新語時事用語辞典とは?

2018年5月14日月曜日

マイクロプラスチック

別名:マイクロプラスティック
英語:microplastics

直径数ミリメートルかそれ以下の大きさに再編化された微小なプラスチック類の総称。海洋の生態系に悪影響を及ぼしうる要因として調査研究が進められている。

東京大学・海洋アライアンスのウェブサイトでは、「直径5ミリ・メートルより小さなプラスチックごみ」をマイクロプラスチックと定義している。ただし、どれくらいの大きさまでをマイクロプラスチックに分類するかは、研究者によって違いがあるという。

マイクロプラスチックは、難分解性プラスチックが経年劣化などにより砕けて砕片となり、しかし元素レベルで分解はされずあくまでもプラスチック片であり続ける、そのようなプラスチックごみである。海に流れ出て海洋を漂い(海洋ゴミとなり)、海洋生物が誤食することで、生物の発育不足や有害物質の生体濃縮が生じる可能性がある。ひいては水産資源の減少や有害化、生体バランスの崩壊などが生じる懸念につながる。

マイクロプラスチックによる海洋汚染の実態や、その影響は、2010年代半ば以降に本格的に研究が進められ始めた状況にあり、同年代後半現在のところ未だ全貌は把握されていない。

関連サイト:
海のマイクロプラスチック汚染 ― 東京大学海洋アライアンス
平成 28 年度海事問題調査委員会報告書「マイクロプラスチック問題について」 ― 一般社団法人海洋会

世界の記憶

読み方:せかいのきおく
別名:メモリーオブザワールド
英語:Memory of the World

ユネスコ(UNESCO)が進めている、世界的に貴重な記録物を登録し保全を推進する事業の名称。および、同事業に登録された記録物のこと。

日本では、ユネスコの世界遺産(World Heritage Site)等と呼称を揃える形で「記憶遺産」と呼ばれることがある。

世界の記憶は、世界の歴史を伝える十分な価値のある記録記憶物を保全し、政治的目論みなどによって抹消される危険から遠ざけ、多くの人が容易にアクセスできるように公開環境の整備を奨励する、といった意義の元に推進されている。登録された記録物はデジタルデータとしてユネスコの公式ウェブサイトで閲覧できる。

世界の記憶の登録対象となる記録物(媒体)の例としては、書物、手紙、地図、文字、写真、日記などの文書が挙げられる。

日本に関連する文書としては、シベリア抑留から引き上げてきた日本人の手記をはじめ数点が世界の記憶として登録されている。

2015年には中国が申請した、いわゆる「軟禁大逆咲く」に関連するとされる文書の登録が決定され、これに日本側が抗議、最終的に審査の延期が決まり、世界の記憶の審査の在り方そのものが見直されるに至っている。

関連サイト:
日本ユネスコ国内委員会「世界の記憶」 ― 文部科学省