新語時事用語辞典とは?

2017年11月20日月曜日

スラップ訴訟

読み方:スラップそしょう
別名:恫喝訴訟
別名:恫喝的訴訟
別名:スラップ裁判
別名:威圧訴訟
別名:スラップ
英語:Strategic Lawsuit Against Public Participation
英語:SLAPP

ある程度の発言力や社会的影響力のある、社会的に優位といえる立場の者が、特に発言力や影響力を持たない相対的弱者を相手取り訴訟を起こすこと。強者が弱者に対して訴訟をしかけることで、半ば社会的な恫喝あるいは報復として機能する。

スラップ訴訟は、たとえば個人と企業との間の対立において企業が個人を提訴するという形で行われる。個人は企業が孕む問題を告発する情報を発信し、企業側はこれを名誉毀損として提訴する、という構図が典型といえる。訴えられた個人の側は訴訟に対応するために個人では対応しきれないような金銭的・時間的な負担が強いられる。世論は企業側に好意的な見解を寄せやすい。結果として告発者を疲弊させる嫌がらせ効果に結びつく。

電気飛行機

別名:電動飛行機
別名:電動航空機
別名:電気航空機

電気エネルギーを動力とする航空機の通称。2017年現在、将来の実用化に向けた研究開発の取り組みが本格化しつつある。

機体の基本設計は従来と同様で、動力源を液体燃料から電池に、エンジンをモーターに置き換えた構造が想定されている。従来型の航空機と比べて騒音および振動が格段に抑えられ、動力まわりのメンテナンスが容易になる。化石燃料を燃焼しない方式となるため直接的には二酸化炭素を排出しない上、燃料の取り扱いも従来よりははるかに容易になる。

いわゆるソーラープレーンも、太陽電池を利用するモーター式の航空機という意味で電気飛行機に該当するが、2017年現在「電気飛行機」と言って念頭に置かれる対象は旅客機である。小型の機体ほど実現しやすいため、当初はタクシー代わりに利用でいる小型機や、数名から十数名程度を乗せて都市間を移動するコミューター機の形で実用化されるものと期待される。騒音が極力抑えられるという電気飛行機の特徴もコミューター機レベルの用途と相性がよい。

2017年にはイギリスのEasyjetが、10年内をめどに電気飛行機を旅客機として実用化し運用する計画を発表している。


チバニアン

別名:千葉時代
別名:千葉の時代
英語:Chibanian

地質学的区分における中期更新世、約77万年前~12万6千年前の時代区分の名称候補として2017年11月に内定した呼称。同月時点では確定したわけではないが、地質年代の名称としては初となる日本の地名由来の国際標準名になるものとして期待と共に報じられている。

チバニアンと呼ばれる約77万年前の地質年代は、地球の南北の磁場(地磁気)が逆転した時期であり、地球史上最後に地磁気が逆転した時代とされている。同時代を示す地質学的な国際標準模式地(GSSP)として、千葉県市原市の地層と、イタリアの地層が候補に挙った。市原市の地層がGSSPとして選定されれば、国内初のGSSPとなる。同時に「チバニアン」の名称が正式に採用される公算が極めて濃厚となる。

チバニアンの名称が国際標準名として正式に決定されるか否かは、国際地質科学連合(IUGS)における発表を待つことになるが、発表時期は2017年11月時点では特に公表されていない。2018年の初旬から半ば頃になるものと目されている。

関連サイト:
千葉県市原市の地層を地質時代の国際標準として申請 認定されれば地質時代のひとつが「チバニアン」に ― 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所

あおり運転

読み方:あおりうんてん
別名:煽り運転
別名:アオリ運転

車道の前方を走行する車に対して、速度を上げさせたり道を譲らせたりする目的で行われる、威嚇的・挑発的な運転の総称。

あおり運転は、走行速度が遅い(と煽る側には感じられた)前方車両に「もっと速度を出せ」と促したり、「追い越させろ」と促したり、前方に割り込まれたことに腹を立て苛立紛れに嫌がらせをしたり、といった目的で行われることが多い。煽りの手段としては、異常に近接したり、必要がない状況で警笛(クラクション)を鳴らしたり、ヘッドライトをハイビームで灯火したりといった形を取ることが多い。執拗に追跡する(追い回す)といった嫌がらせや、いったん追い越してから行く手を阻んで相手の車を停めさせ、運転手を降車させた上で暴力を振るうような場合もある。

あおり運転をされた側は、心理的圧迫感から運転に焦りが生じ、安全運転の維持が脅かされやすい。あおり運転を行う者は往々にして法定速度を大幅に超過して走行するような無法者であり、何をされるか分からないという不安にも駆られることになる。あおり運転は危険だと注意したり諭したりすると逆ギレされかねない。

あおり運転はいわゆる「自動車運転死傷行為処罰法」に基づき処罰の対象となる。

あおり運転が絡むいざこざは、全国で多く発生している。2017年に報じられただけでも、高速道路の追い越し車線で停車させて追突事故(死亡事故)に巻き込ませる、相手の車を停めて車を殴って壊す、相手を殴る、相手を撥ねる、といった事例が報じられている。