新語時事用語辞典とは?

2015年7月21日火曜日

シェイゲン債

読み方:シェイゲンさい

ルクセンブルクで発行、流通されているオフショア人民元建て債券の呼称。

シェイゲン債は、中国工商銀行(ICBC)がクリアリングバンクとなり、2014年9月に中国銀行(Bank of China、BOC)が初めて起債した。シェイゲン債は他のオフショア人民元建て債券と同様に短期債で、発行利回りはおよそ3.5%前後となっている。

欧州における人民元建て債券は、ルクセンブルク以外に、イギリスやドイツ、スイス、フランスなどでも発行されている。

関連サイト:
中国銀行 - (英語)
中国工商銀行 - (英語)

ドル売り

読み方:ドルうり
別名:米ドル売り

外国為替取引において、アメリカ合衆国の通貨であるドルを売ること。

外国為替取引によるドル売りは、ドルを売って他の国の通貨を買うことである。例えば、「ユーロ/ドルを買う」といった場合がドル売りになる。ドル売りによって、ユーロ/ドルの為替レートはドル安ユーロ高(ユーロ高ドル安)へ推移する。

投資家がドル売りをする要因としては、アメリカ合衆国の経済状況が悪い場合が挙げられる。また、アメリカ合衆国の金利が引き下げられた場合もドル売りをする傾向にある。

ちなみに、ドル売りに対して、ドルを買うことをドル買いという。

ドル買い

読み方:ドルがい
別名:米ドル買い

外国為替取引において、アメリカ合衆国の通貨であるドルを買うこと。

外国為替取引によるドル買いは、ドルを買って他の国の通貨を売ることである。例えば、「ドル/円を買う」といった場合がドル買いになる。ドル買いによって、ドル/円の為替レートはドル高円安(円安ドル高)へ推移する。

投資家がドル買いをする要因としては、アメリカ合衆国の経済状況がよい場合が挙げられる。また、アメリカ合衆国の金利が引き上げられた場合もドル買いをする傾向にある。

ちなみに、ドル買いに対して、ドルを売ることをドル売りという。

WTO提訴

読み方:ダブリューティーオーていそ
別名:WTOへの提訴
別名:WTO紛争解決手続の要請
別名:WTO紛争解決手続の申し立て
別名:WTO紛争解決手続の付託

貿易・通商に関する国家間の紛争について、WTO(世界貿易機関)下の紛争解決機関に対処を要請すること。小委員会(パネル)が設置され、第三者による裁定が勧告として下される。

WTOでは、紛争処理の手続きに先だち、まずは当事国間で協議を行い合意を図るよう義務づけている。ただし十分な合意を経ても紛争が解決できなかった場合、小委員会の設置を要請し、判断を付託することができるようになっている。この付託が一般的には「提訴」と呼ばれている。

WTO提訴の委員会による判断は「ネガティブ・コンセンサス」と呼ばれ、全会一致で反対とならない限り委員会の報告が採択される仕組みが取られる。これによって当事国が採択を妨げるといったことのない迅速な対応が可能となっている。

当事国(申立国および被申立国)は、小委員会の判断に不服がある場合、上級委員会に不服申し立てを行い、より上位の審議を要請できる。

関連サイト:
世界貿易機関(WTO)紛争解決制度とは - 外務省
WTOにおける紛争解決手続 - 経済産業省

バイオジェニックアミン

別名:生体アミン
別名:生体アミン類
別名:バイオジェニックアミン類
別名:生理活性アミン
英語:biogenic amines
英語:biogenic amine

ヒスタミン、チラミン、プトレシンなどに代表される、アミノ酸から生成される化合物の総称。生体内で生成され、多くは血圧上昇などの生理活性作用をもたらす。

発酵食品などにおいては、発酵(腐敗)の過程で菌が生成したバイオジェニックアミンが食中毒、高血圧、動悸などの害をもたらす場合がある。欧米諸国は水産物を対象するバイオジェニックアミン含有量の管理および規制を行っているが、日本では2010年代前半時点で特に管理や規制は行われていない。

関連サイト:
発酵食品に含まれるアミン類(PDF) - 東京都健康安全研究センター 年報2004

ゾンビ肉

読み方:ゾンビにく
別名:僵尸肉
別名:僵屍肉
別名:ゾンビミート
英語:zombie meat

消費期限を大幅に超過した食肉。不適切な流通や保管によって腐敗した食肉を特に指す場合もある。中国市場においける食肉の密輸問題に伴って顕在化している。

中国国内では食肉の需要が拡大しており、供給が追いついていない状況にある。こうした中、外国から肉を安く仕入れて(政府当局の規制を規制を逃れる)形で中国市場に流通させて利益を得ようとする密輸業者が多数ある。

ゾンビ肉の多くは消費期限を無視して保存・備蓄されるため、数年にわたって放置されているものも珍しくない。これまでに摘発された密輸業者の中には、40年前の肉を置いていた者もあったと報じられている。密輸業者の品質管理は総じて杜撰であり、輸送の際にも冷蔵・冷凍といった適切な設備を用いないため、肉はたびたび常温に戻っては再冷凍が繰り返されう。このため肉の品質は著しく低下、のみならず腐敗の進行や黴菌の増殖が併発する。

ゾンビ肉の大半はすでに肉としての外見を損なってしまっており、多くは飲食店に卸したり、加工食品に使用されたりするという。

関連サイト:
New food scandal: Meat-smuggling gangs in China are caught importing scary 'zombie meat' which was frozen up to 40 YEARS ago and has now ended up on tables of millions - Daily Mail, 24 June 2015
Meat smuggling still has legs in China

H3ロケット

読み方:エイチスリーロケット
読み方:エイチさんロケット
別名:H3
別名:H-III
別名:H-IIIロケット
英語:H3 Launch Vehicle

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「H2」シリーズの後継機として研究開発を進めている基幹ロケットの呼び名。2012年に構想がスタートし、2014年に開発着手、2015年に正式名称が「H3ロケット」に決定された。かつては「新型基幹ロケット」とも呼ばれた。

H3ロケットの先代にあたるH2、H2A、H2Bは、ローマ数字を用いた「H-II」を正式表記としているが、H3はアラビア数字で「H3」とする表記が正式である。

2015年7月に公表された開発状況報告によれば、H3ロケットは全長およそ63メートル、コアロケットの直径は約5.2メール程度と、H3ロケットよりも一回り大きな機体として設計されている。固体ロケットブースターを付けない最小構成で太陽同期軌道へ4トン以上の打ち上げ能力、H2Aの約半額に相当する50億円程度の打ち上げコスト削減、および、射場整備のさらなる短縮化などが目指されている。

2015年現在はH3ロケットの基本設計が推進されており、翌2016年に詳細設計、2020年に試験機1号機の打ち上げが予定されている。

関連サイト:
H3ロケットに関する記者説明会 - ファン!ファン!JAXA!

指定廃棄物処分場

読み方:していはいきぶつしょぶんじょう
別名:指定廃処分場
別名:指定廃棄物最終処理場
別名:指定廃棄物の処分場
別名:長期管理施設

指定廃棄物の処分を行う施設。特に、2011年の東京電力福島第一原子力発電所における原発事故の影響で生じた、放射性物質の付着した土や灰などの廃棄物(放射性物質汚染廃棄物)を最終的に留め置く施設。公式な呼び名は「長期管理施設」となっている。2015年7月現在も設置場所が未確定の状況にある。

指定廃棄物処分場は、指定廃棄物が多量に発生し保管場所が逼迫している県の廃棄物を受け持つ施設として国が設置する施設である。放射性物質汚染廃棄物を搬入するたびに上を土壌で覆い、さらに搬入後は処分場の上部をコンクリートで覆い固める等の措置により、廃棄物から発せられる放射線を物理的に遮蔽し、周辺地域の安全性の確保が図られる。指定廃棄物の処理や管理は国が主体となって行う。

指定廃棄物処分場の設置方針が決まってから、2015年現在まで、候補地はいくつか挙げられたものの、周辺住民の強い反対などもあり、いずれの候補地も決定に至っていない。2015年7月には、千葉県千葉市の所在する東京電力千葉火力発電所を候補地とした上で同市民への説明会が開催されたが、おおむね反対意見が多勢を占めており、調整は難航していると報じられている。

関連サイト:
放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト - 環境省

新国立競技場

読み方:しんこくりつきょうぎじょう
英語:New National Stadium Japan

2020年夏季オリンピック・パラリンピック(2020年東京オリンピック)のメイン会場として設置される陸上競技場の名称。東京都新宿区の国立競技場(国立霞ヶ丘陸上競技場)をいったん取り壊して新たに建築される。2012年11月にデザイン案が決定したが、先鋭的すぎるデザインさや膨大な建築費用が物議を醸し、建設計画がしばらく停滞した。2015年7月には内定したデザイン案をいったん白紙化すると決定された。

新国立競技場のデザインは、2012年に行われた「新国立競技場 国際デザイン・コンクール」のコンペティション(コンペ)において選定された。最優秀賞に選ばれたデザイン案はザハ・ハディッドによるもので、橋梁のような特殊なアーチ構造(キールアーチ)を最大の特徴とする。そのあまりに先鋭的なデザインや、当初予算の倍以上はかかると見積もられた建設費用は、疑問視する声も上がった。建築家の槇文彦は、明治神宮外苑の景観との不一致を指摘して計画の見直しを求める運動を行っている。

2015年7月半ば、政府は新国立競技場のデザイン案を撤回して見直す方針を正式に表明した。なお、この時点で既にザハ・ハディッド側へ13億円の監修料が支払われている。

関連サイト:
新国立競技場 - 日本スポーツ振興センター