゼロにならない「非ゼロサムゲーム」の下位区分にあたる。非ゼロサムゲームのうち、各プレイヤーがみな損を被って終わるゲームを「マイナスサムゲーム」という。

プラスサムゲームは、プレイヤーが(パイの奪い合いではなく)互いに協調して「Win-Winの関係」を構築することで実現可能と考えられる。また、ゲームの参加者をどの範囲で捉えるかによっても、プラスサムゲームといえるかゼロサムゲームであるかの認識は違ってくる。

バリューチェーンの再構築

読み方:バリューチェーンのさいこうちく
別名:価値連鎖の再構築
別名:バリューチェーン再構築
英語:deconstruction of value chains

すでに構築されたバリューチェーンを見直し、新たにバリューチェーンの構築を図ること。「デコンストラクション」(再構築)と呼ばれる場合や、「新たなバリューチェーンの構築」などのように表現される場合もある。

バリューチェーンはマイケル・ポーターが提唱した概念であり、事業活動における一連のプロセスを商品やサービスに対する価値の創出という観点で捉え、事業の分析や競争優位性の見定めに活用する考え方である。既存のバリューチェーンが改善を要すると判断された場合、バリューチェーンの再構築が必要とされる。

ゼロサムゲーム

別名:ゼロ和ゲーム
別名:零和ゲーム
英語:zero sum game

参加者(プレイヤー)が各々得られる利害・得失点の総和がゼロとなる状況のこと。一方が利益を得れば、その分だけ他方が損をする構造。誰かが勝てば誰かが負ける方式。

いわゆる「パイの奪い合い」はゼロサムゲームの例といえる。ターゲット(顧客等)が限られている状況においては、シェアを増すことは他方から奪うことに等しい。ただし、市場経済は必ずしもゼロサムゲームであるとは限らない。

ゼロサムゲームに対して、プレイヤーの得失の総和が必ずしもゼロにならないゲームは「非ゼロサムゲーム」と呼ばれる。状況によって全員が利益を得ることができたり全員が損を被ったりする場合のある環境は非ゼロサムゲームである。プレイヤーの得失の総和がプラスとなるものは「プラスサムゲーム」ともいい、同じく得失の総和がマイナスとなってしまうものは「マイナスサムゲーム」ともいう。

放送法第4条

読み方:ほうそうほうだいよんじょう
別名:放送法第四条
別名:国内放送等の放送番組の編集等

放送の規律を目的とする法律である「放送法」の第4条に定められている、番組の編集内容等に関する規定。

放送法第4条では次のように規定されている。

第四条
放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
 一   公安及び善良な風俗を害しないこと。
 二   政治的に公平であること。
 三   報道は事実をまげないですること。
 四   意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。 
マスコミのいわゆる政治的偏向報道などの問題においては、放送法第4条の各規定が論拠として主に参照される。

関連サイト:
放送法 - e-Gov