新語時事用語辞典とは?

2018年2月26日月曜日

ファルコンヘビー

別名:ファルコンヘヴィー
別名:ファルコンヘヴィ
英語:Falcon Heavy

米国の民間宇宙開発事業者・スペースXが開発した大型の宇宙ロケットの名称。同社のロケットの中でも特に大型で、全高は70メートルに及ぶ。低軌道までなら6トン超の物体を運べる。左右のブースターともども使い捨てではなく再利用が前提されている。

2018年2月にケネディ宇宙センターからファルコンヘビーの試験機が打ち上げられ、打ち上げは成功した。ファルコンヘビーにはテスラの電気自動車「テスラ・ロードスター」が積載されており、同車は「宇宙空間をドライブする車」として脚光を浴びた。

2018年2月21日水曜日

退位の礼

読み方:たいいのれい
別名:退位の儀
別名:退位礼正殿の儀

天皇陛下が退位(譲位)される際に国事行為として執り行われる式典の呼び名。皇太子が天皇に即位する場合に行われる「即位礼正殿の儀」(「即位の礼」)にならった呼称といえる「退位礼正殿の儀」(「退位の礼」)が一般的に定着しつつある。

2018年4月現在、「退位の礼」ならびに「即位の礼」を2019年4月・10月にそれぞれ実施する方針が閣議決定されている。「退位の礼」も「即位の礼」もともに国事行為として執り行われる。

立皇嗣の礼

読み方:りっこうしのれい

皇位を継ぐ(第1位の)者である「皇嗣」になることを正式に公に示される儀式のこと。2019年に秋篠宮文仁親王の皇位継承順位を第2位から第1位とするための儀として設けられた。

2016年に天皇陛下(第125代・明仁)が退位の意向を示されたことを受け、2019年に退位の議を行う方向が決定された。天皇の「生前退位」は約200年ぶりに行われることになる。天皇の「生前退位」は約200年ぶりに行われることになる。退位に伴い「退位の礼」(「退位礼正殿の儀」)が国事行為として行われる方針も固まった。

陛下が退位されると、皇位継承順位に従い皇太子徳仁親王が皇位を継承することになる。天皇に即位するに当たっては「即位の礼」と呼ばれる儀礼が執り行われる。

スリーパーセル

別名:スリーパー組織
英語:sleeper cell
英語:sleeper cells

英語で「潜伏工作員」の意味で用いられる表現。平時は一般市民に同化して目立たないように生活しており、有事には組織から指令を受けて諜報活動、破壊工作、テロ行為などに及び市井を内部から攪乱する。

スリーパーセルの個々の分子は単に「スリーパー」と呼ばれることもある。

2018年2月には国際政治学者・三浦瑠麗がテレビ番組上で北朝鮮のスリーパーセルがいるかも知れないという話題に触れ、「スリーパーセル」の語がより広く認知されるようになった。

日本において北朝鮮のスリーパーが都心部などに潜伏している可能性は決して否定できない。しかしこれは「悪魔の証明」の部類といえる。三浦の発言も無根拠な妄言に過ぎないとする見解が少なくない。

2018年2月20日火曜日

カツオクジラ

別名:かつおくじら
別名:鰹鯨
別名:鰹クジラ
別名:エーデンスホエール
別名:Balaenoptera edeni
英語:Eden's whale

ナガスクジラの一種。世界中の比較的温暖な海域に生息しており、西日本の近海でも見ることができる。ニタリクジラ(Bryde’s whales)の近縁種であり、ニタリクジラの異名としてカツオクジラの呼称が用いられることもある。混同されることも多く、特に区別せず同一視して扱われることも多い。

2017年には、タイ湾に生息するカツオクジラが立ち泳ぎ(tread water)の姿勢で大きく開けた口を水面付近に置き、魚を待ち構えるようにして捕獲する習性がある、という研究結果が報告されている。

1960年代に大阪市内で縄文時代に生息していたと見られるクジラの化石が発見されており、ミンククジラの化石と見られてきたが、2018年にこれがカツオクジラの化石であることが判明した。

関連サイト:
Tread-water feeding of Bryde’s whales ― Cell Press

えびの高原

読み方:えびのこうげん

九州南部、宮崎県えびの市にある高原。標高およそ1200メートルにあるが周囲を高い山々に囲まれて盆地のような地形になっている。

えびの高原を取り囲む山々は霧島山と総称される火山群である。2018年2月には火山性地震の増加が認められたことにより、周辺地域が「噴火警戒レベル2」に指定されている。

2018年2月9日金曜日

恵方巻商法

読み方:えほうまきしょうほう
別名:恵方巻き商法

特に全国的に根付いているわけでもない行事を、企業が(もっぱらマーケティング戦略の目論みから)大々的なキャンペーンとして打ち出し、新たな商機を創出すること。年中行事にかこつけたゴリ押し。

「恵方巻商法」の呼び名は、あるコンビニエンスストアが中心となって「2月の節分は恵方巻きを丸かぶり方式で食べるもの」という認識のもとに全国的なキャンペーンとして展開した流れを念頭においた表現といえる。

2010年代の後半から終盤にかけて、節分の日になるとコンビニやスーパーマーケットで恵方巻きが大量に用意され販売されるようになっている。ただし全国的には、ありがたがる声よりは違和感を訴える声の方が多勢を占める。

節分の恵方巻きは、大多数の国民が伝統行事として認識していない事柄を(さも文化の啓発であるかのような体で)発信しているという側面もさることながら、結局あまり国民に受け容れられずに大量の売れ残りを排出しているという事実においても非難の対象となることがある。

2018年2月8日木曜日

親子合併

詠み方:おやこがっぺい

親会社と子会社が合併してひとつの法人に移行すること。多くの場合、親会社が子会社を吸収合併する(親会社は存続し子会社は消滅する)形が取られる。子会社はブランド名として維持される場合も多い。

親子合併の例としては、2018年1月に住友ゴム工業株式会社がダンロップスポーツ株式会社とダンロップインターナショナル株式会社を合併した事例が挙げられる。合併された2社は共に住友ゴムの子会社だった。合併後は住友ゴムのスポーツ事業部となり、「ダンロップ」のブランドは維持される。

ちなみにダンロップスポーツはもともと住友ゴム工業の事業部門として発足し分社化した経緯があり、分化を経て再び合流した形である。

関連サイト:
住友ゴムグループのスポーツ事業統合について ― 住友ゴム工業株式会社 ニュースリリース 2017年8月29日

2018年2月7日水曜日

#MeToo

読み方:ミートゥー
別名:MeTooタグ
別名:MeTooハッシュタグ

女性が自身の受けたセクハラ行為を告発するために用いられている、ソーシャルメディア上のハッシュタグ。および、同ハッシュタグを用いたセクハラ告発のキャンペーン。

オンラインメディア「HuntingtonPost」によれば、#MeTooタグを使ったセクハラ告発キャンペーンは2007年にタラナ・バーク(Tarana Burke)によって提案された。それ以降2010年代半ばにかけて徐々に機運が高まり、2010年代後半には世界的なムーブメントになっている。

2017年10月に女優のアリッサ・ミラノ(Alyssa Milano)が、もし性的ハラスメントや性的暴行に遭ったことがあれば#MeTooタグを付けてリプライして欲しいと発言したところ、数万単位のリプライが返ってきたという。BuzzFeedがこれを報じている。

概して自分が性的被害を遭った体験を公にするのは勇気がいるものであるが、誰かが発信した告発に「私も」と投稿するだけなら敷居は低くなる。泣き寝入り状態に甘んじている女性が皆「私も」と声をあげれば、世の女性が性的被害に苛まれている事態の深刻さが分かるかもしれない、という期待と共にムーブメントは続いている。


2018年2月6日火曜日

人新世

読み方:じんしんせい
読み方:ひとしんせい
別名:アントロポセン
英語:Anthropocene

地質年代の区分として提唱されている時代区分、または同区分を導入採用する学説の呼び名。

人新世の区分は、人類が地球の生態系や気候に多大な影響を及ぼすようになった時代を地質学的に定義するべきという位置づけと言いうる。

国際地質学会議で2016年に行われた検討会では、人新世の採用に賛成する意見が反対意見を大きく上回っている。ゆくゆくは標準的な考え方として学界に受け容れられていくのではという見解が優勢といえる。

平壌オリンピック

読み方:ピョンヤンオリンピック
別名:平壌五輪

2018年2月に韓国・平昌(ピョンチャン)で開催される第23回冬季オリンピック(通称・平昌オリンピック)を茶化して呼ぶ言い方。平壌に首都を置く北朝鮮が主導する大会だ、という揶揄が込められている。

平昌オリンピックの開催前は北朝鮮が存在感を示しており、同国の参加を促すために開催国である韓国が振り回されるような形になっている。女子アイスホッケーにおいては南北合同チームを特例的に結成するなどして良かれ悪しかれ注目を浴びた。平和の祭典であるはずのオリンピックに政治的思惑を持ち込んでいるとの批判もある。

韓国政府は「平壌オリンピック」という呼び名をレッテル貼りであるとして不快感を示している。

2018年2月1日木曜日

統合防衛戦略

読み方:とうごうぼうえいせんりゃく

防衛省が有事に備えて取りまとめる、自衛隊の防衛戦略を陸・海・空まとめて一元的に整備した文書のこと。主に中国・北朝鮮の軍事的脅威を想定し、陸海空の各部隊が連携した対処の指針がまとめられる。

2018年2月1日に産経ニュースが、統合防衛戦略を取りまとめて公表するという防衛省の指針を報じた。同紙の記事では、統合防衛戦略は年内を目処に策定される予定であるという。なお公表されない内部資料としては同種の文章はすでに2014年頃までにまとめられてあるという。

関連サイト:
統合防衛戦略初公表へ 陸海空自の運用指針 安保3文書を確立 ― 産経ニュース 2018年2月1日(同日閲覧)