新語時事用語辞典とは?

2016年11月18日金曜日

聖地巡礼

読み方:せいちじゅんれい

基本的には、自身の信仰対象に縁の深い場所を訪れるという宗教上の行為。

通俗的には、自身の愛好する創作物に縁のある場所を訪れる行為。

宗教的行為としての聖地巡礼は、その宗教にとって重要とされる場所、特に神聖とされる場所、宗教施設の総本山などに参拝する行いである。イスラム教はメッカへの巡礼を「一生に一度は行うべき」行為として重視している。日本でもかつて盛んだった伊勢参りは聖地巡礼の一種であり、四国八十八カ所巡りも聖地巡礼の一種である。

通俗的な意味合いにおける聖地巡礼は、文学作品やマンガ・アニメ・映画作品などに登場する現実の場所や施設を訪ねる活動を指す比喩的な言い方である。創作において実在の場所をモデルとする場所が描かれることは少なくなく、愛好家にとっては作品世界をいっそう満喫する方法となる。聖地と目される場所は自然風景の場合もあれば、特定の施設や町並み、あるいは名前に縁のある寺社である場合もある。

2016年8月に公開され大ヒットを記録したアニメーション映画「君の名は。」は、東京都区内および岐阜県飛騨が舞台となっており、劇中には現実の風景を忠実に描写したシーンが多く登場する。「君の名は。」に感銘を受けたファンの中では、劇中に登場した場所を訪れる聖地巡礼が少なからず流行した。同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」候補30語の中には「君の名は。」と共に「聖地巡礼」の語もノミネートされている。

君の名は。

読み方:きみのなは

2016年8月に劇場公開された長編アニメ映画のタイトル。監督・脚本ともに新海誠。原作に位置づけられる小説が先行して刊行されており、同作も新海誠の著書である。

都会で暮らす少年と田舎で暮らす少女が「心身の入れ替わり」という特異な体験を通じて交流するさまが描かれいる。

映画「君の名は。」は、ストーリーもさることながら、映像の描写の細やかさ・美しさ・リアルさがよく特筆される。劇中の都会の描写には東京の町並みが、田舎町には飛騨の山中にある実際の風景が多く描かれており、映画に感銘を受けたファンが現場を訪れる「聖地巡礼」も流行した。

映画「君の名は。」は大々的なプロモーションを特に行わなかったが口コミ等を通じて評価が高まり、観客動員数は8週連続第一位、興行収入は11月半ば時点で180億円を突破する大ヒット作となった。