新語時事用語辞典とは?

2017年8月24日木曜日

最終的かつ不可逆的

読み方:さいしゅうてきかつふかぎゃくてき
別名:최종적 및 불가역적으로
別名:finally and irreversibly

2015年12月に日本と韓国の間で取り交わされた「慰安婦問題日韓合意」の中で用いられた言い回し。

外務省によれば、「慰安婦問題日韓合意」を受けた日韓両外相の同記者発表において、日本の岸田外務大臣と韓国の尹(ユン)外交部長官が共に「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と述べている。

「最終的」は英語の finally に相当する語であり、「不可逆的」は irreversibly に相当する( irreversibly は「非可逆的」とも訳し得る)。議論を続けることも、蒸し返すことも、むろん覆すこともできないと明示・断言する言い回しである。

韓国内では慰安婦問題日韓合意の後、2017年半ば現在に至るまで、国内世論が議論を続けている。日本は一貫して合意の遵守を求める立場を取っている。

1965年に締結された「日韓請求協定」(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)では、請求権に関する問題が同協定によって「完全かつ最終的に」(completely and finally)解決されたと確認する、と記述されている。端的にいえば、これが覆された果てが「慰安婦問題日韓合意」であるといえる。

関連サイト:
日韓両外相共同記者発表 ― 外務省

報道しない自由

読み方:ほうどうしないじゆう

報道機関が、公平な報道という理念に立てば報道してしかるべきといえる情報を、自らの主義主張にそぐわない、あるいは、その報道機関が共鳴する組織や人物によって都合が悪いといった理由で、報道せずに見過ごす(見て見ぬふりをする)というあり方を指す表現。いわゆる偏向報道の一端。

報道しない自由という表現は「報道の自由」をもじった言い回しである。報道の自由(freedom of press)は、報道を通じて事実を伝達する権利であり、国民の「知る権利」や「表現の自由」に照らして自明の権利と解釈される。

近年、新聞やテレビといった大手マスコミの報道が恣意的な取捨選択を経ているのではという疑義が少なからず提示されている。オンラインメディアがマスコミに比肩する情報源となり、ソーシャルメディアが普及して拡散されやすくなったことも、疑義の声の高まりを後押ししているといえる。

報道しない自由は、新聞やテレビの報道が特定の立場に偏っている(ように思われる)さまを揶揄もしくは非難するキーワードといえるが、ことテレビのニュース番組においては放送法第4条における「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」といった規定に抵触する(違法行為に該当する)という観点から、特に是非が問われる。

2015年に発足した、識者を中心とする任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」は、テレビ報道における放送の公平さや事実の正確な報道を訴えるべく活動している。

関連サイト:
放送法遵守を求める視聴者の会