新語時事用語辞典とは?

2017年10月3日火曜日

天敵農法

読み方:てんてきのうほう
別名:統合的病害虫管理
英語:Integrated Pest Management

化学合成農薬に依らず生態系を活用して害虫を駆除する農法のこと。天敵農法では、害虫を捕食または病死させる生物などが農地に放飼される。

天敵農法で放飼する昆虫や微生物の多くは生物農薬として登録されており、農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)によって有機栽培での使用が認められている。また、それらの生物農薬の中には、人工交配を行い農地内で飼育しやすい種に改良が行われたものも見られる。

科学合成農薬の使用と比べ、天敵農法の導入コストと残留農薬への懸念は比較的低い。しかし、日本植物防疫協会の平成23年度の調べによると、生物農薬の出荷額は国内の農薬出荷額全体のうち1%未満にとどまっており、農林水産省は天敵農法の導入拡大を呼び掛けている。

高濃度乳房

読み方:こうのうどにゅうぼう

乳房内の乳腺の密度(乳腺濃度)が高い乳房のこと。乳腺濃度は極めて高濃度、不均一高濃度、乳腺散在、脂肪性の4段階に分類され、このうち「極めて高濃度」と「不均一高濃度」の乳腺濃度を持つ乳房が高濃度乳房とされる。また、日本人の間では、乳腺実質内に脂肪が混在する不均一高濃度を持つ女性が多く見られる。

乳がん検診で、胸部の主要な撮影器具として用いられるマンモグラフィでは、乳腺と乳がんによる病変が両方とも白く映る。このため、高濃度乳房では、乳腺濃度が低い乳房と比べ乳がんの発見難易度が上がる。高濃度乳房の精密な乳がん検診には、超音波を用いた検査を併用するなどの対策が取られている。

超音波検査が高濃度乳房内の乳がん発見に対して有効であることが複数の研究から報告されており、厚生労働省では、がん死亡率減少への効果検証を進める中、市町区村での住民検診への導入を検討している。

関連サイト:
がん検診のあり方に関する検討会中間報告書 ― がん検診のあり方に関する検討会
胃がん・乳がん検診に関する指針の改正について ― 厚生労働省