新語時事用語辞典とは?

2017年5月24日水曜日

強制性交等罪

読み方:きょうせいせいこうとうざい

「強姦罪」の呼び名に替えて導入される性犯罪の罪名。すなわち強姦罪の異称。2017年前半に刑法改正案として閣議決定した。

強姦罪を強制性交等罪へ刷新する法改正案では、法定刑の引き上げ(厳罰化)、親告罪の規定の廃止(非親告罪へ変更)といった改正が盛り込まれている。罪名の変更ぶは「被害者を女性に限定しない」(強姦の語に「女性が被害者」という意味が前提されている)という趣旨があり、性差の是正の趣旨が含まれている。

潜在的待機児童

読み方:せんざいてきたいきじどう

保育園への入園を希望しており、その意味ではいわゆる「待機児童」と同じ状況ではあるが、認可外保育施設を使用していたり、保護者が育休を取っていたりといった環境にあるため待機児童の数には含まれない児童の総称。

ユースソーシャルワーカー

高校生を対象に卒業後の就労や家庭経済状況などに関する支援を行う仕組み、および職員(一般職非常勤職員)の呼び名。東京都が導入している。

東京都が都立高校での不登校、中途退学、進路未決定卒などの防止を目指して、独自に導入した。採用には社会福祉士やキャリアコンサルタントなどの資格保有が求められ、教師とは異なる立場から、生徒の就労面と福祉面で専門的な支援が可能となっている。2017年4月1日現在、採用期間は1年間で、公募に依らない再度任用に4回まで申請することができる。

なお東京都では小中学生を支援する制度として「スクールソーシャルワーカー」も導入されている。

空き家バンク

読み方:あきやバンク

人が居住していない「空き家」物件をデータベース化し、居住希望者に賃貸・売却情報として主にオンラインで紹介する仕組み、および、サービスの総称。全国の県や市が提供しているサービスを指すことが多い。

特に人口流出が進む地方都市では、移住者を呼び込む一手として物件の登録が進んでいる。物件を登録した地域では、人口の流入に伴い、地域消費と税収の増加や空き家の不正利用減少などの効果が見込まれる。

子連れ出張

読み方:こづれしゅっちょう

子供を同伴して出張すること、および、そのような出張のこと。

民間や自社が運営する託児所の増加など、子供を同伴できる出張先の整備が各地で進んでいる。

ネット炎上保険

読み方:ネットえんじょうほけん
別名:炎上保険

ウェブ上のメディアで生じる「炎上」に伴う被害を補償する保険の通称。

2017年3月に損害保険ジャパン日本興亜株式会社がネット炎上を扱う保険商品「ネット炎上対応費用保険」の販売を開始し話題を集めた。

インターネットにおける「炎上」とは、ウェブサイトやソーシャルメディアの公式アカウントなどを通じて発信した情報が多くの一般ユーザーの反感を招いて批判や非難の槍玉に挙げられることを指す。損保ジャパンの「ネット炎上対応費用保険」は、企業が情報を発信して炎上した場合に、損失を最小限に抑えるために要する費用を一定額補償する。

補償内容には炎上対策費用への支払いだけでなく、炎上対策そのものを企業に対して手引するコンサルティング業務を含むこともある。ただし、「炎上」の認定は企業の規模感などによって条件が異なり、炎上被害についても数値に表れにくい「ブランドイメージの損失」などを補償範囲に含めるかの是非が問題視される傾向にある。

関連サイト:
ネット炎上対応費用保険 - 損保ジャパン日本興亜

宇宙活動法

読み方:うちゅうかつどうほう
別名:人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律

民間事業者による宇宙開発参入の促進を目指した法律。宇宙基本法の理念に基づき、宇宙開発における日本の国際的競争力を強化する目的で法案が提示され、2016年11月9日の第192回臨時国会にて可決・成立した。

宇宙活動法は衛星やロケットなどの打ち上げを国による許可制にして一般事業者に開放する。許可を受けた事業者には、打ち上げの際に第三者へ不測の被害が生じた際に確実な補償を義務づける「第三者賠償制度」も導入される。民間の保険契約で補償内容に含まれない損害については、政府が補償を行う。また、打ち上げの実施や人工衛星の管理に際し、立入検査などの監督行為が内閣総理大臣によって適宜行われる。

宇宙活動法と同じ趣旨の法律は、日本だけでなく、宇宙開発に力を入れている国およそ10数カ国でも制定されている。そうした海外の法律を宇宙活動法と呼ぶことも多い。

親子断絶防止法

読み方:おやこだんぜつぼうしほう

離婚によって別居するようになった親子の間に、面会をはじめとする交流の機会を設ける(義務づける)ことを趣旨とする法案。2017年前半に案として議論が進められている。

親子断絶防止法では、単独親権制度によって親権が認められなかった親に対し、別居中の子への面会を容易にするだけでなく、宿泊など面会内容の拡充も認める。一方で、面会による精神的苦痛または肉体的苦痛が子に生じる場合を考慮し、面会却下も適宜認められる。

2017年春現在、親子断絶防止法の成立を目指す超党派の動向が報じられている。