新語時事用語辞典とは?

2017年11月9日木曜日

みそぎ選挙

読み方:みそぎせんきょ
別名:禊選挙

政治家が不祥事や醜聞がマスメディアなどで大きく取り沙汰され、汚名を負うことになった状況で、なおも選挙に立候補すること。または、そのような候補者が臨む選挙のこと。

みそぎ選挙に臨む立候補者は、自身がスキャンダルの渦中にある中で有権者の支持を得るため活動することになる。いわゆるマイナスからのスタートであり、選挙に勝つことは容易でない。そのような状況で選挙に勝利すれば、民意からの信任が得られた、汚名が雪がれた、と言わざるを得ない流れが生じる。

ポスト真実

読み方:ポストしんじつ
別名:ポストトゥルース
英語:post-truth

客観的事実といえる情報よりも感情に訴えかける情報の方が強く世論を動かしていくような情勢、世の流れを指す表現。英語では post-truth age(ポスト真実の時代)のように形容詞として用いられる。

ポスト真実の「ポスト」とは、英語で「後の」という程の意味を持つ語である。「ポストモダニズム」「ポスト構造主義」等、思想史の流れで用いられる場合が少なくない。前後関係における「後」のニュアンスに加えて、それ以前の流れを前時代的なものに位置付けるニュアンスも汲み取り得る場合がある。

2010年代後半以降、ソーシャルメディアを通じた情報の流通・拡散が広く一般に浸透しており、SNSを経由してオールドメディアよりも素早く情報が広がる世界になりつつある。時には情報が錯綜し、事によっては扇動を目的とする虚偽の情報(フェイクニュース)がばら撒かれる。そのような社会において、単に真実か否かという価値観よりも、訴えてくるものがあるか否かという価値観が世論を形成しやすくなっている傾向が浮き彫りになりつつある。

「ポスト真実」の原語である post-truth は、オックスフォード英語辞書によって2016年の「今年の言葉」に選ばれ、同辞書にも収録された。

魔の2回生

読み方:まのにかいせい
別名:魔の二回生
別名:自民党・魔の2回生

衆議院選挙において2回目の当選を果たして「2回生議員」となり、何かしらの醜聞や不祥事で取り沙汰された議員(とりわけ自民党所属の議員)を総称した言い方。2017年によくマスメディア等で用いられた表現。2017年ユーキャン新語・流行語大賞のノミネート語にも含まれた。

産経新聞は2017年9月22日付の記事で、自民党の「魔の2回生」として、中川郁子・門博文・武藤貴也・宮崎謙介・務台俊介・中川俊直・大西英夫・そして豊田真由子の名前を挙げている。取り沙汰された内容は不倫騒動、金銭トラブル、暴言・舌禍とさまざまである。

豊田真由子は当時の秘書に対する「このハゲー!」「ちーがーうーだーろー!」といった暴言の数々が特に強烈であり、ことさらに多く取り沙汰された。「ちーがーうーだーろー!」発言は「魔の2回生」とは別に2017年ユーキャン新語・流行語大賞のノミネート語にも含まれている。

2017年10月に衆議院解散総選挙が実施され、魔の2回生と呼ばれた議員の多くは3選を目指して立候補した。結果はまちまちで、当選を果たした議員もあれば、落選・惨敗を喫した議員、小選挙区では落選したが比例で復活当選した者もいる。豊田は落選した。

関連サイト:
女性問題、被災地おんぶ、暴言…自民党の「魔の2回生」崖っぷち 衆院選目指すも「違うだろ!」 ―― 産経新聞, 2017年9月22日

栄養格差

読み方:えいようかくさ

人々が摂取する栄養の質と量について、社会階層の間で大きなひらきが生じている状態のこと。栄養格差が生じている社会には、充分な食料を購入できなかったり偏食に陥いるなど様々な要因で健康に必要な栄養を取れていない人々が存在する。

日本国内の栄養格差については、児童への健康被害が特に懸念されている。各地方自治体では、年齢など一定の条件を満たした世帯の児童に対し、無償または低額で学校給食を与える取り組みが行われている。


子ども食堂

別名:こども食堂

民間が児童やその保護者に対し、無償または低額で食事を提供する取り組み。

子ども食堂は、主に民間の飲食店経営者やボランティアによって開かれる。営業時間帯の一部を子ども食堂専用に開放するなど、開催の形態や頻度は様々である。定期的な運営のため地域の農家や畜産業者と提携し、料理の素材の提供を受けている子ども食堂もある。

子ども食堂の利用者や利用価格、活動目的についての定義は、それぞれの取り組みによって異なる。

星取県

読み方:ほしとりけん

鳥取県の異称・ふたつ名。平井伸治・鳥取県知事が提唱し、県が公式にブランド化を推進している。

鳥取県は全国で最も人口の少ない県のひとつであるが、それだけに星空がきれいに見える地でもある。どの市町村からも天の川が見え、流星群の時期でなくても流れ星が見えるほどであるという。鳥取市は県庁所在地として唯一、環境省が実施していた「全国星空継続観察」で1位になったことがある。

2017年には星空の見える環境の保全や光害の抑止を目的とする条例の制定も検討されている。11月前半時点では県議会に条例案の提出が予定されている状況である。

鳥取県における「星取県」のように、県がPR目的で公式に異名をこしらえた例としては、香川県が打ち出した「うどん県」の呼び名が挙げられる。

ちなみに平井伸治知事は「星取県」と併せて「蟹取県」の異名も打ち出している。

関連サイト:
CATCH the STAR 星取県